ジャパンダイジェスト

フランクフルトで抹茶と煎茶のお茶会体験

フランクフルトのレーデルハイムで、煎茶と抹茶のチャリティーワークショップが開かれました。日本から煎茶道方円流の梅林弘園(うめばやしこうえん)先生が来独し、ヴィースバーデンの茶道裏千家紫光会の吉村宗弘(よしむらそうこう)先生と一緒に煎茶と抹茶のお茶会を催す特別企画です。

企画の中野愉基子さん(左)、煎茶道の梅林弘園先生(中央)、紫光会の吉村宗弘先生(右)、お弟子さんたち(後列)
企画の中野愉基子さん(左)、煎茶道の梅林弘園先生(中央)、
紫光会の吉村宗弘先生(右)、お弟子さんたち(後列)

まずは煎茶のお茶席へ。テーブルと椅子を使った立礼式で、ばらの花と松ぼっくり、「和」と書かれた色紙が飾られています。開花期の長いばらは「長春」を、朽ちにくい松ぼっくりは「不老」を表すのだとか。良きことが長く続き、健康を願い、俗世を忘れ和やかにお茶を楽しんでほしいとの思いが込められています。煎茶道では茶葉ならすべて扱うそうですが、今回のお茶は、玉露の根に煎茶を掛け合わせて栽培した宇治の初摘み煎茶です。水によって味が変わるため、お茶会を企画した中野愉基子(なかのゆきこ)さんと2人でさまざまな水を使って煎茶を飲み比べ、最高の味を引き出す水を厳選したそう。日本人を含めた大多数の参加者が煎茶の茶会は初めてでしたが、梅林先生の朗らかなお人柄に緊張もほぐれ、ゆっくりとお点前を拝見することができました。1煎目は驚くほどお茶の香りが高く、まろやかな美味しさで、 清々しい旨みが引き立ちます。その後和菓子が供され、2煎目が配られます。爽やかな渋みがさっぱりと口の中に広がり、お茶の旨みが染み渡りました。

急須やお茶碗など、馴染みある茶器で丁寧に入れていく煎茶道
急須やお茶碗など、馴染みある茶器で丁寧に入れていく煎茶道

続いて抹茶のお茶席へ。2002年からヴィースバーデンで紫光会を始めたという吉村先生。今でも年3回ほど京都の家元の下で指導を受け、万人に平明な最新の作法を習得してドイツに茶道を広めているそうです。「お茶を楽しむ心が大切」との言葉通り、伝統を踏まえた上で万人に分かりやすく楽しんでもらえる茶道で、イベントに参加したり、ヴィースバーデンの教室や生徒の自宅に出張して教えたりしています。参加者一同が、流れるように美しい所作のお点前に見入っていると、優しい甘さの和菓子が供されました。その後一服ずつ配られた抹茶は、たっぷりと空気を含み、甘みとまろやかな旨み、きめ細かな泡が絶妙な美味しさでした。目にも美しい和菓子と極上の抹茶をいただいていると、心身ともに安らぐのを感じます。また、ドイツ人参加者から活発な質疑応答があり、日本文化への関心の高さがうかがえました。

Matcharity主催ジィヴァノヴィッチりなさん手作りの和菓子
Matcharity主催ジィヴァノヴィッチりなさん手作りの和菓子

煎茶道と茶道を一度に体験したことで、両者の良さが好対照に際立つと同時に、共通した茶の心を感じました。日常の喧騒を忘れ、穏やかな気持ちになれる至福の時間。日本文化の良さを再発見した素晴らしいお茶会でした。

紫光会ヴィースバーデン:facebook.com/ShikoukaiWiesbaden

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。
 
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