ジャパンダイジェスト

ドイツで出産する

病気ではないけれども、妊娠・出産は女性にとっては一大事。
ドイツと日本を比較した場合に、異なる点を中心に説明します。

出産前

1. 費用

ドイツでの出産

妊娠の診察費用から出産する場合の入院費用まで全額保険からまかなわれます。病気で内科や耳鼻咽喉科などの医者にかかる場合と同じ扱いなので、診察料(Praxisgebuehr)や薬代は自己負担です。その他にも、父親、母親クラスなど出産前の準備教室などへの参加費が保険から下りる場合もあるので、どのような費用がカバーされるのか、あらかじめ自分の加入している保険会社に問い合わせておくのがよいでしょう。

2. 医療機関

日本では「産婦人科」という名称からも分かるように、妊娠中に診察を受ける所=出産する所というパターンが多いでしょう。一方ドイツでは、妊娠中は「婦人科」の医師の診察を受け、出産する場所は別に出産予定日の約4~5カ月前から探しはじめる必要があります。そのアドバイスは「Pro Familia」(www.profamilia.de英語ページもあり)など公的な団体でも受けられます。このような団体では、出産に伴う財政的な問題や家族計画などを含めて様々な相談に無料で応じてくれます。出産を受け付ける医療機関でも、月2回ほどのペースでインフォメーションを提供する機会をもうけているところが多いので、どんな環境で、さらにどんな医療チームの立会いで出産することになるのか、具体的な情報を直に得ることができます。「大きな病院で産みたくない」という人には助産院(Geburtshaus)あるいは助産師さんが立ち会っての自宅出産という方法もあります。とにもかくにも、医師に頼るだけでなく、自分にあった出産をするために自ら積極的に情報収集し、満足いく出産をする、というのがドイツ流のようです。

3. マタニティライフ

mutterpass

産まれてくる我が子のためにまず気を使うのが栄養。バランスのいい食事をするというのは万国共通ですが、ドイツではそのほかに医師から葉酸(Blattsaeure)やマグネシウムが補助的に処方されます。また握り寿司、カルパッチョなどの生ものや、火を通さずに調理するティラミスは食べてはいけないという指示が出る場合があります。 医師の定期検診回数などは日本とほとんど変わりません。母子手帳(Mutterpass)も10週目ぐらいに婦人科で手渡されます。

4. その他

妊娠中は体のちょっとした不調や変化に敏感になって不安になるもの。言葉の違いから出てくる悩みや、こんなつまらないことを医師に聞いたら怒られるかもといった気持ちになったら、ドイツ語の本をひも解いてみるのもいいかもしれません。

出産後

1. 制度

少子化の進むドイツでは、様々な制度が新設されて、子供を産む環境が整いつつあります。 そのような制度を活用するためにも、どのような制度があるのか、申請法などを出産前から自分の住む自治体の担当部局に問い合せて、確認しておくとよいでしょう。以下制度の主要点を挙げます。

両親手当て
2007年に法改正によってできたのが従来の「養育手当て」(Erziehungsgeld)に代わる「両親手当」(Elterngeld)。育児で休職を余儀なくされる親の産休前手取り収入の67%(上限1800ユーロ)が一年間の育児休暇中に支給されます。また育児と仕事の両立を推進するため、職場復帰にあたってパートナーが休職あるいは時短勤務を余儀なくされる場合、2カ月間、手当ての延長が認められます。

児童手当
子ども一人に対して月額154ユーロ(学業修了まで。最長25歳まで)

税控除
託児費用が年間1人4000ユーロを上限に控除可

2. 子育て環境

保育所(Kindertagesstaette)
待機児童が一杯で、かなり前から予約しなければならない地域もあります。住んでいる自治体のJugendamt(青少年局)などではホームページなどを通じて情報を公開しています。 費用も自治体によって異なるのでチェックしておきましょう。

プレイグループ
ドイツ語ばかりの生活環境にいると子どもが成長するにつれ、「日本語を話す同じ年齢の子どもと遊ばせたい」「同じ境遇のお母さんと悩みを相談したり、意見交換したい」という思いが出てくる時があるかもしれません。各地にそういったお母さん達が自主的に運営するプレイグループがあります。ニュースダイジェストの告知板などでも案内しています。

 
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