素顔のベルリン
〜過去と未来が交錯する12のエリアガイド〜
中村真人(著)
ダイヤモンド社
ISBN:9784478071038
本誌の不動のベルリン地域レポーター、中村真人さん。上記連載コラム「壁とベルリン」の中でも、ベルリーナーの視点で壁崩壊から20年を迎えるベルリンの様子を伝えてくれています。この秋、中村さんの記念すべき初の著書「素顔のベルリン」が産声を上げました。
この本は、ベルリンの街を12のエリア別に紹介していきます。それぞれのエリアが、それぞれの歴史を持ち、空気を持つと中村さんは言います。約10年間、ベルリンと向き合い、生活者の立場で、そしてベルリンを愛して止まない表現者の視点でこの街を見つめ続けた中村さんの思いがたっぷり詰まった1冊。この本を読めば、ベルリンがきっと好きになる。ガイドブックに必要な情報(観光スポットやショッピング、カフェの紹介など)が網羅されているのはもちろんのこと、ベルリンが歩んできた特異な歴史に目を向けさせる骨太なコラム、街角に潜むエピソード、ベルリーナーならではの街歩きの楽しみ方など、とにかく「美味しいお店は地元の人に聞くのが1番」といった感じの真に迫る説得力を持ってベルリンの姿を解き明かしていきます。
ちょうど1年程前・・・・・・そう、あれは奇しくも11月9日。その日、ベルリンでインタビュー取材を終えた私は、中村さんとベルリン中央駅で待ち合わせをしていました。顔合わせ兼コラムの打ち合わせという名目でお会いしたのですが、せっかくだからと中村さんは街案内を買って出てくれました。
中央駅からブンデスターク、ブランデンブルク門の方向へ行き、フリードリヒ通り駅辺りまで。時間的にも距離的にも決して長いものではなかったけれど、通りを曲がるたび、ふと視点を横に振るたびに、新しい物語を熱っぽく語る中村さんの知識の豊富さに感動しきりだったのを覚えています。この本からは、そんなベルリンの名物ガイド、中村さんが隣りで解説してくれているような親しみも感じられます。
本誌784号(9月25日発行)の特集「壁崩壊20周年 壁の歴史に触れるベルリン街歩きガイド」と一緒に読めば 、もうベルリン観光の準備は完璧です。さぁ、中村さんが誘うベルリンの街へ!!(高)