(C)Olaf Heine
私が彼らのことを初めて知ったのは忘れもしない、2枚目のシングル「Durch die Nacht」(2004)のプロモーションビデオだった。白い空間を背に、声を絞り出すように歌うシュテファニー。ドレスも白いから黒髪だけが浮き上がって見えるの(地毛はブラウン。染めてます)。そして突然、何者かが彼女の内臓をえぐり出すと、そこから真っ黒い血が流れて、目からも黒い涙がタラ〜っとこぼれ落ちて......。今見てもこれはかなり衝撃的かも。
2000年に、メンバー4人それぞれの名前の頭文字をくっつけた「JAST」というバンド名で産声を上げたジルバーモント(通り名はジモ)。4人の顔ぶれはというと、ヴォーカルのシュテファニー(24)と、彼女を取り巻く3人のユングス(シュテファニーと大体同い年のヨハネス&トーマス兄弟+アンドレアス)。出身はザクセン州の町Bautzenで、何でもドレスデン中央駅構内にあるベンチにみんなで座ってた時に結成を決めたっていう話よ。Wir sind Helden もそうだったけど、「♀ヴォーカル+♂3人」っていう、売れっ子バンドの黄金率を地でいってます。
Silbermondと改名し、黒の革ジャンをトレードマークにして本格始動したのは04年。それまでは英語のカヴァー曲が主なレパートリーだったけど、やっぱり何かしっくりこないってことでドイツ語に切り替えてエンジン全開!かの名曲「シンフォニー」を世に送り出して、一気にブレイクしました。♪シンフォニ〜〜って、シュテファニーが蚊の鳴くような声でせつなく歌い上げてるあれよ。ファンじゃなくてもどっかで聴いたことあるでしょ!ロックバンドって言ってるわりには、彼らのヒット曲ってしっとり聴かせるバラード調が案外多いのよねえ。
その後は、民放VIVAのCometやEchoなど音楽賞の常連になり、ベスト・ライヴ・アクトやらベスト・ニューカマーやらにノミネートされたり受賞したりと大忙し。気付いたらドイツのロック&ポップ界に君臨してました。あの頃のSilbermondの勢いったら、ちょっとすごかったわね。
ここ1、2年はそれに比べたら少しおとなしかった感が無きにしもあらずだけど、この春には久々の全国ツアーがスタートよ! 何と言ってもライヴが売りだもの、リンダも見に行っちゃおうかしら。ティーニーたちの勢いについていけるか自信はないけど......(リンダ)