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ドルトムントで開催中! 元溶鉱炉で体感型アート

「名画の中に入り込めるアート展」というと、どんなものを想像しますか? 2018年にパリでオープンして以来人気を博し、今、世界各地に広まり始めている没入体験型の「Immersive Museum」(イマーシブミュージアム)が、ここドイツでも楽しめます。今年1月からノルトライン=ヴェストファーレン州のドルトムントで開催されていると聞き、家族で行ってきました。

そもそも「Immersive」とは「没入感(実態感)のある」という意味。文字通り、最新のテクノロジーを駆使して、壁、床、天井に映像を投影し、音響効果を組み合わせた新しいスタイルのデジタルアート展のことです。会場内を自由に歩き回ることができ、360度に投影される光と音により、まるで自分自身が名画の中に入り込んだような感覚でアートを楽しめます。

会場へは、デュッセルドルフから車で1時間ほど。ドルトムントは名門サッカークラブの街として有名ですが、かつて栄えたルール工業地帯の中心地でもあります。そのため、今回のアート展の会場「Phoenixdes lumières」も、元は溶鉱炉の施設の一部だったところをリニューアルして作られたものです。会場内部の天井は高さ13メートルにもおよび、100台を超えるプロジェクターと28台のスピーカーが設置されているそう。5000平方メートルを超える大空間に名画が映し出される様は、迫力満点でした。

会場は、かつての溶鉱炉の一部会場は、かつての溶鉱炉の一部

現在は、ウィーン出身の二人の画家、グスタフ· クリムト(1862-1918)とフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928-2000)がテーマとなっています。上映は全部で1時間ほどで、クリムトの代表作「接吻 (せっぷん)」などのきらびやかな世界と、彼が休暇中に描いた森や湖の自然豊かな風景画、またフンデルトヴァッサーの色鮮やかな作品を堪能しました。

クリムトのきらびやかな世界に魅了されますクリムトのきらびやかな世界に魅了されます

会場内にはベンチや腰をかけられる階段に加えて、クッションやマットレスが置いてあるので、床に寝そべって鑑賞することもできます。また、映像や音楽に合わせて踊ったり、ジャンプしたりしている子どもたちもいて、従来の順路に沿って静かに鑑賞する美術館とは随分と違う自由な雰囲気です。

実際に会場に立ってみると、単に名画が映像化されたというだけでなく、異世界を旅しているような感覚が味わえるのが面白かったです。子どもから大人まで、新しい視点でアートを楽しめる点も魅力だと感じました。ちょうど色の名前を覚え始めたわが家の娘は、一面に広がるカラフルな映像と迫力ある音楽に最初は圧倒されつつも、赤、青、黄色、と知っている色を指差して唱えながら楽しそうにしていました。

大人も子どもも夢中!大人も子どもも夢中!

このアート展は屋内開催のため、お天気の良くない日でもOK。現在のテーマは12月末まで上映されているので、休日のお出かけ先の一つとして、ぜひチェックしてみてくださいね。

Phoenix des lumières:www.phoenix-lumieres.com

石井 いしい めぐみ
出版社勤務ののち、夫の駐在に伴い2019年7月に渡独。現在は、デュッセルドルフ生まれの1歳の娘の子育てに奮闘中。趣味はライン川での散歩と、パンやお菓子を焼くこと。
 
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