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イスラエルがすごいイスラエルがすごい
マネーを呼ぶイノベーション大国

著者:熊谷徹

発行元:新潮社
2018年11月 刊行

「独断時評」でお馴染みのミュンヘン在住ジャーナリスト・熊谷徹さん。実は2003年よりイスラエルでの取材を重ねてきた。しかし、なぜ今イスラエルなのか? それは『イスラエルがすごい』を読むと、たちまち納得させられてしまう。何を隠そう、イスラエルは「中東のシリコンバレー」と呼ばれ、同国の企業や技術者は世界中から引く手あまた。ベンチャー企業が軒を連ね、イスラエルは自動運転やサイバー・セキュリティーの分野で世界の最先端を走っている。米国をもうならせるイノベーション力の背景には、どうやらイスラエル人の頑固なまでに粘り強い国民性と、知識を武器にしてきたユダヤ人の長い歴史にあるようだ。

ドイツに住んでいる以上気になるのは両国の関係性。ホロコーストという負の歴史を越えていかに関係を改善できたのかという疑問は、熊谷さんがイスラエルを訪れるようになった理由の一つでもあり、本テーマについても1章分が割かれている。本書を通じて見えてくるのは、意外にも日本だった。イスラエルから巻き起こったイノベーションの旋風に日本は取り残されており、それに対して熊谷さんは警鐘を鳴らす。またドイツとイスラエルが歩んできた歴史には、日本が参考とすべきこともある。これまで日本では注目されてこなかったイスラエルを知ることで、より冷静に自国の現実と向き合うことができそう。


 
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