観光の目的の1つは、その土地ならではのモノに触れること。
今回は、ハンザ都市として栄華を誇ったハンブルクに焦点を当ててみよう。
ここでは、名門サッカーチーム・ハンブルクSVと、
ドクロマークを掲げるザンクトパウリが人気を二分しているように、
街角でも表と裏の顔が渾然一体となっているようだ。
この街で最近注目を集める3つの個性的なエリアを中心に、
編集部が見付けたこだわりのショッピング&グルメスポットをご紹介します。
(ドイツニュースダイジェスト編集部)
Altona / Ottensen
エルベ川沿いに位置するアルトナ地区、その中でもアルトナ駅の西側に広がるオッテンセンと呼ばれる地域は、工業の衰退と共に廃れた不遇の時を経て、今再び活気あるショッピングエリアとして復活を遂げている。オッテンセン中央通り(Ottenser Hauptstr.)を中心に四方八方に広がる小道を歩けば、こだわりの詰まった個性的なお店に出会えること間違いなし。真っ直ぐエルベ川沿いまで行けば、そこは魚市場。
1. 流木+ カフェ
TIDE Treibholz & Feinkost
海が作り上げた芸術、「流木」に魅せられたフランク・ヴァルベックさんがオープンしたカフェ。彼がエルベ川や北海から集めた流木が、柔らかに店内を彩っている。自然の美しさを大事にするTIDEで 提供される食事は、もちろんビオ。薫り高いコーヒー、抹茶ラテや緑茶、ハウスメイドのケーキやパスタ。普段の食事が特別なものに感じられるリラックス空間。
月~金8:00~18:00 土10:00~18:00
Rothestr. 53, 22765 Hamburg
www.tide.dk
2. 雑貨屋+ カフェ
Adele & Clodwig
125㎡の広々とした店内には、オーナーである タンニャさんのお眼鏡に適ったものだけが詰まっている。2011年にオープンしたばかりの雑貨屋兼カフェは、瞬く間に地元民の心を掴んだ。カントリー調の家具やインテリア雑貨、繊細なアクセサリーなどの小物から、地元で作られたジャムやマスタードまで、5つの部屋に分かれた空間の中に、自分だけのお気に入りを見付けられるはず。
月~金11:00~19:00 土10:00~18:00
Bahrenfelder Str. 43, 22765 Hamburg
www.adeleundclodwig.de
3. 子ども服
Vergissmeinnicht
看板に従ってトンネルを抜けると広がるノスタルジックな裏庭、そしてそこには隠れ家のような子ども服屋さんが1軒。ウルリケ&マグダレーナ姉妹のお店は、「Vergiss mein nicht(私のも忘れないでね)」という店名の通り、小さなプリンスとプリンセスたる子どもたちの声が聞こえてきそう。限られた子ども時代だからこそ、デザインと質にこだわりを求めたい親子に。
月~金10:00~18:00 土11:00~16:00
Ottenser Hauptstr. 44, 22765 Hamburg
www.vergissmeinnicht-hamburg.de
4. パン&ケーキ屋
mikkels
ミニチュアマフィンにスコーン、一口サイズのスイーツが並ぶベーカリー。小さな入り口から半地下へ 下ると、甘い焼き菓子と挽きたてのコーヒーの香りに包まれる。どこか懐かしさを感じさせるレトロな雰囲気の同店では、ずっしりと存在感を感じさせる濃厚な味わいの焼き菓子が味わえる。中でも人気は、Linzer Törtchen(1.50ユーロ)。プチプライスが嬉しい。
火~土9:00~17:00
Kleine Rainstr. 10, 22765 Hamburg
www.mikkels.de
5. スウェーデン雑貨
Feingeschmack
現代社会には癒しが足りないと考える同店のオーナー、マルティンさんに、静寂と心地良さのイメージを与える北欧のデザイン。この店は、彼が選りすぐったスウェーデンの雑貨、布製品、そしてアウトドア商品が並ぶ。自然をモチーフにした、素朴ながら大胆にして鮮やかなデザインが魅力の食器類、ハンドメイドの木製雑貨など、感性に訴え掛ける北欧のアイテムで生活に潤いをプラス。
火~金11:00~18:30 土11:00~15:00
Große Brunnenstr. 61, 22763 Hamburg
www.feingeschmack.de
Schanzenviertel
人によって評価が真っ二つに分かれる地区かもしれない。ハンブルクの中で特に貧困層が多く住む地域として知られるシャンツェン地区は、一方で家賃の安さゆえに学生やアーティストが集まり、光と影が隣り合う独特な地域が作り上げられた。レストランやバーなど食の宝庫でもあり、ちょっと奔放な雰囲気のファッションの発信地として若者に人気。シャンツェン通りから西の脇道に入って、自分の感性に合うお店を探してみよう。
6. ファッション
La vie est belle
パリ、ベルリン、コペンハーゲンの見本市を巡り、心浮き立つ一着を探し続ける店長のシルヴィア・スタールフットさん。彼女のお店のテーマは、流行り廃りに左右されない、王道のロマンチックスタイル。特別な日に、はたまた、ちょっと背筋を伸ばしたい日に、着る人の気持ちを高める一着がきっと見付かるはず。乙女心をくすぐるアクセサリーなどの小物も充実。
月~金11:00~19:00 土11:00~16:00
Kampstr. 11, 20357 Hamburg
http://lavieestbelle-hamburg.de
7. ミューズリー専門店
HOFFSKI MÜSLIBAR
ハンブルク初のビオ・ミューズリー専門店。ドイツの朝食の定番とも言える雑穀シリアル「Müsli(ミューズリー)」に、「レーズンはいらない!」というオーナー家族。好みにあったミューズリーがなかなか市販されていないことから、自分の好みに合わせてブレンドできる同店の発想に行き着いたという。各種穀物やドライフルーツ、チョコなど約40種類の材料が揃っている。
月~金8:30~19:00 土10:00~17:00
Bartelsstr. 8, 20357 Hamburg
www.hoffski.de
8. デザイナーズインテリア
Lokaldesign
地元の若手デザイナーにチャンスを与える場として機能している同店には、家具から食器、雑貨、ポストカードまで、大小さまざまな商品が並ぶ。それぞれの商品には、作り手のプロフィールと顔写真。学生として学ぶ傍らで商品を生み出している若者も多いが、品質はプロ並み。オリジナリティーとユーモア溢れる商品は、一点ものばかり。
月~土11:00~19:00
Schulterblatt 85, 20357 Hamburg
http://lokaldesign.de
9. キッチン用品
POSTEL
こじんまりとした店内は、さながらキッチン用品の博物館のよう。使えば使うほどに使い勝手の良さを実感できる包丁やポット、食卓を彩る食器、それらはすべて店主であるアンチャさんが世界各国から取り寄せたもの。アンチャさんファミリーは、5代にわたってキッチン用品の販売に携わっており、確かな経験と豊富な知識に裏打ちされた商品が並ぶ。
火~金11:00~18:00 土11:00~16:00
Weidenallee 29, 20357 Hamburg
www.postel-haushaltswaren.de
10. デリカテッセン
mysupper
プレゼントやお土産探しにもってこいの、おしゃれなデリカテッセン。フランスの香辛料、ハンブルクでブレンドしたお茶、各国のスイーツが香りを発し、存在をアピールする。食に関する雑貨も並び、ここでは日本のお弁当箱も売れ筋だとか。「my supper(私のための夜食)」という店の名の通り、見た目に楽しく、食べて美味しい、特別な商品が棚いっぱいに溢れている。
火~金11:00~18:00 土11:00~16:00
Weidenallee 23, 20357 Hamburg
www.mysupper.de
St. Georg
木組みの建物が中世の趣を漂わせるアルト・ザクセンハウゼン、美術館が建ち並ぶシャウマインカイ、街を代表する地ビールの醸造所ヘニンガーのタワー、今をときめくデザイナーズショップが密集するブリュッケン通りやシュヴァイツァー通りと、新旧さまざまな顔を持つザクセンハウゼン。地元っ子が闊歩する様子を眺めながら、下町風情を満喫したい。
11. デリカテッセン&カフェ
MUTTERLAND
いくつになっても思い出すのは母の味、というのは万国共通の想いのようで、2007年にオープンしたムッターラントは、全商品「メイド・イン・ジャーマニー」のデリカテッセンとして一躍人気を博した。200以上の家族経営の農園や工場から仕入れた良質な食品と、こだわりのプライベートブランドが並ぶ。ここで、ドイツならではの味を再発見しよう。
月~土8:00~21:00
日9:00~18:00(カフェのみ)
Ernst-Merck-Str. 9-11, 20099 Hamburg
http://mutterland.de
12. アトリエハウス
Koppel 66
1920~30年代に機械工場として利用されていた場所は今、アーティストと職人が手仕事をするアトリエとして再利用されている。手縫いの靴やアクセサリーなどのアトリエが16の空間に広がり、それぞれが物づくりの活気で溢れている。豆腐を使ったパスタなど、ベジタリアンや健康志向の人向けのメニューが充実しているカフェの居心地も最高。
Koppel 66, / Lange Reihe 75, 20099 Hamburg
www.koppel66.de
13. ワイン専門店
EuroWeinKontor
欧州のワインのみを専門に取り扱っているワイン屋さん。ここの売りは、厳選したワインの品揃えと、過不足のないスマートなアドバイス、そして価格だという。「Geiz is Geil(安いことは良いことだ)」という価値観を持った世代に指示されるカリスマワイン店では、比較的安価でありながら、高品質なワインを提供している。
月~金11:30~19:00 土10:00~16:00
Danziger Str. 37-39, 20099 Hamburg
www.euroweinkontor.de
14. 香辛料
Kräuterhaus Hamburg
地元住民から絶大な信頼を寄せられている香辛料の専門店。貿易港として栄えたハンブルクらしい、異国情緒溢れる香りが店内を包んでいる。100年以上も前のものだという使い込まれた木製容器に入った香辛料は、状態も良く、高品質である上に良心的な価格設定。日本の緑茶など、お茶の種類も豊富だ。香辛料との新しい出会いを楽もう。
10:00~18:00
Koppel 34, 20099 Hamburg
www.kraeuterhaus.net
15. チーズ専門店
Alles Käse + Co
「フランスでも、スイスでも、みんな地元のチーズを食べているのよ」と言う店主のイゾルデさん。ドイツのチーズの実力を知る彼女が、産地で食べる醍醐味を教えてくれる。ここでは、北ドイツで作られたチーズのみがショーケースに並ぶことを許される。大手のチーズメーカーのものとは一味も二味も違う、地産地消の魅力を味わおう。
火~金10:00~20:00 土11:00~20:00
Ellmenreichstr. 28, 20099 Hamburg
www.alles-kaese-und-co.de
港街ハンブルクは、新鮮な食材の宝庫。地元の食通を納得させるべく、ハイレベルなレストランが乱立するこの街でしのぎを削る2軒の日本食レストランをご紹介します。
16. 魚市場のすぐ側で楽しむ新感覚の寿司
Restaurant FUGU by Sushi Factory
「ふぐ」の調理に熟練した技と資格が要るように、今年オープンしたFUGUのキッチンで包丁を握るのは、選び抜かれた料理人だけ。魚市場のすぐ側に位置し、食材にもこだわりを持つ同店では、ワサビも日本の本ワサビを使用。ワンランク上の味を楽しむための洗練された空間では、スタンダードなお寿司から、オリジナルのアレンジが効いた新感覚のカリフォルニアロールまで、様々な日本食が振舞われる。さらに、同店が自信を持ってお勧めするのが和牛のステーキ。この贅沢な食材を、お得感を感じられる価格で提供している。
12:00~23:00(LO22:45)
Große Elbstr. 212. 22767 Hamburg
TEL: 040-5556560(ご予約も承ります)
www.fugu.asia
www.sushi-factory.com
★ 本誌939号12ページの広告持参でご持参でお会計より10%割引します。
有効期限: 2012年10月末まで
※Restaurant FUGUでのみ有効。他店舗ではご利用いただけません。
※クーポン券など、ほかの割引サービスとの併用はできません。
17. 創作料理で味の冒険を楽しむ
Restaurant Zipang
南シェフのこだわりがつまった創作料理が自慢のジパング。定番の日本食にとどまらない、アイデア 満載の料理は、基本に忠実に、丁寧に手を掛けて調理されているからこその深い味わいを持つ。そんな同店の魅力を存分に堪能できるのが、夜のコース料理だ。中でも、「シェフのおすすめ」にお品書きはない。その日の食材、ゲストの顔ぶれを見た上で、シェフが料理を提供するというもの。自分のためだけに作られた料理を味わう贅沢は、何に出会うか分からない冒険のようにわくわくする。冷酒でこそ味が引き立つ日本酒に、ソムリエが選んだワインと、ドリンクも上質なものが揃っている。
月・水~土 12:00~14:30 18:30~22:00
日 18:00~22:00 ※火曜定休
Eppendorfer Weg 171, 20253 Hamburg
TEL: 040-432 800 32
www.zipang.de
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