ISBN: 4910273311290
ドイツ観光の王道中の王道である「ロマンティック街道」。オレンジ色の屋根、パステルカラーの壁、石畳の道が続く街並み。古き良き中世の名残が感じられる街に一歩足を踏み入れると、その徹底した街づくりのせいか、「まるでテーマパークみたい」と、東京ディズニー・リゾートを訪れたときと似たようなわくわく感に包まれたことが強く印象に残っている。
ドイツに居を移してすぐに駆け回ったドイツ初心者旅行だったこともあり、各街の見どころに焦点を当て、いわゆる「美味しいとこ取り」をして、ローテンブルク→アウグスブルク→フュッセン、そして締めにノイシュヴァンシュタイン城を見て回った。一度行ったらもう満腹と、その旅の中で私のロマンティック街道体験は完結していた。ところがどっこい、ロマンチック街道開通60周年を記念して企画された雑誌フィガロの特集「ロマンティック街道へ。」を読んでいたら、がぜん旅心が疼いてきた。
マイン川が流れる悠久の都、ロマンティック街道の出発地ヴュルツブルクではフランケンワインを堪能したい。歴史あるワイナリーも捨てがたいが、「コンクリートの卵」と表現される革新的なコンクリート製の樽で熟成されたワインも試してみなければ。ディンケルスビュールでは、地元っ子気分で裏道を散策。アーティストやアンティーク商が多く住むというこの街では、何気ない日常のひとコマが絵になるだろう。
それぞれの街が辿ってきた歴史、自然、芸術、そして今を生きる人々の営みに目を向けさせるショップや見どころの紹介があり、心がほっこり温かくなる旅のヒントが満載。
ロマンティック街道の上辺だけをなぞる旅では物足りないという皆さん、ポイントは感じる心! 狙いは小都市! ! 自分だけのロマンティック街道体験をどうぞ。私も、妹が今年の冬にドイツに遊びに来る予定もあることだし、ロマンティック街道を再訪問してみよう。(高)