北京五輪まであと1年。晴れ舞台への切符をかけて技を競い合う第40回世界体操競技選手権大会が9月1日から9日までシュトゥットガルトで開かれる。個人、団体、種目別に24カ国から約500人の選手が参加。特に男子は地元開催の五輪を前に力の入る中国と前回のアテネ五輪で団体優勝を飾った日本、若手の台頭が著しいドイツの争いが見ものだ。
出場予定選手(男子) | |
富田洋之、桑原俊、中瀬卓也、星陽輔、沖口誠、水鳥寿思 | |
Fabian Hambüchen, Thomas Andergassen, Phillipp Boy, Robert Juckel, Marcel Nguyen, Eugen Spiridonor |
● 北京への出場権
今大会で優勝した上位12チームが出場権を獲得する。出場権を逃した国の選手は国際体操連盟の規定に従って、個人種目への出場権を得ることができる。
● 新採点方式
2006年1月から導入された新採点方式。高難度の「ウルトラC」が「スーパーE」に進化するなど10点満点の尺度では採点しきれないという現状から発案された。新しい方式では、①選手の演技構成の難度を反映した上限なしの「演技価値点」②実技の正確さを10点満点から減点して出す「演技実施点」の2つを合計する。
● シュトゥットガルトは体操の町
第2次大戦後に、ドイツで初めてとなる体操の国際大会がシュトゥットガルトのキレスベルクで開かれたのは1950年。その後、数年間は、ドイツ、ロシア、日本がしのぎを削る場として注目を集めた。今大会が開かれるハンス・マルティン・シュライヤー・ハレが1983年に落成され、以降は、ドイツ国内選手権が毎年ここで開かれている。ドイツ体操協会の本部もここにある。
● ドイツと日本の体操界を結ぶ縁
鉄棒の離れ技で有名なギンガー宙返りを考案し、1970年代、日本でも多くのファンがいたエーバーハード・ギンガーはドイツ人。シュトゥットガルト近郊に住んでいる。また具志堅幸司全日本男子監督も現役引退後は、ドイツ南西部のチュービンゲンに留学し、指導者としての研鑚をドイツで積んだ。
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エースの横顔
冨田洋之 (とみた・ひろゆき) ● 1980年11月21日生まれ ● 大阪府出身、身長166センチ ● 得意種目は鉄棒、つり輪、平行棒 2005年の大会で個人優勝を果たした。06年は中国の楊威選手に敗れて2連覇はならなかったものの、今大会で再び王者の座を目指す。「美しい体操」を信条とする。 |
Fabian Hambüchen (ファービアン・ハンビュヒェン) ● 1987年10月25日生まれ ● ベルギッシュ・グラードバッハ出身、身長163センチ ● 得意種目は床と平行棒 父親の指導の下、体操競技を始め、若干16歳で出場したアテネ五輪ではフレッシュな演技で観客を魅了した。19歳にしてドイツ体操界を背負う若きエースのモットーは「わが道を行く」。 |