旧東独地域に位置するザーレ=ウンストルート地方では、ザーレ川とウンストルート川流域のテラス状の畑でぶどうが栽培されています。ブランデンブルク州に属する飛び地のぶどう畑ヴァハテルベルク(Wachtelberg)は北緯52.22~52.26度と、クヴァリテーツワインの生産地として最北に当たります。ぶどうの植生期間が長く、果実が非常にゆっくりと熟すため、とても繊細な味のワインが出来上がります。
栽培品種はリースリング、ミュラー=トゥルガウ、ジルヴァーナー、ヴァイスブルグンダーなどの白品種が中心。特にリースリングやヴァイスブルグンダーから、すっきりとした辛口の高品質のワインが生産されています。土壌は貝殻石灰岩、斑砂岩が中心で、とりわけヴァイスブルグンダーに適しています。
この地方には、数百年前に造られた「トロッケンマウアー(石壁)」と呼ばれる、ぶどう畑を形作る石垣や、ぶどう畑に点在する東屋などがあり、機能的に区画整理される以前の懐かしいぶどう畑の風景が残っています。
古文書によると、ザーレ=ウンストルート地方では、およそ1000年前からぶどうが栽培されていたそうです。ワイン造りの中心地フライブルク(Freyburg)では、毎年9月に同地方最大のワイン祭りが開催されています。
同じく旧東独地域のザクセン地方も、北緯51度のドイツ最北のワイン生産地。ドレスデン、ラーデボイルからマイセンを過ぎる辺りまで、エルベ川沿いの斜面にぶどう畑が広がっています。この地方も、古文書などから、900年に及ぶワイン造りの伝統があり、一時は現在の10倍もの面積のぶどう畑があったことが分かっています。
世界に名高い磁器の窯元があるマイセン市は、ザクセン地方のワインの発祥地としても知られており、古くから教会や修道院、領主らによってワイン造りが奨励されてきました。
エルベ川流域の南斜面のぶどう畑では、ヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダー、ゲヴュルツトラミーナー、グートエーデル、主にモーゼル地方で古くから栽培されているエルプリング、そして、フランスのアルザス地方産で、現在ではザクセン地方でしか栽培されていないゴルトリースリングなどが栽培され、白ワインのバラエティーが豊かな産地です。主に花崗岩、斑岩の風化土壌から生まれるワインには気品があります。
また、ピルナからドレスデンを抜け、マイセンを経て愛らしいワイン村ディースバー・ゾイスリッツへと至る全長55キロのザクセン・ワイン街道は、雄大なエルベ川の景観も楽しめる非常に美しいワイン街道です。
ドレスデンには、日本人ソムリエ沼尻慎一さんの経営するワインショップ、DWG Handelがありますので、ぜひ訪ねてみてください。日本への発送も請け負っておられます。
DWG Handel
An der Frauenkirche 13, 01067 Dresden
Tel.0351-2092931
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営業時間:10:00~19:00(水曜定休)
(ザクセン地方)
©Weingut Schloss Proschwitz
エルベ河畔の古都マイセンの高台に位置するシュロス・プロシュヴィッツ醸造所は、ザクセン地方に現存する最古の醸造所。オーナーのドクター・ゲオルグ・プリンツ・ツア・リッペは、ザクセン地方を本拠地とする侯爵家の出身で、東西ドイツ統一が実現した1990年以降、侯爵家の所有だった醸造所および宮殿を買い戻し、多額の投資を行って現代に蘇らせた。ぶどう畑シュロス・プロシュヴィッツは、同醸造所のモノポール。高品質のワインは年々評判を上げている。
Weingut Schloss Proschwitz
Dorfanger 19, 01665 Zadel über Meißen
Tel.03521-76760
www.schloss-proschwitz.de
2008 Schloss Proschwitz Goldriesling trocken
2008年産 シュロス・プロシュヴィッツ・ゴールドリースリング (辛口) 9,50€