第16回 安全なウェブ検索について
海外で生活をしているためにパソコンの言語設定を変えたり、自分が所有している以外のパソコンを使用している際など、その時々の条件によってグーグルの検索結果が異なる場合があることに疑問を感じたことはないだろうか。
これはグーグルやほかの検索エンジンが個人に応じて変更したり、作り変えた検索結果を表示するために、ユーザープロファイルを作成していることによるものだ。
こういった機能は時には便利だが、病気などの他人には知られたくない個人的な情報や、政治、その他のセンシティブなテーマについて検索した場合に、それらの内容がユーザープロファイルに反映されると、プライバシーの保護の視点から問題になることも考えられる。また、このユーザープロファイルが作成されることにより、収集された個人情報が悪用される日が来ないともいい切れない。
安全性の高いウェブ検索で近年注目を集めている「DuckDuckGo」
このような背景からプロファイルを保存せずに、ユーザーが誰であろうと同じ検索結果を表示することで近年人気を集めているのが、インターネット検索エンジン「DuckDuckGo(ダックダックゴー)」だ。
創設者であるアメリカ人物理学者のガブリエル・ワインバーグ氏が名付けたこの名前は、ハンカチ落としに似た遊び、「Duck Duck Goose」に由来している。同氏は最初のバージョンを2008年に完成させ、「DuckDuckGo」は現在、従業員数40人以上を抱える企業にまで成長している。「DuckDuckGo」のモットーは、「The search engine that doesn’t track you(あなたを追跡しない検索エンジン)」となっている。
また、同検索エンジン内にある「Bangs」といわれる機能を使えば、簡単にほかのサイトのページ内検索ができるなど、プライバシー保護以外にもさまざまな面白い機能を備えているのが特徴だ。
例えば、「DuckDuckGo」の検索窓に「!yt ドイツ観光」と入力すると、ユーチューブでドイツの観光について検索することができ、「!a GDPR」とすれば、アマゾンでGDPRのテーマについて検索できる。「!w プライバシー」では、ウィキペディアで「プライバシー」をキーワードとして検索することが可能だ。
安全にインターネット検索を行うための意識を高めることも、
ITと上手に付き合っていくためのポイント
DuckDuckGoのURL:duckduckgo.com
※セキュリティー意識の高いネットユーザーにはおすすめの検索エンジン