Jan Hillesheim(著)、金子みゆき(訳)
三修社
ISBN978-4-384-05959-5
目下、オクトーバーフェストの真っ最中です。連日テレビで中継されているミュンヘンの祭り会場の賑やかな様子を見て、体がうずきます。今年は、オクトーバーフェストの記事を担当したため下調べは完璧なのに、まだミュンヘンに飛べないでいる・・・・・・。仕方がないので、スーパー「Kaiser's」でPaulanerの『Oktoberfest Bier(ジョッキ付き)』を買い込みました。
期間限定のこの味、Märzen(メルツェン)とも呼ばれるこのビールは「適度に刺激的で、芳香な麦芽の香りのする、甘めのビール」で、「ほどよい苦みがあり、口当たりがよい」のです。ところで、「」(カッコ)内の表現、ドイツ語で言えますか? ビールについてドイツ人とドイツ語で語り合ってみたい、または、もっとドイツビールについて知りたいと思っている、そんな読者の皆さんにオススメの1冊をご紹介します。
この『ビールを楽しむドイツ語』は、オクトーバーフェストでのビールの注文の仕方から始まるというこだわりの会話集。「ドイツといえば、ビールでしょ!」と表紙が語りかけるように、かなり気合の入った内容で、これを読めばドイツのビール事情が一通りわかってしまう優れものです。
パート1は会話集。オクトーバーフェストの場面では、ミュンヘン訛りにブレーツェル(Brezel)もブレーツン(Brezn)という表現が使われ、レストランでは丁寧に、路上スタンドや学生寮ならくだけた表現にと、注文から乾杯~お会計まで、ビールを飲むシチュエーション別に生きたドイツ語が展開します。
そして、パート2ではビールの味や香り、泡の状態を的確に表現するための用語解説があり、これさえ習得すればドイツ人と互角にビールを語れるというものです。代表的なビールの種類と銘柄約40種を徹底分析したカタログの情報も充実。さらには、マイスターやウェイトレスなどビールとかかわりのある人々へのインタビューもあり、各地方のビール事情や、最近のビールを取り巻く流行や状況が読み取れます。Q&A方式になっている巻末のビール検定もお試しあれ。ちなみに、私が正解できたのは16問中6問だけ。まだまだ勉強(飲み)足りてないってことですね。
それにしても、ビールの情報だけで1冊の本ができてしまうとは・・・・・・。ドイツのビール文化の奥深さと情熱に乾杯!(高)