一生使いたい名品揃い!
ドイツ生まれの文房具
高品質かつ高機能な製品を生み出し続けている日本とドイツ。両国の文房具もまた、長い歴史と経験に裏打ちされた技術力と洗練されたデザインを誇る名品が数多く揃う。今回は最先端からクラシックなスタイルまで、一生付き合いたい「メイド・イン・ジャーマニー」の文房具の魅力に迫る。(Text:編集部)
ベルリンの日本文房具店「sowale」に聞く
ドイツ文房具の魅力
美しさの秘密はシンプルさと機能性
ベルリンの人気地区・プレンツラウアーベルクで文房具店「sowale」を営むのは、只松靖浩さん・友美さんご夫婦。ドイツ文房具に魅せられて、ベルリンにお店を構え、日本の文房具やオリジナル商品を販売している。そんな日独両方の文房具を愛するsowaleのお二人から、ドイツ文房具の魅力を聞いた。(写真提供:sowale)
ドイツと日本の文房具は、ちょっと似ている?
sowaleの只松夫妻にドイツ文房具に魅せられた理由を尋ねると、デザイン、機能性、シンプル……という言葉が返ってきた。
「ドイツの文房具は、バウハウスのプロダクトにも通ずるような美しさと機能を兼ね備えたものが多いと感じます。華美ではないけれど、たたずまいが美しいですよね」と妻の友美さん。夫の靖浩さんも「飾り気のない素材としての文房具は、日本ではほとんど見られません。その素朴さが個人的にとても気に入っています」と話す。
一般的にドイツも日本も「文房具大国」と言われている。両国には共通点もあるが、それぞれ違った良さがある、と友美さんは続ける。「それぞれ長い歴史があり、質の高い製品が造られてきたというのが共通点。ドイツでは新しいものを造るのではなく、良いものが長く愛されている印象です」。
一方、次々と新しく誕生する日本の製品について、靖浩さんは「ドイツよりもユーザーのニーズに対して柔軟に対応しているように思います。かゆいところに手が届くような商品は、海外でも賞賛されていますね」と教えてくれた。sowaleを訪れるお客さんも日本の文房具の質の高さに驚くことが多く、特に筆記具は人気商品だという。
ベルリンでオリジナル商品をつくるおもしろさ
お二人は文房具を販売する一方で、文房具の作り手でもある。オリジナル商品を作るときは、作った側の気配をあまり感じさせず、使い手が主人公となるようなシンプルさを心掛けていると言う。そのシンプルさは、まさにドイツ文房具から学んだことの一つ。
お店にはベルリン在住の日本人アーティストも多く出入りしており、一つひとつの出会いを大切にしている、と靖浩さん。「まず作品を見せてもらい、何か一緒にできないかと考えるところから、コラボレーションが始まります」。友美さんも「喜びも失敗もありますが、お互い楽しんでいますね。自分たちの想像を超えた美しいものを作れることが、コラボレーションのいいところ」とうなずく。
古き良き文化を守りながらも、常にどこかで新しいものが生まれ続けるベルリンという街は、きっとお二人の活躍の支えとなっているはず。2018年7月に移転2周年を迎えたsowaleで、これからまたどんな商品が誕生するのか、ますます見逃せない。
愛用のドイツ文房具
友美さんのお気に入りKUNST&PAPIER のスケッチブック
「硬いグレーのボール紙に、色のついた製本テープが巻かれたシンプルなつくりのスケッチブックです。大小いくつかのサイズがあり、しっかりと開くので気持ち良く書くことができます。角が傷みにくいという実用性も兼ね備えています。棚に収納した様子も美しく、お部屋の中にそっとなじんでくれます」(友美さん)
靖浩さんのお気に入りペリカン社の万年筆
「10年以上愛用していて、旅先でも持ち歩くお守りのようなもの。800というタイプで、持ちやすい太さです。ペン先はいろいろと試してミディアムを選びました。書き心地が良く、思わず何かを書きたくなる気持ちにさせてくれるのが魅力。文字が太くなったり細くなったり、滲みや掠れがあるのも万年筆の持ち味ですね」(靖浩さん)
sowale のおすすめ商品
12カ月の花と言葉をお部屋に
Kalender 2019 „Neben den Blumen“
カレンダー 15€(A5サイズ / 封筒付き)
ベルリンで出会ったテキスタイルデザイナー・藤井千晶さんとsowaleがコラボレーションして作ったカレンダー。2019年は花がテーマになっている。藤井さんが描いたイラストに、sowaleが日本語とドイツ語で短い言葉を添えている。「クリスマスプレゼントにもおすすめです」と友美さん。
優しい日本の風景をおすそ分け
postcard „silent square“
ポストカード 1枚 1.5€
ポラロイドカメラで切り取った、福岡での日常の一コマを載せた12種類のポストカード。ヴァンヌーボという良質な紙に、色味を忠実に再現して印刷した。そのクオリティの高さから現地のお客さんにも人気。「一番人気は海の風景。ベルリンは海から遠いので、海を恋しく思う人が多いのでは」と靖浩さん。
*いずれも店舗のみの取扱いお店情報
sowale ソワレ 2009年に福岡で週末限定の文房具屋としてオープンし、2016年にベルリンへ移転。日本製品のほか、アーティストたちとコラボした商品を取扱う。不定期にギャラリー展示やイベントなども開催。
Stargarder Str.16, 10437 Berlin
月~金10:00-19:00、土 10:00-18:00 / 日曜定休
http://sowale.net