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ベルリン国際映画祭70年史 社会とともに歩み続けるベルリナーレ

ベルリン国際映画祭70年史 社会とともに歩み続けるベルリナーレ

ベルリナーレ

2024年で第74回を迎える、ベルリン国際映画祭(ベルリナーレ)。社会派の作品が多く集まることで知られるこの映画祭では、これまでドイツや世界が直面する問題をさまざまな視点で切り取り、社会に対して問いを投げかけてきた。映画という「社会の鏡」を通して、私たちは未来に何を見出すことができるだろうか?ベルリナーレ74年の歩みを歴史とともに振り返ってみよう。(Text:編集部)

ベルリン国際映画祭とは?

カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の1つ。例年2月の開催で、来場者数は50万人、上映本数は400本にも上る。愛称は「ベルリナーレ(Berlinale)」。コンペティション部門では、最高賞である「金熊賞(Goldener Bär)」を狙う作品が世界中から集められる。金熊賞のほかにも、監督や俳優、短編映画に贈られる「銀熊賞」、観客の投票によって選ばれる「観客賞」、LGBTをテーマにした優秀作品への「テディ賞」などがそれぞれ選ばれる。また、コンペティション部門には入らなかった優れた作品を上映するパノラマ部門や、若手監督作を多く上映するフォーラム部門など、多彩なプログラムが魅力だ。

主な部門

コンペティション部門 Competition
毎年約20作品が選ばれ、その年の最優秀作品に「金熊賞」が贈られる。

フォーラム部門 Forum
さまざまなジャンルから選ばれ、実験的な作品などもこれに含まれる。

パノラマ部門 Panorama
現代社会を映し出すような、少し変わった視点から描かれた作品が選ばれる。

ジェネレーション部門 Generation KPlus
(子ども向け)と14plus(ティーン向け)があり、若者に焦点を当てた作品を選出。

ベルリナーレの歴史

黒字は世界で起こった社会的出来事

1950

ベルリナーレの準備が始まる

1951

初めてベルリナーレが開催される

1955

ベトナム戦争開戦 / アジア・アフリカ会議

1956

国際映画祭として認められる

1961

アントニオーニが「夜」(イタリア・フランス / 1961)で金熊賞受賞

1961

ベルリンの壁建設

1963

カウンター映画祭が実施される

1965

ゴダールが「アルファヴィル」(フランス / 1965)で金熊賞受賞

1968

「プラハの春」

1970

「o.k.」(西ドイツ / 1970)がスキャンダルに

1970

ブラント独首相がワルシャワで跪く

1971

ヤング・フォーラム部門がつくられる

1974

ソ連作品が公式プログラムとして初上映される

1986

チェルノブイリ原発事故

1987

テディ賞がつくられる

1989

ベルリンの壁崩壊

1990

東西ベルリンで初開催される

1991

ソ連崩壊

1998

コソボ紛争勃発

1999

コソボ紛争終戦

2001

米国同時多発テロ

2003

米イラク戦争開戦

2011

イラク戦争終戦

2015

難民危機

2016

「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島」(イタリア / 2015)が金熊賞受賞

2017

トランプ米大統領が誕生 / #MeTooムーブメントが盛り上がる

2019

「男女同比率に関する誓約書」に批准

「自由世界のショーケース」
政治的な国際映画祭の誕生

ベルリナーレの構想は、第二次世界大戦が終戦して間もない1950年に始まる。当時のベルリンでは戦後復興は始まっていたものの、街にはまだ戦時中の瓦礫が残り、芸術文化が花開いた1920年代の生き生きとした雰囲気には程遠かった。そんななか、ドイツに駐留する米軍の映画担当の士官だったオスカー・マーティを中心に、ベルリン市民のための映画祭の準備が進められた。そして1951年6月、アルフレッド・ヒッチコック監督の「レベッカ」(米国/1940)をオープニング作品に迎え、第1回ベルリナーレが開催される。また同時にベルリナーレは声明を発表し、西ベルリンが冷戦の前線都市として「Schaufenster der freien Welt(自由世界のショーケース)」を目指すことを明言。すでにベルリナーレには政治はつきものだったのである。

第1回目のベルリナーレのポスター記念すべき第1回目のベルリナーレのポスター(1951年)

米国に支援されていたことから、初期のベルリナーレはハリウッド色が強く、当時米国で活躍していた映画スターもゲストとして多数招かれていた。1956年には国際映画祭として認められ 3、初めて国際審査員を迎えることになり、いよいよコンペティションの場として世界から注目を浴びるようになる。1959年には53カ国から参加があり、60年代にはフランスのジャン=リュック・ゴダール監督やイタリアのミケランジェロ・アントニオーニ監督が最優秀賞である金熊賞を受賞する 4 6など、米国の映画産業以外にも光が当たるようになっていく。ベルリナーレは徐々に国際映画祭としての地位を確立していくが、冷戦の真っただ中で、まだ西側諸国だけで完結していたのだった。

東西ベルリンの境界に立てられた映画祭のポスター東西ベルリンの境界に立てられた映画祭のポスター

ピンチをチャンスに?
冷戦を越えた映画祭への成長

1960年代後半の欧米諸国では、冷戦による世界の二極化やベトナム戦争の泥沼化によって大規模な反体制運動が加速していく。映画批評家のウルリッヒ・グレゴールをはじめとする西ベルリンの若手映画人たちは、当時ハリウッドなどの西側商業映画が主流であったベルリナーレに対抗し、1963年からベルリナーレの開催時期に合わせてカウンターパートの映画祭を実施。前衛映画や社会批判の要素が強い映画を積極的に紹介していた。

そして1970年に事件は起きた。コンペティション部門に選出されたドイツ人監督ミヒャエル・ヘルホーファンの映画「O.K」(ドイツ/1970)で、ベトナム戦争で実際に起きた事件が描かれていたことから、当時の米国人審査委員長が「反米映画だ」と抗議したのだ 7。結果として、映画祭が終わる2日前に審査員たちが辞任し、それに抗議する若者たちが映画館を占拠。設立以来のコンセプト「自由世界のショーケース」は、危機を迎えることになった。

この事態に対し、当時のベルリン文化相ヴェルナー・シュタイン(社会民主党・SPD)は、グレゴールたちによるカウンター映画祭をベルリナーレに組み込むことを提案。翌年には、ヤング・フォーラム部門(Internationale Forum des Jungen Films)がベルリナーレの公式プログラムの1つに採用された。この部門はヴィリー・ブラント首相(SPD)が展開していた東方外交政策の波に乗り、1974年には初めてソビエト連邦の映画が公式プログラムとして上映。以降も社会主義諸国の優良な映画を積極的に取り上げるなど、「冷戦の壁を越えた国際映画祭」としての基盤を強固にしていった。

ベルリナーレ例年6月開催だったが、1978年からは2月開催に

ベルリナーレ1980年のポスター

人々を隔てる「壁」へのベルリナーレの応答

1989年、ベルリンの壁崩壊当日、ベルリナーレのディレクターだったモーリッツ・デ・ハーデルンが、東ドイツのホルスト・ペーネルト文化大臣に早速手紙を送った。次のベルリナーレで東ベルリンでも作品を上映することや予算を割くように提案したのだった。そして翌年、第40回ベルリナーレが東西ベルリンで開催。東西間の移動が自由になり、東ドイツ作品が賞を受賞するなど、2つの都市が再び1つとなったことを象徴する出来事となった。

2000年のポスター2000年のポスター

それから25年後の2015年、大量の難民がドイツへ流入。最初は快く受け入れるが、やがて欧州各地の国境沿いに有刺鉄線が張り巡らされた。この新たな「壁」はベルリン市民に衝撃を与え、翌年の第66回ベルリナーレでは難民をテーマとする作品が多数選出されることに。そして金熊賞は、地中海を渡る難民たちを描いた「海は燃えている~イタリア最南端の小さな島」(イタリア/2015)に贈られた。

翌年の第67回ベルリナーレは、トランプ米大統領の誕生直後に開催。同氏がメキシコとの国境に「壁」を造ると宣言していたため、審査委員でメキシコ人のディエゴ・ルナは「壁を崩壊させるための方法を学びにここに来た」とコメント。また、昨年までディレクターを務めたディーター・コスリックは「Mit Vielfalt gegen die Einfalt(多様性で画一性に立ち向かおう)」というテーマを掲げ、過度なナショナリズムに対抗する姿勢を見せた。近年いわゆる主要国以外の国の作品に各賞が贈られる傾向にあるが、この年もハンガリーの作品が金熊賞を受賞するなど、より国際色豊かな映画祭となった。

トルコ系ドイツ人監督のファティ・アキン2004年に金熊賞を受賞したトルコ系ドイツ人監督のファティ・アキン

社会の多様な声に耳を傾け続けること

ベルリナーレは74年の歴史のなかで、これまで社会的に構築された差別(性別、民族性、出生地域、年齢、障がい、性的アイデンティティ、宗教などの理由)によって疎外されてきた人々の視点や、彼らの生活を照らし出すことに力を注いできた。LGBTQをテーマにした作品に贈る世界初の賞として1987年に「テディ賞」が設立されたほか、2013年からは先住民族出身の映画監督作品を紹介するプログラムも継続中だ。

ベルリナーレ1987年、テディ賞がつくられる

また、2017年ごろから広まった「♯MeToo」と呼ばれる世界的なムーブメントによって欧米の映画業界での男女格差が注目されるなか、ベルリナーレは2019年 に「男女同比率に関する誓約書」に批准。誓約書には映画祭内での男女の割合を同率にするという内容が盛り込まれており、この年のベルリナーレでは約400本のうち半数、コンペ部門では17本中7本が女性監督作品で、審査員の半数以上を女性が務めた。「女性監督作品だからではなく、素晴らしい作品だから選ばれた」というコスリックの言葉がその通りである一方、ある程度意図的に女性比率を引き上げることは、既存の男性中心的な価値観を揺さぶることにもつながると言えるだろう。

また2020年からの新ディレクターは、カルロ・シャトリアンとマリエッタ・リッセンベークが務める。男女1名ずつの共同ディレクター体制という新たな試みに加え、三大映画祭のトップ職を女性が担うのは史上初。今後のベルリナーレがどのように映画界や社会に「問題提起」を続けていくのか、さらに注目度が高まっていくだろう。

2014年、黒木華が銀熊賞を受賞2014年には映画「小さいおうち」で日本人俳優の黒木華が銀熊賞を受賞

2019年のアワード審査員2019年のアワード審査員を務めた6人

2019年のアワード審査員2020年のポスターは、70周年を記念したデザイン

最終更新 Donnerstag, 01 Februar 2024 09:14
 

パリ五輪 - 100年ぶり3度目の五輪に湧く「花の都」 PARIS 2024

100年ぶり3度目の五輪に湧く「花の都」PARIS 2024

オリンピック 2024年7月26日(金)〜8月11日(日)
パラリンピック 2024年8月28日(水)〜9月8日(日)

パリ五輪 PARIS 2024

2024年にフランスの首都パリで開催されるオリンピック・パラリンピック。パリ中心部を彩る数々のモニュメントが競技場に変身するほか、大会を通したサステナブルな取り組みなどでも話題を集めている。今号では、そんなオリンピックに沸く「パリ」を大特集! パリ2024の大会コンセプトや注目ポイント、開会式について解説する。(文:英国・ドイツニュースダイジェスト編集部)

参考:Paris2024 公式ウェブサイト、IOC 公式ウェブサイト、公益財団法人日本オリンピック委員会ウェブサイト、フランス24

歴史を通して考える パリ2024のあるべき姿とは?

今日のオリンピックは、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタン男爵によって1896年に開催された、第1回アテネ大会に始まる。各国が覇権を争う帝国主義の時代に、クーベルタンはスポーツを通して国際交流を促し、世界平和に貢献することを目指した。その第2回目となるパリ1900では、女性が初めて選手として参加(しかしクーベルタン自身は、女性の参加に対して否定的であった)。またパリ1924では「選手村」が初めて建設されるなど、過去2回のパリ大会がオリンピック史に与えた影響は大きい。

そして今年迎える、100年ぶり3度目のパリ2024。世論調査ではフランス市民のオリンピック支持率が70%以上と、広く支持されている。さらにパリ1924で使用された施設「スタッド・イヴ・ドゥ・マノワール」が、パリ2024ではホッケーの試合会場となるなど、100年前と現在が交差する瞬間も垣間見えるだろう。

一方で、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、パリ2024ではロシアとベラルーシを除外するという。両国の選手に対しては、国を代表しない「中立」の立場の個人資格での参加を認めるが、両国の国旗や国歌の使用は許さず、政府関係者も招待しないという決断に至った。

二度の世界大戦による中断や、東西冷戦によるボイコット、コロナ禍による東京五輪の延期など、オリンピックはいつの時代も社会情勢に翻弄され、そのたびに「あるべき姿」を問われてきた。そんななか、パリ2024ではどのような未来を描き出すのか、次ページではその数々の取り組みをご紹介する。

エッフェル塔とフランス国旗2021年8月9日に行われた東京大会からパリ大会への引き継ぎセレモニー

オリンピック史上初の試みも PARIS 2024の7つの魅力

国際的なスポーツの祭典であるだけでなく、開催地のさまざまな魅力を盛り込むのがオリンピックの特徴。世界有数の観光地でもあるパリ2024ではどのような仕掛けが組み込まれるのだろうか。今日の世相をも反映した本大会の魅力を7つ紹介する。

近年の世相を反映 1. 多様性と平等を強調

今大会のコンセプトは「広く開かれた大会」(Games wide open)。「祭典」(Celebration)、「遺産」(Legacy)、「全員参加」(Engagement)という三つの柱を据え、一般市民も数々のイベントに参加できるこれでにないモデルとなる。特筆すべきは、各所にうかがえる平等と多様性の精神だ。大会のロゴは、フランスを象徴する女性像「マリアンヌ」の唇と輪郭に、金メダルと聖火を織り交ぜており、大会史上初めてオリンピック・パラリンピック共通で使用。マスコットはフランスで自由の象徴である伝統的なフリジア帽を元にデザインされた「オリンピック・フリージュ」と、義足を付けた「パラリンピック・フリージュ」で、男女の性別を明確に設けないものになった。

また、今大会は出場選手が男女それぞれ5250人と、史上初めて同数である。パリ1900から女性が競技に参加できるようになったが、当時の女子選手はたったの22人。全体に占める女子選手の割合は2.2%だった。現在、参加選手の中には、出産というライフイベントを経た女性も多数いる。復帰までに多大な努力を重ね、今回の出場権を勝ち取った選手にも注目したい。

パリオリンピックのマスコットオリンピック・フリージュとパラリンピック・フリージュ

スポーツと観光地のコラボ!2. パリの名所が競技場に変身

多くの人々を魅了する歴史的文化遺産が現存するパリ。パリを訪れたことがない人でも聞いたことのある、アイコニックな場所も競技会場として活用される。

シャンゼリゼ通り東部に位置し、国家的祝典の場としてたびたび使われてきたコンコルド広場はBMXフリースタイル、スケートボード、ブレイキン、3×3バスケットボールなど、アーバンスポーツ競技の会場に。ビーチバレーボール競技はエッフェル塔のそばの野外スタジアムで行われる。また、総距離男子273キロ、女子158キロを走る自転車競技のロードレースではパリの一部の地域も走行。ルーヴル美術館のピラミッドやオペラ座、モンマルトルの丘なども通過する。さらにヴェルサイユ宮殿では馬術競技が、アンヴァリッドではアーチェリーが行われる。

一方、屋内施設では、1900年のパリ万国博覧会のために建設されたグラン・パレでフェンシング、テコンドー競技を開催。北西部のエッフェル塔と南東部の軍事訓練用複合施設、エコール・ミリテールの間にあるシャン・ド・マルス公園に建設されたアリーナでは、柔道とレスリング競技が行われる。

ビーチバレーボール会場となるエッフェル塔の野外スタジアムビーチバレーボール会場となるエッフェル塔の野外スタジアム

日本も強豪国になりえる3. 新たに4競技が追加種目に決定

オリンピックは32競技329種目、パラリンピックは22競技549種目が実施される。パリ大会では東京2020で採用されたサーフィン、スケートボード、スポーツクライミング競技が継続して行われ、ブレイキン(ブレイクダンス)が初採用。計4競技計12種目が追加となる。

アーバンスポーツの一つとして注目を集めるブレイキンは、即興で作るダンスを交互に披露する1対1のダンスバトル。パリ大会には男女各16人が出場し、メダル獲得を目指す。これまでの世界大会では、身体的クオリティー(ボディ)、芸術的クオリティー(マインド)、解釈的クオリティー(ソウル)の三つのポイントを評価するトリビュームシステムを導入していたが、パリ大会ではこれらのシステムを元に、音楽性、独創性など五つのカテゴリからなる新たな評価法が採用される。

ちなみに日本勢は東京2020でメダルラッシュが相次いだスケートボードなど、五輪のアーバンスポーツ競技で優れた成績を残してきた。ブレイキンでもすでにトップクラスの選手がいる強豪国として知られており、複数のメダル獲得に期待がかかる。

オリンピック・デー2022で行われたブレイキンの入門セッションオリンピック・デー2022で行われたブレイキンの入門セッション

持続可能なオリンピックに向けて4. サステナビリティーへの配慮

環境破壊やごみの排出など、オリンピック開催と環境問題には密接な関係がある。こうした問題を踏まえ、国際オリンピック委員会(IOC)は、2030年以降の全てのオリンピック競技大会を気候変動に配慮したイベントにすると宣言。パリ大会はその新しいスタイルを実現する最初の大会になる。今大会で舞台となる会場の95%は既存のものが使われるのをはじめ、多くの試みがなされる。だが最もフランスらしいのは、食の国であるという自負と共に打ち立てた持続可能なケータリング計画「フード・ビジョン」だろう。

計画によると、大会の4週間で提供される1300万食の平均二酸化炭素排出量の半減(ロンドン2012比)を目指す。ペットボトルを禁止することで使い捨てプラスチックを半減させるほか、10万枚の皿も全て再利用される。また、食材の80%は地元またはフランス国内で調達。東京2020では消費されなかった13万食が廃棄処分になり問題となったが、今大会で余った食品は全て寄付、堆肥化、再生可能なガスの生産のいずれかになり、消費されなかった資源を100%回収するという。

ケータリング会社Sodexo Liveによるプレゼンテーションケータリング会社Sodexo Liveによるプレゼンテーション

会場はパリだけじゃない5. フランス各地での競技会場にも注目

競技はパリだけでなく、レ・イヴリン、オー・ド・セーヌ、セーヌ・エ・マルヌ、セーヌ・サン・ドニなどパリ周辺地域や、フランス各地、また仏領ポリネシアのタヒチ島など海外領土でも開催される。

サッカー競技は、国内で圧巻の強さを誇るサッカークラブのパリ・サンジェルマンの本拠地のパルク・デ・プランス(パリ)のほか、ボルドー、ナント、リヨン、サン・テティエンヌ、ニース、マルセイユの6都市にある各スタジアムで、セーリングはマリンスポーツが盛んな南部マルセイユで行われる。

サーフィンは南太平洋に浮かぶタヒチ島のチョープー(Teahupoo)で開催。チョープーには、島から流れる川の影響で河口付近のサンゴ礁が侵食されて生まれた「リーフパス」(Reef Pass)があり、これにより引き起こされるパワフルな波が有名。毎年同地で開催されるツアー大会では木造の仮設小屋を建て、ツアー終了後に撤去されるが、今回はサンゴ礁上にアルミ製の審判席を建設予定。サンゴ礁の破壊を危惧する抗議デモが行われていたが、ポリネシアの行政長官は解決策が見つかったとし、騒動の終結を宣言した。

サーフィン競技はフランス領ポリネシアのタヒチ島で開催サーフィン競技はフランス領ポリネシアのタヒチ島で開催

スポーツを愛する人を歓迎 6. 市民を巻き込んだ参加型オリンピック

オリンピックでは初の試みとして、大会と同日にアマチュア選手も参加できる参加無料の市民マラソン大会「皆のマラソン」(Marathon Pour Tous /Marathon For All)が開催される。二つのレースが夜間に行われ、フルマラソンへの参加選手はオリンピック大会と同じコースを、年配の人や障がいのある人も参加できる10キロレースはパリ市庁舎からアンヴァリッドまでを走る。参加希望者はParis 2024 Clubウェブサイト(https://club.paris2024.org)もしくは大会専用のアプリに登録し、各コースに課された課題やクイズに挑戦。ポイントを貯めることで、マラソンへの出場を懸けた抽選へ参加できる。

2021年10月31日にはパリ大会まで1000日を切ったことを記念し、市民ランナーを含む約3600人が参加したマス・マラソン大会をパリで開催。レースには東京2020のマラソンで金メダルを獲得したケニアのエリウド・キプチョゲ選手も参加した。タイムが遅い人から順に出走し、キプチョゲ選手は最後にスタート。キプチョゲ選手より早くゴールした約1000人のランナーが「皆のマラソン」への出場権を獲得した。

2021年にパリで開催されたマス・マラソン大会2021年にパリで開催されたマス・マラソン大会

パリらしさが満載!7. 見どころがいっぱいの開会式

開会式
2024年7月26日(金)20時24分開始(現地時間)
グランドフィナーレは午後11時50分、最後尾であるフランス選手団を乗せた船の到着と共に開始予定。

エッフェル塔に向かって進む各国の選手を乗せた船のイメージエッフェル塔に向かって進む各国の選手を乗せた船のイメージ

1. セーヌ川を船で入場行進

通常、オリンピックの入場行進は屋内の競技場で行われる。しかし本大会では難民選手団も加えた全206チームの選手団約1万500人が160隻の船に分乗し、パリの中心を東西に流れるセーヌ川上から開会式会場に向かう。船は、パリを象徴するランドマークを背景にして進むので、オリンピックがこの街で始まる瞬間を人々の目に焼き付けるだろう。

万人に開かれた大会を目指すパリ2024は、入場行進の際に河岸や橋で迎え入れる観客数を60万人と予定しており、これは屋内で開催される通常の観客数の10倍だという。また、川岸には80台の巨大スクリーンと音響システムが配置され、入場無料のエリアも設けられるので、誰もがその祝祭的な雰囲気を楽しめる。橋の各所に設けられたステージではパフォーマンスやイベントも。スポーツ好き、パリ好き、パフォーマンス好きの人が思う存分楽しめるオープニングになりそうだ。

2. 開会式のルート

パリ五輪開会式のルート

選手団を乗せた船は、パリ東部のオステルリッツ橋付近を出発し西へ向かう。2019年4月の火災で現在復旧工事中のノートルダム大聖堂を左に、船はパリ市庁舎を経てルーヴル美術館、オルセー美術館を通過していく。やがて右手にコンコルド広場の塔、グラン・パレを経て、クライマックスはエッフェル塔。そのたもとが開会式のメイン会場トロカデロ広場で、イエナ橋が約6キロの行進を終えた選手団を乗せた船の終着点だ。

3. 芸術的なパフォーマンス

開催国ごとの特色が色濃く反映される開会式は、オリンピックの見どころの一つともいえる。この一世一代のイベントを担う芸術監督が、演出家のトマ・ジョリー氏(Thomas Jolly)だ。フランス北部ルーアン生まれで今年42歳になる同氏は、2015年に同国の演劇界最高の栄誉であるモリエール賞を受賞した経歴を持ち、現在はアンジェ国立演劇センターの芸術監督。伝統と現代カルチャーを大胆に組み合わせた手法を得意としている。開会式も、演劇、ダンス、サーカス、オペラを融合させ、複数のストーリーを織り交ぜたさまざまなパートに分かれたスペクタクルなものになるという。開会式の出演者は当日までのお楽しみということだが、花の都パリの名に恥じない華やかで革新的なパフォーマンスになるのは間違いない。ジョリー氏はオリンピックの開会式だけではなく、シャンゼリゼ通りとコンコルド広場でのパラリンピック開会式、パリ郊外サン・ドニのフランス競技場で行う両閉会式も担当する。

スポーツと芸術の融合を目指すスポーツと芸術の融合を目指す

4. 開会式や入場行進を現地で観るには

希望者は誰でも無料で選手団のパレードを見ることができるが、より見やすい場所を確保できる有料チケットが販売中。また、開会式や観戦チケットの付いたお得なチケットもオリンピック公式サイトから併せて発売されている。

開会式専用プラン
https://olympics.onlocationexp.com/paris2024/ceremony/

観戦+宿泊のプラン
https://hospitalitytravelpackages.paris2024.org/discover?language=en

最終更新 Donnerstag, 11 Januar 2024 15:13
 

歩いて歴史を体感するパリ散策ガイド

歩いて歴史を体感するパリ散策ガイド

パリのイラスト Illustrations: ©︎Kanako Amano

オリンピックの開催に向けて、パリにはますます多くの観光客が訪れることが予想されている。混雑したところが苦手……でもパリに行きたい!そんな悩みに応えるべく、人気YouTubeチャンネル「フランスガイド中村」でパリの魅力を発信する中村じゅんじさんに、ただ歩くだけで120%パリ観光が楽しめる方法を伝授いただいた。

お話を聞いた人
中村じゅんじさん 中村じゅんじさん
地方都市レンヌで哲学を学び、2014年にフランス政府公認ガイドの資格を取得。2020年からYouTubeチャンネル「フランスガイド中村」で、歴史や美術をテーマにパリの観光情報を発信している。パリ在住。
https://www.youtube.com/@franceguidenakamura

パリが世界中の人から愛される理由

200年以上前から観光都市⁉

パリの観光都市としての歴史は長く、「グランドツアー」が始まった17世紀ころまでさかのぼります。グランドツアーとは、英国の裕福な子どもたちが学業を終えるときに参加する修学旅行のこと。数カ月かけて欧州を旅するのですが、最初の行き先といえばフランスだったんですね。宮殿や美術館、高級レストランに行くなどして、歴史文化や社会について学んだのです。そういう人たちがパリに来るので、現地では受け入れ態勢が必要になります。そのためにホテルができたり交通網が発達したりしました。観光ガイドの仕事が始まったのもこの頃です。

 

パリは観光客が来ることを前提にして街づくりがされてきたので、街中に観光客がたくさんいるのは当たり前のこと。ですから、昨今いわれている「オーバーツーリズム」は、実はパリではデフォルトなんですね。もし人が多いのが嫌だったら、この街を去るしかないですから。ただし、コロナ禍を経て人数制限のために要事前予約の美術館や博物館が増えてきたので、行く前に確認することをおすすめします。

100人いたら100通りのパリ

コロナ禍が始まってから、YouTubeでパリの歴史や文化を解説しているのですが、動画を見た方からさまざまなメッセージをいただきます。「ここは亡くなった母と一緒に歩いたところなんです」、「私は今施設に入っているので旅行はできないのですが、もう一度あの時のパリが見られてうれしいです」。動画に映し出された場所にはお母様との思い出があったり、あるいは若い時に留学していた自分が歩いた道だったり、それぞれのパリがあるんですよね。

そこで僕は、「100人いたら100通りのパリ」があることに気付いたんです。世界中から観光客が来て、愛されているパリだからこそ可能なんだと思います。

パリの魅力はずばり「歴史」

パリはそんな個人の想いが重なっていると同時に、フランス革命の中心になったり、印象派画家が第一回印象派展を開いたり、ものすごくたくさんの歴史的事件が起こった場所。パリはファッションの街だったり、グルメだったり建築だったりとさまざまですが、僕にとってはやはり「歴史のある街」です。

パリは歴史を大切に保存しようとする努力を絶え間なく続けてきました。実はフランス革命時には、すでに歴史的建造物を保護するという概念が生まれています。革命や暴動で建物が破壊されて、平等の観点から誰もが文化にアクセスできるようにするため、建物を保護しようとしたんですね。少しずつ制度が形作られていき、本格的に法整備されたのは第一次世界大戦の時。最初は建物だけが対象でしたが、周りの建物が近代的になると保護した建物の価値が半減してしまう。本当の価値を守るため、第二次世界大戦後には歴史保護地区という概念が生まれました。

こうしてパリは、歴史の中で現代的な生活が営まれるような独特な世界になっていきました。さらに街中には、歴史的な場所を示すパネルが無数に貼られています。街歩きも歴史を軸にしてやってみると、いろいろなことが見えてきますよ。次ページからは、そんな歴史を体感できるパリの散策コースを二つに分けてご紹介します!

ピカソのパネル「ピカソは1936~55年にここに滞在し、1937年に『ゲルニカ』を描いた」と書かれたパネル

歴史を体感するパリ散策

マレ地区編
Le Marais

人気の高いマレ地区は、パリを観光するなら絶対に訪れたいエリアの一つ。ショッピングを楽しむのもいいけれど、歴史をちょっと知れば街の見え方が変わって、さらに散策が面白くなるはず!

貴族の邸宅がいっぱい! 歴史保護地区になったマレ

フランス語でマレは「沼地」の意味。その昔、セーヌ川はよく流れを変え、マレ地区は水に浸かったり乾いたりを繰り返していたそう。マレはかつて王宮だったルーヴルや王の邸宅からほど近く、王に近づきたい!という貴族たちがこぞってこのエリアに邸宅を建てた。ところが、フランス革命で貴族たちは追われることになり、邸宅だけが残されたのだった。そんなマレ地区は、1960年代にフランスで初めて歴史保護地区に指定され、建物だけでなく街全体が保護されている。建て直しが認められないため、壁が大きく曲がっていたり、エアコンが取り付けられなかったりということも。ある程度の不便さも美しい景観を守るために受け入れられているのだ。

マレ地区の地図²

MAP ❶ サン・ポール駅
Saint-Paul

出発は❶サン・ポール駅。リヴォリ通りを進むと、オテル・ドゥ・シュリーと呼ばれる17世紀に建てられた貴族の邸宅だった建物(現在は国立記念碑センター)が見える。その裏に無料で入れる❷オテル・ドゥ・シュリーの庭園があるので、ぜひ通り抜けてみよう。
Bienvenue à l'Hôtel de Sully: www.hotel-de-sully.fr

MAP ❸ ヴォージュ広場
Place des Vosges

庭園を抜けると、美しく整備された❸ヴォージュ広場に出る。17世紀にアンリ4世(1553-1610)が再開発したエリアで、広場を囲むようにしてアーチ状になったレンガが特徴的な邸宅が立ち並ぶ。その一角に住んでいたのが、あの『レ・ミゼラブル』の著者として知られるヴィクトル・ユゴー(1802-1885)だ。その建物は、現在❹ヴィクトル・ユゴー記念館になっており入場は無料。歩きながら仕事をする習慣があったユゴーが愛用していたという二段重ねの机など、ちょっとマニアックな展示品もある。
Maisons Victor Hugo: www.maisonsvictorhugo.paris.fr

ヴォージュ広場

MAP ❺ カルナヴァレ美術館
Musée Carnavalet

ナポレオン3世(1808-1873)の第二帝政時代、ジョルジュ・オスマン男爵の主導のもとパリ大改造計画が実施された。まだ中世的な街並みだったパリを近代化するため、大きな道路を通すのに建物は次々解体されていった。一方で、豪華なしつらえがもったいないと思った男爵は、邸宅や店舗の内装だけを別の場所にそっくりそのまま再現することに。現在も❺カルナヴァレ美術館として現存し、それらを見ることができる。先史時代から今日に至るまでの歴史を紹介し、歴史好きなら一日いられてしまうほどの充実ぶり。それでいて入場無料!
www.carnavalet.paris.fr

カルナヴァレ美術館

MAP ❻ 老舗ゴーフル店「Méert」

小腹が空いたら、フランス北部の都市リールにある老舗菓子店❻Méert(メール)のパリ支店へ。メールの名物は、1849年から変わらず愛され続けてきたゴーフル。バニラのほか、キャラメルピーカンナッツ、ピスタチオ、ラムレーズンなどがある。しっとりした生地にシャリシャリとしたクリームの食感を楽しんで!
www.meert.fr

ゴーフル

MAP ❼ ピカソ美術館
Musée National Picasso-Paris

パリの❼ピカソ美術館は、かつて塩税によって富を成した役人の邸宅だった建物にある。ピカソ(1881-1973)はスペイン生まれだが、フランス各地にアトリエがあったため、何千点という未発表作品が残されていた。ピカソの死後、遺族には天文学的な金額の相続税の支払い義務が発生。それを回避するため、フランス政府は作品を国に納めることで税金を免除するという特別な法律を作ったのだった。そうして集められたピカソの作品が、この美術館に所蔵されている。展覧会によって内容がガラッと変わるため、何度も訪れたくなる場所だ。
www.museepicassoparis.fr

ピカソ美術館

MAP ❽ 北マレ地区
Le Nord du Marais

いわゆるおしゃれエリアとして知られる❽北マレ地区。フランス革命で亡命した貴族の邸宅が空き家になると、たくさんの職人たちがここに住み始めた。革、金銀細工、家具などさまざまな分野の職人がいたほか、産業革命後は工場があった時代も。そうした職人の工房の一部は代々受け継がれて今も残っている。さらにその延長線上として、北マレには若手の職人やアーティストが自分のスペースを持つ土壌ができあがった。どの通りにも小さなブランドやコンセプトストアなどが見つかるので、気の向くままに歩きながらショッピングを楽しもう。

北マレ地区

MAP ❾ アンファン・ルージュ市場
Marché Couvert des Enfants Rouges

ブルターニュ通りにある❾アンファン・ルージュ市場は、1615年から続くパリ最古のマルシェ。アンファン・ルージュは「赤い子ども」の意味で、かつてこの近くにあった孤児院の子どもたちが赤いマントを着ていたことに由来する。屋根の付いた市場には、野菜、肉、魚などの生鮮食品が売られているほか、フランス料理はもちろん、イタリアやレバノン、モロッコなどさまざまな国の料理を楽しむことができる。食べ歩きできるものを探すのも良し、座ってごはんを食べるのも良し。ゆっくり散策して、おいしそうなものを探してみよう。

アンファン・ルージュ市場

MAP ❿ テンプル広場
Square du Temple

市場の斜め向かいにある❿テンプル広場は、かつてテンプル騎士団の塔が立っていた場所だ。その塔は後に牢獄となり、フランス革命時にはルイ16世とマリー・アントワネットが幽閉された。また、パリ3区から強制送還されたユダヤ人の子どもたちの追悼碑があり、公園にはホロコーストを生き延びたノーベル平和賞作家エリ・ヴィーゼルの名が付いている。最後に⓫テンプル駅まで歩いたら、マレ地区ツアーは終了!


ルーヴル&オペラ地区編
Louvre & Palais Garnier

現在美術館になっているルーヴルはかつての王宮。そのため、周辺にはフランスという国を築き上げてきた歴史的遺産が集まっている。意外と知られていない裏の歴史を見つけながら歩いてみよう。

ルーヴル&オペラ地区編

MAP ❶ ルーヴル・リヴォリ駅
Station Louvre - Rivoli

1900年に開業した歴史ある❶ルーヴル・リヴォリ駅からスタートしよう。1968年にはマルロー文化相の発案で、構内にルーヴル美術館の所蔵品の複製が展示されるようになった。今でも「プチ美術館」として利用者を喜ばせている。

MAP ❷ ルーヴル美術館
Musée du Louvre

駅から地上に出ると、❷ルーヴル美術館が現れる。元々は、12世紀にフィリップ2世が要塞として建設したルーヴル城が始まりだ。その後、美術愛好家のフランソワ1世(1494-1547)が王宮として改装。彼が着手したルネサンス様式の建物は「クールカレー」(方形の中庭)と呼ばれ、今も残っている。中庭は自由に見学でき、ここをまっすぐ進むと、メイン・エントランスのガラスの「ルーヴル・ピラミッド」が見えてくる。これは1985~89年に実施された大ルーヴル計画によって生まれ、今ではパリのランドマークの一つになっている。
www.louvre.fr

革命からわずか4年後に公開されたルーヴルの歴史

フランス革命を経て、王の持ちものは全て国のものとなり、そのなかには膨大な美術品も含まれていた。当時の人々はフランス革命期のスローガンの一つ「自由、平等、友愛」に基づいて、それらを国民に公開することを決定。貧富の差に関係なく皆が文化を享受できるようにするため、王家の宮殿の一つだったルーヴルを美術館にしたのだ。このスローガンは、現在のフランス共和国の標語にもなっている。ルーヴル美術館は平等の観点におけるフランスの象徴的な存在であり、現在の文科省もその精神を受け継いでいる。ちなみにルーヴル美術館は革命からわずか4年後に正式に開館している。

ルーヴル美術館

MAP ❹ パレ・ロワイヤルのアーケード
Les Arcades du Palais Royal

ルーヴル美術館の前にそびえる❸パレ・ロワイヤルはルイ13世(1601-1643)の宰相、リシュリューが建設。後にルイ13世に譲渡され、幼少のルイ14世の住居だったことから「王宮」(パレ・ロワイヤル)となった。無料で入れる庭園を抜けると、商店街発祥の場所といわれる❹パレ・ロワイヤルのアーケードにたどり着く。当時、この敷地内には警察が入れなかったことから、売春婦やギャンブルなど裏社会のたまり場となり、革命家たちがここで議論することもあったという。さらにアーケードからの客を呼び込むために、周辺でも商店街が発展。なかでも❺ギャルリー・ヴィヴィエンヌは見事な建物で今でも人気スポットだ。

MAP ❻ フランス国立図書館博物館
Musée de la BnF

パレ・ロワイヤルのアーケードの小さな抜け道「Passage du Perron」を通ると(ちなみにこの通りにあるアパートの一つにフランス人作家コレット(1873-1954)が住んでいたため、彼女のパネルが設置されている)、❻フランス国立図書館博物館の通りに出る。この図書館は王室文庫を起源とし、膨大な蔵書を抱える。入場無料の楕円形閲覧室は、ガラス天井とイオニア式の柱による重厚感たっぷりの空間で一見の価値あり。併設の博物館には歴代国王のコレクションなどが展示されている。
www.bnf.fr/fr/le-musee-de-la-bnf

MAP ❼ オペラ座
Palais Garnier

図書館を出たら、ラーメン屋などが並ぶプティ・シャン通りへ。この一帯はいわゆる日本人街になっているが、まっすぐ進むとオペラ通りに当たり、右手には❼オペラ座が堂々とそびえ立つ。正式名称はガルニエ宮で、落成式が行われたのは1875年。今日、オペラ座はもちろんオペラやバレエなどの公演を見に来る場所だが、かつてはオペラ座に出かけることは特別な意味を持っていた。すなわち、オペラ座にいることは自分が出世した証であり、人々は「成功した自分」を見せつけるためにここへやって来たのだ。それを助長するかのように華麗な内観は見もの。
www.operadeparis.fr

オペラ座

MAP ❽ ギャラリー・ラファイエット
Galeries Lafayette

オペラ座を見学した後には、裏にある❽ギャラリー・ラファイエットへ。オペラ座界隈は銀行やオフィスなどが密集し富裕層が集まるため、デパート街が形成された。1894年にオープンしたギャラリー・ラファイエットは高級百貨店で、店内に入ると吹き抜けになっている。まるで宮殿のような丸天井は圧巻だ。展望台もおすすめで、パリを一望でき、オペラ座を上から見られる最高のスポットになっている。
www.galerieslafayette.com

MAP ❾ ギャラリー・ラファイエット・グルメ館
Galeries Lafayette Le Gourmet

日本のデパ地下のようにお惣菜がそろい、有名なシェフたちのケーキもずらりと並ぶ❾ギャラリー・ラファイエット・グルメ館。生鮮食品以外にもお菓子や紅茶、調味料などがそろっているので、お土産探しにはぴったり。さらにフランス各地の名産品がここで一気に手に入れられるのもうれしい。とっておきのお土産を手に入れたら、ルーヴル&オペラ地区ツアーは終了。お疲れさまでした!
https://gourmet.galerieslafayette.com

ギャラリー・ラファイエット

お土産におすすめ フランス各地から名産品が大集合!

塩とバターを使ったポンタヴェン名物菓子
Biscuiterie de l’aven
www.biscuiterie-loc-maria.fr
9.95 €

ポンタヴェン名物菓子 Biscuiterie de l’aven

アルザス地方のジャムの妖精こと
Christine FERBER
www.christineferber.com
11.20 €

アルザス地方のジャム Christine FERBER

純粋なフランス産マスタード
Moutarde de Bourgogne
www.fallot.com
3.65 €

フランス産マスタード Moutarde de Bourgogne

※上記はギャラリー・ラファイエット・グルメ館で手に入ります(2024年1月現在)

もっといろいろなエリアについて知りたい方!
YouTubeチャンネル「フランスガイド中村」をチェック

https://www.youtube.com/@franceguidenakamura
最終更新 Montag, 05 Februar 2024 16:09
 

自宅もオフィスもピカピカで新年を迎えよう掃除大国ドイツに教わる掃除法&グッズ

早いものでそろそろ2023年も終わり。日本では年末に大掃除をするのが伝統行事だが、ドイツにいても部屋をピカピカにしてから新年を迎えたい気持ちは変わらずあるもの。ここドイツには、普段から掃除や整理整頓をきちんとすることが文化として根付いており、掃除グッズも驚くほどいろいろな種類がそろっている。今年はそんなドイツの掃除の技とアイテムを使って、大掃除をしてみては?(文:ドイツニュースダイジェスト編集部)

掃除大国ドイツに教わる掃除法&グッズ

ドイツ人は本当に「きれい好き」?

ピカピカのキッチン、ほこり一つない棚、きちんと整頓された居間……昔ながらのドイツ人のお宅にお邪魔すると、そんな光景が広がっている。使った食器はすぐに洗う、汚れを見つけたらすぐに拭き取るなど、小さな習慣が身に付いている人が多い。もちろん人によって違うが、ドイツ人の「きれい好き」の部分を感じる場面は決して少なくない。

ドイツでは、古くから「Reinlichkeit」(清潔さ)が重視されてきた。この言葉には「純粋さ」という意味もあり、ドイツにおけるブルジョワ層の美徳の一つとしても捉えられていたという。また、かの文豪ゲーテも「みんながドアの前を掃除すれば、どの街もきれいになる」という格言を残している。ほかにも、20世紀の哲学者オットー・フリードリッヒ・ボルノウも、「職人たちが工房をきれいにしたとき、主婦たちが家中をピカピカにし、家の前をほうきで履いたとき、人々は深い幸せに包まれた休息ムードになる」と語っており、ドイツ人のきれい好き精神が垣間見える。

少なくとも週に1回は掃除するというドイツ人は96.5%、数回という人は81.1%※1で、比較的多いといえそうだ。ドイツの子どもたちは、ゴミはすぐに捨てる、使った物は元の場所にしまうなど、習慣として掃除や整理整頓の仕方を身に付けていく。2022年の時点でドイツの子どもの85%が家事を手伝っており、そのなかでも特に部屋の片付けや洗い物が多いという※2。一方で男女格差はいまだに存在し、2019年のYouGovの調査では、「あなたの家を掃除するのは誰か?」という質問に「自分」と答えた女性は84%であるのに対し、男性は58%にとどまっている。

さらにドイツには、「Frühjahrsputz」(春の大掃除)と呼ばれる雪解けの時期に掃除をする伝統がある。その昔、冬に閉め切っていた窓を開け、家の中に溜まった土やすすを取り除くために行われており、新たな季節を迎えるための準備でもあった。今日、春の大掃除を行う人は5人に1人(19%)となったが、3人に2人(63%)は年に1回、自宅を徹底的に大掃除すると回答している※3。きれい好きの精神やこうした伝統があるおかげで、ドイツには家をきれいにするヒントや掃除製品がいっぱいある。年末掃除に試してみたい技やグッズを一挙にご紹介しよう。

※1 大手家電メーカーMEDIONの調査(2022年)
※2 産業連盟IKWの家事に関する調査(2022年)
※3 YouGovの調査(2019年)

数字で見るドイツの掃除事情

数字で見るドイツの掃除事情

参考:Presseportal.de「MEDION: Blitzeblank! 37 Prozent der Deutschen putzen jeden Tag」、Nadja Krakowski「Deutsche Sauberkeit und die Angst vor dem Unreinen」、Deutsche Welle「Der Deutsche und die Sauberkeit」、IKW「So putzt Deutschland - Haushaltspflege zwischen Sozialisierung und Nachhaltigkeit」、dpa「Umfrage: Frauen putzen mehr als Männer」

ドイツ式大掃除のヒント&おすすめグッズ

ドイツの伝統「Frühjahrsputz」を参考に、大掃除の手順とおすすめグッズをご紹介。大事なことは、1日で全ての行程をやろうとしないこと!数日に分けて計画的に取り組むべし。きれいに生まれ変わった家で、気持ちよく新年を迎えよう。
参考:Westwing「Frühjahrsputz: Gratis Checkliste mit 7 Räumen – in wenigen Schritten eine saubere Wohnung!」、dm「Frühjahrsputz」、DeutschlandCard「Frühjahrsputz-Checkliste: Tipps für die Großreinigung im Frühling」

大掃除に必要な道具リスト

  • 掃除機(Staubsauger)
  • モップ(Bodenwischer)
  • スポンジ(Schwamm)
  • 雑巾(Putzlappen)
  • マイクロファイバークロス(Mikrofasertuch)
  • バケツ(Eimer)
  • ゴム手袋(Gummihandschuhe)
  • ゴミ袋(Müllbeutel)
  • 各種洗剤(Reinigungsmittel)

STEP 1部屋を片づける

Sidolin Glasreiniger Cristal 3in1 窓拭きクリーナー

必要なものと必要ないものを整理する

大掃除を始めるための前提条件は、床の上に余計なものが置かれていないこと。まずは、洋服、食器、食料品、日用品など、家にあるものが自分にとって本当に必要かどうかを精査しよう。整理が苦手という人はボックスを三つ用意し、①必要なもの、②必要ではないがまだ使えるもの、③捨てられるもの、に分類してみて。もし1年以上使っていないものがあれば、今がそれを手放すタイミングかも?

必要のないものを処分する

前項でボックス①に分類されたものは、引き出しや棚、収納ボックスなど決まった場所にしまおう。ボックス②のものは、誰かに売ったり譲ったりするほか、教会などに寄付することもできる。

STEP 2窓を掃除する

Sidolin Glasreiniger Cristal 3in1 窓拭きクリーナー

窓枠をきれいにする

カーテンを外して洗濯機に入れたら、窓掃除スタート!内側と外側の窓枠に溜まったほこりやクモの巣、落ち葉などを、濡らした雑巾やブラシで取り除く。サッシなどの汚れが取りづらい部分は古い歯ブラシを使っても。

窓ガラスの汚れを落とす

窓拭き用クリーナーなどを使って、スポンジで上下に行ったり来たりさせながら汚れを落とす。洗剤の量が多いと拭き跡が付きやすくなるのでご注意を。その後、水切りワイパー(Abzieher)を使って洗剤を取り除く。木の床などに洗剤が垂れるのが心配な場合は、窓の下にタオルなどを置くと◎。仕上げに新聞紙やストッキング、マイクロファイバークロスなどを使って窓ガラスをピカピカに磨き上げよう。

おすすめグッズ

Sidolin Glasreiniger Cristal 3in1窓拭きクリーナー

Sidolin Glasreiniger Cristal 3in1 窓拭きクリーナー

Sidolinの窓拭きクリーナーは拭き跡が付きづらく、汚れを付きにくくしてくれる優れもの。さらにガラスの表面の小さな亀裂を一時的に補修するので、新品のような輝きに。窓ガラス以外にも、鏡やガラステーブル、車の窓などにも使用可能。

STEP 3ほこりを取る

ほこりを取る

「上から下」にほこりを取る

本棚や装飾品、ランプ、植物など、はたきや小型掃除機、マイクロファイバークロスを使って大まかにほこりを取る。その後、濡れた雑巾で拭くことでほこりが付着しづらくなる。せっかく掃除した場所にまたほこりが溜まることを防ぐため、必ず「上から下」の順を意識することがポイント。

おすすめグッズ

Swiffer Staubwedel Staubmagnet使い捨てハンディモップ

Swiffer Staubwedel Staubmagnet 使い捨てハンディモップ

使い捨てワイパーで人気のSwifferからハンディモップをご紹介。何千本ものふわふわの繊維が、ダニやほこり、ちり、ペットの毛などをしっかりキャッチ。手の届きにくい棚の奥や、ブラインドの隙間掃除にもぴったりだ。

Radiatorenbürste Ziegenhaarハイツング用ブラシ

Radiatorenbürste Ziegenhaar ハイツング用ブラシ

ドイツの住宅でおなじみの暖房器具「ハイツング」。ほこりを放っておくと熱が伝わりにくくなるため、年に1度は掃除をするのがベター。ハイツングの蓋を外し、ブラシを一つひとつの穴に差し込んでは引き抜くを繰り返す。こちらのブラシはヤギの毛なので、シャンプーでお手入れ可能。

STEP 4水回りをきれいにする

バスルーム

バスルーム

棚を掃除・整理する

化粧品やタオルなどを移動させ、濡れた雑巾で棚を拭く。化粧品は使用期限があるため、元の位置に戻す前にまだ使えるかどうかチェックしよう。

水垢、カビ、パイプの詰まりを取り除く

水垢の除去には酢、石けんかすには重曹などのナチュラル素材もおすすめ。湿度が高いバスルームはカビの温床となりやすいため、普段から換気することが大切だ。カビがあまりにひどい場合は専門家や業者に相談してみよう。

おすすめグッズ

Sagrotan Badreiniger Ozeanfrischeバスクリーナー オーシャンフレッシュ

Sagrotan Badreiniger Ozeanfrische バスクリーナー オーシャンフレッシュ

細菌が増殖しやすいバスルームには、洗浄と消毒が一度にできる2in1のバスクリーナーはいかが?頑固な汚れ、水垢や石けんかすをしっかり落とし、細菌やウイルスを99.9%除去。さらにバリア成分で新たな汚れの付着を防いでくれるので「一石三鳥」!

Denkmit Schimmelentferner mit Aktiv-Chlor活性塩素配合カビ取り剤

Denkmit Schimmelentferner mit Aktiv-Chlor 活性塩素配合カビ取り剤

タイルの隙間に根深く生えたカビは、重曹や酢などでなかなか除去しきれないもの。そんなときは、こちらのカビ取り剤を使用してみては?一度使えば、しばらく抗菌効果が続くため、バスルームを清潔に保つことができる。

rorax Rohrfrei Power-Gelパイプ詰まり取りパワージェル

rorax Rohrfrei Power-Gel パイプ詰まり取りパワージェル

バスルームの排水口に髪の毛が詰まってどうしようもない……そんなときに助けてくれるのがroraxのパワージェル。たった5分で髪の毛や脂溶性の汚れを溶かし、悪臭を取り除いてくれる。塩素が気になる人には、塩素系物質不使用の「Bio」タイプも。

キッチン

キッチン

食器棚や引き出しを整理する

食器棚や引き出しから全てのものを取り出して、濡れた雑巾で拭いて消毒を。掃除が終わったら食料品は賞味期限の短いものを手前に、長期保存できるものは奥にしまおう。

冷蔵庫の霜取りをする

冷蔵庫と冷凍庫に霜が付着していると、より多くの電力が消費されてしまうため、年に1~2回除去することが望ましい。食料を涼しい場所に移して電源を切ったら、水漏れ防止のためにタオルを敷き、扉を開けたまま数時間放置する。熱湯の入ったボウルなどを中に入れて扉を閉めれば、より早く霜を解かすことができる。

油汚れやほこり、水垢を取り除く

コンロ、オーブン、電子レンジ、ケトルなど、キッチン製品の油汚れやほこりを取り除く。シンクは水垢を落として磨き上げ、ゴミ箱はしっかり消毒しよう。

おすすめグッズ

domol Backofen- & Grillreinigerオーブン&グリル用洗剤

domol Backofen- & Grillreiniger オーブン&グリル用洗剤

頑固な油汚れや焦げ付きをしっかり落としてくれるスプレー缶タイプのクリーナー。オーブンの中やベーキングトレイのほか、鍋やフライパンにも使える。ドラッグストアRossmannの自社ブランドdomolは、お手頃価格なのもうれしい。

Dr. Beckmann Edelstahl & Chrom Kraft-Reinigerステンレス&クロムパワークリーナー

Dr. Beckmann Edelstahl & Chrom Kraft-Reiniger ステンレス&クロムパワークリーナー

ステンレス製のシンク、鍋、カトラリーをはじめ、そのほか金属製のキッチンウェアの汚れや水垢をしっかり除去し、ピカピカに蘇らせる活性炭配合洗剤。撥水性もあり、汚れを防ぐ効果も。濡らした雑巾に塗布して表面をこすったら、洗い流して乾かすだけ。

STEP 5掃除機&モップをかける

掃除機&モップをかける

掃除機をかける

掃除機をかける前にカーペットを取り外し、屋外で振ったり叩いたりしてほこりやちりをはらう。ベッドの下やソファの後ろなど、普段は掃除しない場所も含めてしっかり掃除機をかけよう。必要に応じて家具を移動させるのもためらわないこと!

汚れの少ないところからスタート

床用洗剤を水に溶かし(お湯でなくてOK)、モップに浸して絞ったら準備完了。水を何度も交換しなくて済むよう、汚れの少ない場所からスタートするのが◎。またモップを濡らし過ぎたり洗剤が多すぎたりすると、床が傷ついたり曲がったりしてしまうこともあるので注意して。

おすすめグッズ

Denkmit Allzweckreiniger Limettenzauber万能クリーナー

Denkmit Allzweckreiniger Limettenzauber 万能クリーナー

dmの自社ブランドDenkmitから、キッチン、リビング、バスルームに至るまで、モップがけ可能な全ての床の汚れを落とす万能クリーナー。モップがけには水で薄めて、頑固な汚れには原液を塗布して磨けば、家中さわやかなライムの香りに。

環境大国ドイツで愛される万能掃除グッズ4選

環境大国ドイツでは、掃除に使うアイテムが持続可能な製品であることを重視する人が63%もいるという。そんなドイツには天然由来成分の掃除グッズも豊富に存在する。ここでは、いろいろな用途で使える万能掃除グッズをピックアップ!

Kaiser-Natronカイザーナチュロン

カイザーナチュロン

100年にわたって愛されてきたKaiser-Natronは、自然派掃除でおなじみの重炭酸ナトリウム(重曹)。さまざまな汚れを除去するだけでなく消臭効果もある。ペットがいても安心して使えるのがうれしい。さらに料理や足湯など、日常生活のさまざまな場面で活躍してくれる。

Frosch Essig Reiniger酢クリーナー

酢クリーナー

ドイツの住宅の水回りといえば、しつこいカルキ。そんなカルキには掃除用酢が大活躍する。シンクやシャワー、タイルにこびりついた水垢や石けんかすをきれいさっぱり落とそう。Froschの酢クリーナーはたっぷり1リットル入り。

Heitmann pure Reine Citronensäureクエン酸パウダー

クエン酸パウダー

キッチンのほとんどの汚れを落とすことできるともいわれるクエン酸。例えば電気ケトルには、クエン酸を入れてお湯を沸かすだけでカルキを除去してくれる。また水に溶かしてスプレーにすれば、キッチンだけでなくバスルームやトイレでも使える。強力なのに環境に優しい掃除の味方。

Dr. Beckmann Putzstein固形クレンザー

固形クレンザー

Dr. Beckmannの固形クレンザーは、重曹入りで99%が天然由来成分。キッチン、バスルーム、自転車、スニーカー……など、ありとあらゆるものに使える。クレンザーに湿らせたスポンジをこすりつけ、きれいにしたいものを磨いて水で洗い流せばピカピカに!

最終更新 Freitag, 01 Dezember 2023 16:10
 

ドイツのタイプ別クリスマスマーケット・ガイド 2023

2023年版今年は誰とどこに行く?
クリスマスマーケット・ガイド

1年の中で最もきらびやかなクリスマスの季節がやってきます。ドイツではさまざまなマーケットが開催され、その風景は冬の風物詩といっても過言ではありません。今年はクリスマスマーケットをタイプ別に分け、各地のおすすめ観光スポットとともに紹介。この時期ならではの華やかな気分を味わってください。
(編集部:栗原ちひろ)
※期間や時間が変更になる場合もございますので、お出かけの際にはあらかじめご確認ください。

伝統的なクリスマスマーケット

Dresden ドレスデン

世界最古のクリスマスマーケット Dresdner Striezelmarkt

ドレスデンのクリスマスマーケット
ドレスデンのクリスマスマーケット
ドレスデンのクリスマスマーケット
ドレスデンのクリスマスマーケット

「エルベ川のフィレンツェ」と謳われるロマンチックな都市、ドレスデンのクリスマスマーケットは、世界で最も長い歴史を誇ります。1434年から続く「シュトリーツェルマルクト」は、旧市街地に位置するアルトマルクト広場を中心に、14メートルの巨大なクリスマスピラミッドが会場に華を添えます。期間中にはさまざまな催し物も用意されており、子供向けの「アドベントカレンダーフェス」を始め、ドレスデン中のパン屋や菓子店が集ってお祝いする「シュトレンフェス」、ドレスデンフィルハーモニーによるコンサートなど、日替わりで楽しめるイベントも盛りだくさん。

場所:アルトマルクト広場周辺(Dresden)
期間:2023年11月29日(水)~12月24日(日)
時間:10:00~21:00(11月29日は16:00~21:00、12月24日は10:00~14:00)
URL:https://striezelmarkt.dresden.de

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

ザクセン選帝侯の宮廷都市として栄えたドレスデンには多くの歴史的建造物があります。ドレスデン城のアウグスト通り沿いの外壁に歴代の君主達を描いた100メートルにもわたる巨大な壁画「君主の行(Fürstenzug)」は圧倒的です。ヨーロッパ後期のバロック様式の中でとりわけ美しいツヴィンガー宮殿は博物館になっており、陶磁器や武器、高価な装飾品などが展示されています。

ドレスデン城(Residenzschloss Dresden)
Taschenberg 2, 01067 Dresden
www.skd.museum

ツヴィンガー宮殿(Zwinger)
Sophienstr, 01067 Dresden
www.der-dresdner-zwinger.de

Nürnberg ニュルンベルク

世界一有名なクリスマスマーケット Nürnberger Christkindlesmarkt

ニュルンベルクのクリスマスマーケット
ニュルンベルクのクリスマスマーケット

中世のヨーロッパを思わせる伝統的な街並みが現存するニュルンベルクでは、毎年200万以上もの人々が世界各地から訪れる最も有名なクリスマスマーケットが開催されます。街の象徴的な建造物、フラウエン教会がそびえる中央広場をメインに、ドイツの伝統料理から工芸品などさまざまなマーケットが軒を連ねます。この「ニュルンベルガー・クリストキントレスマルクト」の特徴は、20以上もの姉妹都市の特産品や郷土料理が楽しめること。もちろん、ニュルンベルク発祥のニュルンベルクソーセージや、レープクーヘンなど、この地の名物グルメも見逃せません。グリューワインを片手に、一日かけてゆっくりクリスマスマーケットを散策してみるのはいかがでしょうか。

場所:中央広場周辺(Nürnberg)
期間:2023年12月1日(金)~12月24日(日)
時間:10:00~21:00(12月1日は10:00~22:00、12月24日は10:00~14:00)
www.christkindlesmarkt.de

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

鉄道好きにはたまらない「ドイツ鉄道博物館」では、昔使用していた機関車や現在のICE車両・車内などを展示。600年以上も昔からおもちゃの街として知られるニュルンベルクの伝統的な「おもちゃ博物館」では、人形やブリキのおもちゃ、木製のおもちゃなど、世界的に珍しいおもちゃが発見できるかもしれません。

ドイツ鉄道博物館(Deutsche Bahn Museum)
Lessingstr. 6, 90443 Nürnberg
www.dbmuseum.de

おもちゃ博物館(Spielzeugmuseum)
Karlstr. 13-15, 90403 Nürnberg
https://museen.nuernberg.de

Stuttgart シュトゥットガルト

世界最大のクリスマスマーケット Stuttgarter Weihnachtsmarkt

シュトゥットガルトのクリスマスマーケット
シュトゥットガルトのクリスマスマーケット
シュトゥットガルトのクリスマスマーケット
シュトゥットガルトのクリスマスマーケット

世界で最も大規模なシュトゥットガルトのクリスマスマーケットでは、280以上もの屋台が軒を連ねており、街全体が会場になります。新宮殿の目の前に広がるシュロス広場を中心に、シラー広場を越え、旧宮殿とシュトゥットガルト参事会教会から市庁舎、マルクト広場まで広がります。広範囲にわたる大小さまざまかつバラエティ豊かなお店をじっくり見て味わうのはもちろんのこと、屋根のデコレーションにこだわっている屋台が多いので、ぜひその点にも注目してみてください。古典的な書籍や宝飾品、陶器などが販売されている、カールス広場のアンティークマーケットも見所の一つです。

場所:シュロス広場、マルクト広場ほか(Stuttgart)
期間:2023年11月29日(水)~12月23日(土)
時間:11:00~21:00、木11:00~21:00、金土11:00~22:30(11月29日は17:00~21:00)
www.stuttgarter-weihnachtsmarkt.de

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

ドイツ自動車大手の本拠地であるシュトゥットガルトには、メルセデス・ベンツとポルシェの博物館があります。130年以上にもわたる車の歴史を探る「メルセデス・ベンツ博物館」では、約160台の車の展示が楽しめます。クリスマスマーケット期間限定のイベントもあるので要チェック。また、「ポルシェ博物館」には、昔のコレクションから20世紀を代表する約80台がずらりと並びます。

メルセデス・ベンツ博物館(Mercedes-Benz Museum)
Mercedesstr. 100, 70372 Stuttgart
www.mercedes-benz.com

ポルシェ博物館(Das Porsche Museum)
Porscheplatz 1, 70435 Stuttgart-Zuffenhausen
www.porsche.com/museum/de

ユニークなクリスマスマーケット

Ravennaschlucht ラヴェンナ渓谷

幻想世界を体験するクリスマスマーケット Weihnachtsmarkt in der Ravennaschlucht

ラヴェンナ渓谷
ラヴェンナ渓谷

スイスとの国境近くに位置するラヴェンナ渓谷。石造りの高架下で行われるこのクリスマスマーケットは、幻想的な世界に包まれます。屋台の数は40ほどと小規模ながらも、豊かな自然に囲まれた壮大なスケールのクリスマスマーケットとして、地元の人々から愛され続けています。知る人ぞ知るアットホームなスタイルで、職人が手がけた珍しい手工芸品や、この地の名産品、料理の数々が楽しめます。週末のみの開催となるので、開催状況は事前にチェックをお忘れなく。近隣の鉄道駅から無料シャトルバスの運行もあります。今年は一味違ったクリスマスマーケットに参加したいと思っている人におすすめです。

場所:Ravennaschlucht, 79874 Breitnau
期間:2023年11月24日(金)~12月17日(土)の金土日
時間:金15:00~21:00 、土14:00~21:00 、日14:00~20:00
料金:大人5.50ユーロ(16時以降は7.50ユーロ)、16歳以下は無料
www.hochschwarzwald.de/veranstaltungen-hochschwarzwald/weihnachtsmarkt-ravennaschlucht

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

ラヴェンナ渓谷でハイキングとクリスマスマーケットを楽しんだら、近隣に位置する都市、フライブルクには足を伸ばしてみるのはいかがでしょうか。中世の彫刻や絵画などが展示されているゴシック様式の「アウグスティーナー博物館」は、現存している14世紀に作られた天井部分の骨組みは「フライブルク大聖堂」と並んで最も古い建造物の一つです。

アウグスティーナー博物館(Augustinermuseum)
Augustinerplatz, 79098 Freiburg im Breisgau
www.freiburg.de

フライブルク大聖堂(Freiburg Minster)
Münsterplatz, 79098 Freiburg im Breisgau
www.freiburgermuenster.info

Heidelberg ハイデルベルク

ロマンチックなクリスマスマーケット Heidelberger Weihnachtsmarkt

ハイデルベルクのクリスマスマーケット
ハイデルベルクのクリスマスマーケット

ドイツ最古の大学、ハイデルベルク大学を擁し、中世を思わせる家並みや古城がロマンチックな雰囲気をかもし出すハイデルベルクのクリスマスマーケットには、旧市街地を中心に140もの屋台が軒を連ねます。ライトアップされたハイデルベルク城をバックに、ドイツの伝統料理やグリューワインはもちろん、工芸品の数々やスイーツなどが楽しめます。中でもここのハイライトは、カールス広場に位置するアイススケートリンク。ドイツで最も美しいといわれているスケート場は、家族連れから友達同士、カップルで訪れても素敵なひとときを過ごせるはず。情緒あふれる景色にうっとりしながらロマンチックな時間を過ごせるのは、クリスマスの時期ならではの楽しみです。

場所:ビスマルク広場、カールス広場 ほか(Heidelberg)
期間:2023年11月27日(月)~12月22日(金)
時間:11:00~21:00、土11:00~22:00
www.heidelberg-marketing.de/event/heidelberger-weihnachtsmarkt

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

石造りの風情あふれる街並みが特徴のハイデルベルクは、のんびりと散歩をしながら訪れたい観光名所がいくつもあります。特に街のシンボルである「ハイデルベルク城」からの景色は壮大。ここはケーブルカーも通っています。また、その昔、詩人のゲーテも恋人と歩いたといわれている「カールテオドール橋」には、猿の像が立っており、ここは記念撮影スポットとしても有名です。

ハイデルベルク城(Schloss Heidelberg)
Schlosshof 1, 69117 Heidelberg
www.schloss-heidelberg.de

カールテオドール橋(Alte Brücke)
Am Hackteufel, 69117 Heidelberg
www.heidelberg-marketing.de

都市型クリスマスマーケット

Berlin ベルリン

バラエティ豊かなクリスマスマーケット Weihnachtsmarkte in Berlin

ベルリンのクリスマスマーケット
ベルリンのクリスマスマーケット

最もクリスマスマーケットの数が多いベルリンは、バラエティに富んだラインナップが魅力です。伝統的なスタイルから子供が楽しめるマーケット、ベジタリアン向けなど趣向を凝らしたものが数多くあるので、ベルリン滞在中にいくつか回るのがおすすめ。絵画やグラフィックアート、写真などアート作品が展示されているジャンダルメン広場では「芸術の街、ベルリン」を体感できます。そのほかにも、近代的な商業施設が立ち並ぶポツダム広場ではウィンタースポーツのイベントが開催されており、大人と子供が一緒に楽しめます。シャルロッテンブルク宮殿前の広場では夜になるとお城がライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれるので、カップルでロマンチックなひとときを過ごすのに最適です。

住所:ベーベル広場(Berlin)
期間:2023年11月27日(月)~12月31日(日)
時間:12:00~22:00、金土12:00~23:00(12月24日は12:00~18:00、12月31日は19:00~翌1:00)
料金:2ユーロ(12歳以下は入場無料、12月24~26・31日を除く平日12~14時は全員入場無料)
※上記は「WeihnachtsZauber Gendarmenmarkt」の情報です。各クリスマスマーケットによって時間や開催日時が異なりますので、詳細は下記のウェブサイトよりご確認ください。
www.berlin.de/weihnachtsmarkt

München ミュンヘン

目的別で楽しめるクリスマスマーケット Münchner Christkindmarkt

ミュンヘンのクリスマスマーケット
ミュンヘンのクリスマスマーケット

日本でも人気が高い観光地、ミュンヘンのクリスマスマーケットは、ベルリン同様、多種多様なスタイルのマーケットが楽しめます。ミュンヘンを初めて訪れる人には、時計台が目印のマリエン広場で開催される伝統的なクリスマスマーケットがおすすめ。ほかにもオデオン広場近くで開催される「中世のクリスマスマーケット」では、レトロな雰囲気が楽しめます。グリューワインにラム酒を浸した角砂糖に火を付けるファイヤーツァンゲンボーレ(Feuerzangenbowle)はここでしか味わえないオリジナルのドリンク。仕事終わりなど夜遅くにクリスマスマーケットを訪れたい人は、大人な雰囲気の「ピンククリスマス」に訪れてみるのも良いでしょう。一緒に出かける人や気分によって、訪れるマーケットを決めてみるのはいかがでしょうか。

場所:マリエン広場(München)
期間:2023年11月27日(月)~12月24日(日)
時間:10:00~21:00、日10:00~20:00(12月24日は10:00~14:00)
※上記はマリエン広場クリスマスマーケットの情報です。各クリスマスマーケットによって時間や開催日時が異なりますので、詳細は下記のウェブサイトよりご確認ください。
www.muenchen.de/veranstaltungen/weihnachten/weihnachtsmaerkte-und-christkindlmaerkte-muenchen

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

ビール醸造所が集まるミュンヘンのビアハウスでは、ドイツの伝統料理が楽しめるのはもちろんのこと、音楽の生演奏があったりと毎日がお祭りのよう。最も有名な「ホフブロイハウス」は、365日朝から晩まで多くの人でにぎわいます。市内にいくつも店舗を持つミュンヘン最古の醸造所「アウグスティナー」は、地元民にも人気のビアホールの一つです。

ホフブロイハウス(Hofbräuhaus)
Platzl 9, 80331 München
www.hofbraeuhaus.de

アウグスティナー(Augustiner Keller)
Arnulfstr. 52, 80335 München
www.augustinerkeller.de

Hamburg ハンブルク

空飛ぶサンタに出会えるクリスマスマーケット Weihnachtsmarkt Hamburg

ハンブルクのクリスマスマーケット
ハンブルクのクリスマスマーケット

港町ハンブルクの「市庁舎前のクリスマスマーケット」では、スイーツやおもちゃ、工芸品を取りそろえた屋台が軒を連ねます。毎日3回にわたり空飛ぶサンタが華麗に宙を舞うイベントが行われており、見所の一つとなっています。このほかにも「クレーンシュナック・クリスマスマーケット(Klönschnack Weihnachtsmarkt)」では、ドイツ料理はもちろん、フランス、イタリア、クロアチア料理など多国籍な料理を味わうことができるので、インターナショナルな雰囲気が好きな人は要チェックのマーケットです。カップルや友人同士で出かけるなら、大人のためのクリスマスマーケット「サンタ・パウリクリスマスマーケット」で、ライブミュージックをバックにお酒を楽しむのも、一味違うクリスマスマーケットを堪能することができるはずです。

場所: 市庁舎前(Hamburg)
期間:2023年11月27日(月)~12月23日(土)
時間:11:00~21:00
※上記は市庁舎前のクリスマスマーケットの情報です。各クリスマスマーケットによって時間や開催日時が異なりますので、詳細は下記のウェブサイトよりご確認ください。
www.hamburg.de/weihnachtsmarkt

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

再開発地区ハーフェンシティをはじめ、さまざまな商業施設や建築が増えているハンブルク。2017年にオープンした「エルプフィルハーモニー」は、スイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンの作品。船首を思わせるようなユニークな形のオフィスビル「チリハウス」は、フリッツ・ヘーガーが手掛けたもの。現在は世界遺産にも登録申請中の街を代表する近代建築の一つです。

エルプフィルハーモニー・ハンブルク
(Elbphilharmonie Hamburg)
Platz der Deutschen Einheit 1, 20457 Hamburg
www.elbphilharmonie.de

チリハウス(CHILEHAUS)
Fischertwiete 2, 20095 Hamburg
www.chilehaus.de

Düsseldorf デュッセルドルフ

見所スポットが点在するクリスマスマーケット Weihnachtsmarkt in Düsseldorf

デュッセルドルフのクリスマスマーケット
デュッセルドルフのクリスマスマーケット
デュッセルドルフのクリスマスマーケット
デュッセルドルフのクリスマスマーケット

ファッションの街として知られるデュッセルドルフのクリスマスマーケットは、旧市街地やケーニヒスアレーを中心にさまざまなスポットに点在しているのが特徴です。各所にはそれぞれコンセプトがあり、市庁舎の正面に位置するマルクト広場では職人達による巧みの技が光る工芸品の数々がそろう「職人のマーケット」が開催されています。そのほかにもシュタットブリュッケの「小さな星のマーケット」では、マーケットのデコレーションにも凝っていて、美しい光が降り注ぐ幻想的な空間を演出しています。それぞれが洗練されたクリスマスマーケットになっているので、街中を散策しながらお気に入りのマーケットを見つけてみてください。

場所:マルクト広場、ハインリッヒ=ハイネ広場 ほか(Düsseldorf)
期間:2023年11月23日(木)~12月30日(土)※11月26日、12月25日は休み
時間:11:00~20:00、金・土11:00~21:00(12月24日は11:00~15:00、12月26日は14:00~20:00)
https://weihnachten-in-duesseldorf.de

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

ショッピングタウン、デュッセルドルフにはたくさんの買い物スポットがあります。高級ブティックからカジュアルなお店までがそろうケーニヒスアレーをはじめ、ハイセンスなショップが集まる商業施設「ケ・ボーゲン」、また新鮮な食材から小物やお花までを売っている市場「カールスプラッツ」もおすすめ。周辺にはおしゃれなカフェも多いので、買い物に疲れたら一休みするのにも最適です。

ケ・ボーゲン(Kö-Bogen)
Königsallee 2, 40212 Düsseldorf
www.koebogen.info

カールスプラッツ(Carlsplatz)
Carlsplatz 26, 40213 Düsseldorf
www.carlsplatz-markt.de

Frankfurt am Main フランクフルト

金融街のメルヘンチックなクリスマスマーケット Frankfurter Weihnachtsmarkt

フランクフルトのクリスマスマーケット
フランクフルトのクリスマスマーケット

欧州最大の金融街、フランクフルトのクリスマスマーケットは、その起源を辿ると中世1393年にまで遡るといわれています。高層ビルを抜けた先に広がるレーマー広場は、おとぎ話に出てくるようなかわいらしい木造建築が印象的な場所。ここには毎年恒例の巨大なクリスマスツリーが出現し、クリスマスマーケットを彩ります。フランクフルトの名物、アプフェルヴァイン(リンゴ酒)は、グリューワインのようにホットで味わえるほかにも石鹸やゼリーとしても販売されているので、お土産にもぴったりです。また、フリードリヒ=シュトルツェ広場では「ピンククリスマス」と題した、この地域のLGBTコミュニティのためにピンク色にライトアップされたマーケットが開催。ここではレーマー広場の伝統的なクリスマスマーケットとは一味違う装飾が楽しめます。

場所:レーマー広場(Frankfurt am Main)
期間:2023年11月27日(月)~12月21日(木)
時間:10:00~21:00、日11:00~21:00
※上記はレーマー広場のクリスマスマーケットの情報です。各クリスマスマーケットによって時間や開催日時が異なりますので、詳細は下記のウェブサイトよりご確認ください。
www.frankfurt-tourismus.de/Entdecken-und-Erleben/Feste-Veranstaltungen/frankfurter-weihnachtsmarkt

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

ドイツ有数の美術館や博物館が集うアートな一面も持ち合わせているフランクフルト。中でも最も有名な「シュテーデル美術館」では、数少ないフェルメールの作品やボッティチェリ、ゴッホ、モネ、マネなど巨匠達の名作がそろっています。また、「モダンアート美術館」には、アンディ・ウォーホールの絵画をはじめ、現代アーティスト達の写真、オブジェ、広告作品など、ハイセンスなアートが展示されています。

シュテーデル美術館(Das Städel Museum)
Schaumainkai 63, 60596 Frankfurt am Main
www.staedelmuseum.de/de

モダンアート美術館(MMK Frankfurt am Main)
Domstr. 10, 60311 Frankfurt am Main
http://mmk-frankfurt.de

Köln ケルン

ドイツ西部最大級のクリスマスマーケット Weihnachtsmarkt am Kölner Dom

ケルンのクリスマスマーケット
ケルンのクリスマスマーケット

世界遺産「ケルン大聖堂」がそびえるケルンのクリスマスマーケットは、ドイツ西部で最大規模といわれています。市内各所にはテーマごとに分かれたマーケットが点在しており、メイン会場となる中央駅すぐに位置するケルン大聖堂前の広場には、約150ものお店が立ち並びます。またノイマルクトのショッピングエリアには、天使がテーマとなった幻想的なムードが漂うマーケットが広がり、ルドルフ広場では中世にタイムスリップしたかのようなメルヘンチックな「ニコラウスドルフ村のマーケット」が開催されています。また、ケルンに古くから伝わる働き者の小人の妖精(Heinzelmännchen)の話しをモチーフにしたアルターマルクトの「ハインツェルメンヒェン・マーケット」では、小人モチーフの飾りやお土産が手に入ります。

場所:ケルン大聖堂前(Köln)
期間:2023年11月23日(木)~12月23日(土)※11月26日は休み
時間:11:00~21:00、木金11:00~22:00、土曜10:00~22:00
※上記はケルン大聖堂前のクリスマスマーケットの情報です。各クリスマスマーケットによって時間や開催日時が異なりますので、詳細は下記のウェブサイトよりご確認ください。
www.koelnerweihnachtsmarkt.com

クリスマスマーケットと一緒に行きたい
編集部おすすめ観光地

街の中心部に位置する香水博物館に併設されたショップ「ファリナハウス」では、元祖オーデコロンなど、さまざまな香水が販売されているのでプレゼント探しにも最適。甘い香りに包まれる「チョコレート博物館」では、チョコレートを自分好みにカスタマイズできるサービス(有料)もあるので、その歴史を知り、実際に味わって楽しめるのがうれしい。心地良い香りが心身ともに癒してくれそうです。

香水博物館 & ファリナハウス(Duftmuseum im Farina-Haus)
Obenmarspforten 21, 50667 Köln
http://farina.org/willkommen

チョコレート博物館(Schokolade museum)
Am Schokoladenmuseum 1A, 50678 Köln
www.schokoladenmuseum.de

最終更新 Montag, 04 Dezember 2023 09:51
 

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