ライプツィヒでは、曇りや雨が多くて寒い、典型的なドイツの冬日が続いています。そんななか、温かい家の中でコーヒーやお茶を入れて、バターやお砂糖をたっぷり使ったお菓子を少し食べると、お腹の底から癒やされますよね。
ライプツィヒには、そんな時期にぴったりなLeipziger Lerche(ライプツィガー・レアヒェ)というお菓子があります。レアヒェは、日本語で鳥の「ヒバリ」を表します。かつてライプツィヒとその近郊の地域では、ヒバリが珍味として食べられていましたが、1876年に動物保護の観点からザクセン王によってヒバリ狩りが公式に禁止されました。その後、ヒバリの代わりに、マジパンとジャムの甘いフィリングをクラスト(パイの皮の部分)に詰めたお菓子が焼かれるようになり、レアヒェの名前で呼ばれるようになったといわれています。
自宅でレアヒェ食べ比べを実施!中身はこんな感じです
私の母がライプツィヒを訪れた時に、一緒にカフェでレアヒェを食べたら、「フランスのコンヴェルサシオンに似ている」と言っていました。確かに、コンヴェルサシオンのフィリングのクレームダマンドにもアーモンドが使われていて、砂糖とアーモンドなどを組み合わせたフィリングはマジパンと似ています。
今回、この記事を書くに当たって、久しぶりに家族でレアヒェを食べることに。ライプツィヒのベーカリーチェーンと、近所のオーガニックショップで一つずつレアヒェを買ってきて食べ比べをしました。前者はどっしり重くて、しっかり甘いスタンダードな味わい。一方、後者はヴィーガンだったのでしょう、甘さがほど良く控えめで、すっきり食べられました。ヴィーガンのほか、グルテンフリーなど、現代の食のトレンドに合わせたレアヒェも出てきているようです。
かわいく梱包されたお土産用のレアヒェもあります
レアヒェは、ライプツィヒのほとんどのベーカリーにあると言っても過言ではないくらい地域でよく知られたお菓子ですが、ほかの地域では見かけたことはありません。ザクセン州について紹介したウェブサイト「So geht sächsisch.」をはじめ、さまざまなウェブサイトでレシピが公開されています。興味のある方は、ぜひ自作してみてはいかがでしょうか。私も、冬休みに家族で作ってみようと思っています。
ライプツィヒのベーカリーでは、お土産用に持ち運びやすい箱に入ったものが並んでいることもあり、私自身、州外の友人を尋ねる時などにお土産に買っていくこともあります。ライプツィヒに遊びに来たら、名物菓子のレアヒェをぜひ食べてみてください!
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。