Wir sind Helden
最初にこのバンド名を聞いた時は、正直なとこ、ヘっ何それって思ったけど、ステージで歌ってる4人を見たら、あ、いいかもって思ったのが彼ら「Wir sind Helden」。
ヴォーカルのユーディットは、気の抜け方が心地よい無造作なヘアスタイルと、レトロチックな膝丈スカートが似合う1976年生まれのベルリン人。エルヴィス・コステロが好きで、20歳の頃、ギター片手に地元の小さなカフェでボロロンと歌い始めたけど、ある日、テレビでセックス・ピストルズのコンサートを見て、でっかい声で歌いたい!みんなで一緒にピョンピョン飛び跳ねたい!という衝動に駆られ、そんな時にまさしく運命的にハンブルクのバーで、ピョンピョン飛び跳ねながら歌っていた未来のメンバーらと出会い、気が付いたらバンドになっていたそう。その男子たちは、ジャン=ミシェル、ポーラ、マークの個性派3人。ちなみにジャン=ミシェルなんてフレンチっぽいけど、生粋のハノーファー人です。
彼らのナンバーは屋外で聴くのが断然いい(ってまだ聴いたことないけど)。ロック・アム・リングや大学のキャンパス祭なんかで、定番の「Denkmal」(2004)なんかが始まったもんなら、もうファン総立ちですごいんだもん。早口で息つく間もなく歌って、イントロになったらちょっぴり踊っちゃうユーディットもとってもキュートだし。こんなとき、男3人に女1人って、なんかいいよね~。
2004年にドイツのレコタイ「Echo」でベスト・ニューカマーに選ばれ、その後はオーストリア、チェコ、オランダ、ロンドンと、ライヴツアーで超多忙。それも、チケットはどこでも瞬く間にソールドアウトらしいから、ドイツのバンドとしてはかなりのもの。05年にはタンタンみたいなかわいいジャケットで「Von hier an Blind」をリリースし、タイトルトラックを日本語でセルフカバーしたことでも話題に。日本ではベスト版「Sa Itte Miyo」まで発売されたけど、受けそう、こういうキッチュ&プチパンクな感じ。
ユーディットとポーラの間には06年にベイビーが誕生し、バンド活動はひとまず育休→昨年の秋にパワー全開でステージに戻ってきた。ユーディットがママっぽくなって、ピュア路線を走り始めてたらなんかヤダな~ってちょっと思ってたんだけど、良かった、相変わらずピョンピョン跳ねてるみたい。(リンダ)