Karl Otto Lagerfeld 1933年9月10日ハンブルク生まれ。ファッションデザイナー。写真家としても著名。 © Lefteris Pitarakis/AP/PA Photos |
グッチ傘下で独自ブランドを展開してきたアレキサンダー・マックイーンが昨年命を絶ち、先頃はジョン・ガリアーノがヒトラー信奉発言によってディオールを去ったパリ・モード界で、ただ1人動じない孤高のファッション帝王と呼ばれている。
乳製品製造業を営む父親の下、裕福な環境で育ち、ファッションへの興味から1953年、19歳でパリに移住。イラストと洋裁を学び、国際デザイン・コンクールのコート部門で優勝し、ピエール・バルマンに採用された。続いてジャン・パトゥ、クロエへと移り、78年以降は自身のブランドを展開しつつ、現在もフェンディとシャネルのヘッドデザイナーを務める。
自他共に認めるワーカホリックで、締め切りがないと常にやり直しをしたがる。読書量も半端ではなく、蔵書は23万冊。「新作に必要なのはトレーニングを積んだ頭脳。自分にその不安はない」と豪語する。
一時体重が100キロを越えていたが、ダイエットに挑戦して42キロの減量に成功。現在は細身の黒スーツに襟の高いシャツ、サングラスと指先の出る手袋を身に着けた独特なスタイルがトレードマークになった。
89年にパートナーが病死して以来シングルを通すホモセクシュアルだが、性の趣向でデザイナーの才能を論じるのは最低だと批判。だから、わざわざカミングアウトする必要はないと言う。そして友だちとは、「そいつのために何もする必要がないヤツ」のこと。「私はマザーテレサではない」そうだ。
< 前 | 次 > |
---|