ドイツに長く住んでいても、言葉の壁に悩み、文化の違いにため息をつく事があるのではないでしょうか?特に国際結婚カップルの場合、その問題が顕著になってきます。ハンブルクには、独日協会の活動の一環として(担当: モニカ・ベロイターさん)、バイリンガル教育促進や独日文化の相互理解について考える、バイリンガル・バイカルチャークラブがあり、定期的に座談会や講演会が行われています。今までは特にバイリンガル教育をテーマに、日本人学校補習校の協力を得て、ご自身がバイリンガルで育たれた言語学者の講演会などが行われてきました。
主催者と講演者の方々
昨年11月のバイリンガル・バイカルチャークラブは、比較文化シリーズの第2弾「日常生活における法文化とその実際、独日対比」をテーマに、ハンブルク商工会議所にて講演会が行われ、多くの方が参加して活発な意見交換がなされました。毎回ドイツ語の部と日本語の部が時間をずらして行われています。今回の日本語の部のゲストは、ドイツで弁護士資格を取得なさった三丁目亜子さん。「日本人は裁判嫌い?」と題して、弁護士の数や裁判の数、審理期間の長さの比較などから独日の裁判制度の対比を語って下さいました。以前は、「白黒はっきりさせる裁判制度そのものが日本人の感性に合わない」と言われていたそうですが、最近は、「利用しにくい日本の司法制度にも問題アリ」と指摘されているそうです。
初めはとても専門的な法律のお話、という感じでしたが、質疑応答の時間になると、「ドイツでは交通事故に遭った時、謝ってはいけないというのは本当か?」などの身近な話題や、「もしも実際に文化の違いにより、日本では考えられない理由で訴えられそうになったら、どこに相談したら良いのか?」という質問も出ました。これに対しては、この日のゲスト、ドイツ語の部のシェア教授も日本語がおできになるので、「どうぞ相談して下さい」との事でした。
バイリンガル・バイカルチャークラブの情報は、ハンブルク独日協会とハンブルク日本人会で入手できます。次回はどんなテーマが飛び出すでしょうか?
会場の外では日本の飲み物が振舞われました
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?