旅行先でぜひ試したい! ドイツ各地のご当地酒
ドイツにはその地域に根付いた食べ物はもちろんのこと、ご当地ならではのお酒もたくさんある。ビールやワイン、ちょっと変わったスタイルのお酒まで、ドイツで暮らしているからこそ味わいたいご当地酒をご紹介していこう!(Text:編集部)
シチュエーション別で使えるドイツの乾杯!
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カジュアルに乾杯
Prost!
プロースト! - 上品に乾杯
Zum Wohl!
ツム・ヴォール! - お祝いの乾杯
Auf 'Xxxx'!
アウフ・(名前/代名詞)!
北部
リキュール
イエガーマイスター
Jägermeister
世界的に有名なリキュールは、ニーダーザクセン州のヴォルフェンビュッテルで生まれた。サフランやシナモンの皮など、56種類もの原料が配合されているハーブ系の独特な味わいが特徴。ドイツでは薬酒としてストレートで飲むのがスタンダード。
ビール
ボック
Bock
ニーダーザクセン州アインベックが発祥、バイエルン地方で発展したビール。芳醇なホップの香りが楽しめて、コクのある味わい。アルコール度数はほかのビールに比べて高い6.0~6.5%。さらに濃厚なドッペルボック(Doppel Bock)は、断食中の栄養源として液体パンと呼ばれていた。
ビール
ゴーゼ
Gose
ハルツ地方のゴスラーが発祥。原料に塩を加え、乳酸発酵させるユニークな製法のビール。また、コリアンダーがミックスされているため、独特の酸味が楽しめるのもポイント。ゴーゼから派生したライプツィガーゴーゼ(Leipziger Gose)は、東部の都市ライプツィヒの特別なビールとして地域に根付いている。
スピリッツ
コルンブラント Kornbrand
ドイツで15世紀頃から造られている伝統的な穀物の蒸留酒。原料には、ライ麦、小麦、大麦、オート麦、そばなどが使用されている。フレーバーや着色料など添加物は一切加えないスタイルで、クセのない味わい。北西部の町、ノルデンにオフィスを構えるドールンカート社による商品がよく知られている。
カクテル
ファリサイ
Pharisäer
北ドイツとオーストリアを中心に普及している。甘めのコーヒーにラム酒をミックスして、仕上げに生クリームを浮かべたお酒。19世紀の北ドイツで禁欲的な生活を強いられていた人々が、見た目ではお酒だと分からない方法でアルコールを楽しむための手段として飲み始めたのが起源だと言われている。
西部
ビール
アルトビア Altbier
デュッセルドルフで発展したビール。19世紀中期に考案されたレシピを元に製造されている。同地にはアルトビアをメインに取り扱うクナイプ(居酒屋)もたくさん存在している。各メーカーによって味わいが異なるので、はしご酒を楽しむのも◎。
ビール
ケルシュ
Kölsch
ケルンで発展したビール。淡色麦芽を使用しているため、アルトビアよりも色味も味わいもすっきりとしている。アルトビア、ケルシュともに小さいグラスに注がれていて、飲み干すとウェイターが新しいビールを自動的に持って来てくれる。
カクテル
リューデスハイマーカフェ
Rüdesheimer Kaffee
リューデスハイムで親しまれているコーヒーとブランデーをミックスしたお酒で、1957年に発明された。ブランデーは同地が発祥のアスバッハ(Asbach)が使用されている。特別なカップに角砂糖とアスバッハを加えて火をつけながら攪かくはん拌していく。その後コーヒーを加えて、生クリームを添えれば完成!
ワイン
アプフェルヴァイン
Apfelwein
フランクフルトの名産。リンゴを圧搾してその果汁を酵母とともに発酵させることで酸味のある味わいに仕上げる。ヘッセン州などでは市販品を購入することも可能。ひし形のシェイプが入った特別なグラス、ゲリップテス(Geripptes)が使用されており、注ぐピッチャーはベンべル(Bembel)と呼ばれている。
ビール
ドルトムンダー
Dortmunder
ドルトムントで生まれたピルスナースタイルの辛口のビール。通常のピルスナーに比べて透き通った淡色で、苦味は少し弱いがボディーがしっかりとしていて味も濃い。第二次世界大戦後から1970年頃までドイツから輸出していた最もポピュラーなタイプだった。
ジン
シュタインヘーガー
Steinhäger
シュタインハーゲンで造られていることから名付けられた。オランダ発祥のジンをドイツ独自にアレンジしたもの。大麦を原料とし、杜松の実やスパイス類を加えて香りづけをしている。ビールを飲む前にこのジンをショットグラスで1杯飲むのがドイツ流。
リキュール
キュメリング
Kuemmerling
ハーブのリキュールを製造するメーカー、キュメリング社によって発明・販売されているハーブのリキュール。1963年からマインツ近郊のボーデンハイムで製造されている。ほんのりとした苦味があるテイスト。
東部
リキュール
ライプツィガーアラーシュ
Leipziger Allasch
ラトビアが発祥のお酒。1830年にライプツィヒの見本市で発表されたことで、同地で人気となる。度数が40%近く、通常のリキュールよりも高アルコールで、糖分が高いのが特徴。ヴィルヘルムホルン社の「Echter Leipziger Allasch」がよく知られている。
ビール
ベルリーナーヴァイセ
Berliner Weiße
ベルリンで醸造されたビールのみが、その名を冠することが許されるご当地ビール。1600年半ばに生まれたとされている。イーストと乳酸菌による発酵工程や、ストローで飲むスタイルが特徴。赤いラズベリー、緑のクルマバソウ(Waldmeister)のシロップで香りづけする。19世紀にはベルリンで最も人気のあるアルコールとして親しまれていた。
南部
カクテル
ラドラー
Radler
ビールをレモネードで割ったお酒。自転車乗りを意味するラドラーは、サイクリング愛好家たちから親しまれていたことからその名がついた。南部ではルス、ルッセと呼ばれることも。また、北ドイツではアルスターヴァッサー(Alsterwasser)の名で知られている。
ビール
コーラヴァイツェン
Colaweizen
ドイツ南部で親しまれているビールのスタイル。コーラとヴァイツェンを半々に割っていただく、シンプルなレシピ。コーラの甘さがビールのほろ苦さを中和して飲み口がまろやかになるため、ビール初心者にもおすすめ。
ビール
ラオホビア
Rauchbier
オーバーフランケン地方のバンベルクが発祥のビールで、芳醇な風味が特徴。実際にブナの木で燻した麦芽を使用している。ブラックコーヒーのようなコクとスモークベーコンのような香ばしさがクセになる味わい。特にシュレンケラ醸造所から発売されている商品が有名だ。
ビール
メルツェンビア
Märzenbier
その年の春に仕込んだメルツェンビアを熟成させたものをオクトーバーフェストで飲むため、別名オクトーバーフェストビアと呼ばれている。南部で親しまれているビールで、大きめのグラス、マース(Maß:写真右)に注ぐのが一般的。
ビール
ヴァイツェン
Weizen
バイエルン地方で発展したビール。麦芽を50%以上使用した、苦味のないすっきりとした風味で、クリーミーな口当たり。瓶の中で発酵させるため、底にはオリが沈んでいることもある。
スピリッツ
キルシュヴァッサー
Kirschwasser
さくらんぼを種ごと使って発酵させた蒸留酒の一種。シュヴァルツバルト地方の名産、黒い森のさくらんぼ酒ケーキ(Schwarzwälder Kirschtorte)にも香りづけで使用されている。※写真はEMIL SCHEIBEL SCHWARZWALD-BRENNEREIの「PREMIUM Kirschwasser 0.7l」
ビール
シュヴァルツビア
Schwarzbier
バイエルン地方が発祥。デュンケルよりもローストする温度が高いため、より香ばしい味わいで、甘みの少ない黒ビール。
ビール
ミュンヘナー
Münchner
ミュンヘンが発祥。濃色麦芽と焙煎の度合いを強めるカラメル麦芽を使用する、コクのある黒ビール。ミュンヘナーデュンケル(Münchner Dunkel)と呼ばれることも。
リキュール
ティフィン(紅茶リキュール)
Tiffin
ミュンヘンのアントン・ライメーシュミット社が製造。紅茶のリキュールは各国で造られているが、最も有名なのが同社によるもの。厳選された茶葉を使用した高品質のリキュールなので、ソーダやミルクで割ったり、お菓子の風味づけにも活用できる。
ビール
ヘレス
Helles
バイエルン州とバーデン=ヴュルテンベルク州で発展したビール。麦芽の風味が爽快感のある味わい。1328年に創業した醸造所、アウグスティーナ・ブロイ (Augustiner Bräu)や海外でも名の知られているレーヴェンブロイ (Löwenbräu:写真右)は、人気の高いメーカーだ。
ビール
デュンケル
Dunkel
ドイツ南部が発祥の褐色のビール。デュンケル(暗い)はシュヴァルツ(黒)よりもシャープですっきりしている。また、苦味とまろやかな味わいのバランスが良いため、黒ビールが苦手な人でも挑戦しやすい。