私がライプツィヒに移住した2016年当時は、今ほど外国出身者と出会う機会は多くありませんでした。この数年でライプツィヒの人口増加とともに、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちと英語で交流する機会が増えてきています。最近私がよく顔を出している起業家の集まりもその一つです。
2006年にライプツィヒ大学で始まった起業支援プログラムSMILE(Selbstmanagementinitiative Leipzig)は、International Startup Office(ISO)を設けて、近年、外国出身者が起業家やフリーランスとしてのキャリアを築くため、英語での支援にも力を入れています。私は、自分のビジネスを持っていることから、知人の紹介でISOの運営者と出会う機会に恵まれました。
月例ミートアップには、さまざまな国の出身者が参加
起業家支援というと、堅苦しく感じられるかもしれませんが、南米のペルー出身のマネージャーのジャスミンさんを筆頭に、ISOは明るくフレンドリーなチームによって運営されています。毎年夏には、ライプツィヒでBorn Global Startup Festivalというイベントを開催。世界各国出身のSMILE卒業生や関係者、起業家を目指す人々が集まり、トークを聞いたり、ネットワーキングしたりする機会が提供されます。私も今年はパネルディスカッションで登壇させていただき、ドイツでのビジネス経験についてお話しました。例年、前半のトークセッション終了後は、会場に音楽が流れ、おいしい食事が提供され、クラブさながらの盛り上がりを見せます。
ISOオフィスで開催されたドイツの税制に関する講座
今年からは、ライプツィヒ市内のコワーキングスペースで、カジュアルな月例ミートアップも行われるようになりました。参加者同士が飲み物を片手に親睦を深め、情報交換をする場になっています。また、起業やフリーランスとして働くのに必要な情報を提供する講義も定期的に開催されています。私は先日、ドイツの税制に関する講義に参加しました。ドイツ語だと特に難しく感じる税金の仕組みを、分かりやすく英語で解説してもらい、これまで税理士さんに任せきりだった部分について理解が深まりました。
今後開催される月例ミートアップでは、私がこれまでドイツで経験した資金調達や支援プログラムについてお話しする予定です。良いご縁から出会ったライプツィヒ大学の国際起業家の輪で、これからも学びを深めながら、私自身の経験を共有し、貢献していけたらと思っています。
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。