ジャパンダイジェスト

ドイツ政治の今後を方向付けるドイツ連邦議会選挙に大注目!

連邦議会選挙来る9月22日、ドイツの下院に当たる連邦議会で
4年に一度の選挙が行われる。
現在、この国は選挙戦の真っただ中。
街中いたるところに選挙ポスターが貼られ、
メディアも各党筆頭候補者の一挙手一投足を
連日報道している。
外国人である私たちに選挙権はないが、
日々の生活に関わってくる政策も盛りだくさん。
せっかくの機会なので、この盛り上がりに便乗し、
日本では体感できないこの国の総選挙を楽しみたい。
そこで本特集では、今回の連邦議会選挙を追うに当たって
抑えておくべきポイントを紹介する。
(構成・文:藤田 さおり)

各政党の特色をおさらい

ドイツ語の新聞で、「Schwarz-Gelb(黒と黄色)」や「Rot-Grün(赤と緑)」などと書かれた見出しに驚かれたことはないだろうか? ドイツでは、これらの色は政党を表しており、ドイツ人がその色を聞けば、政党とその主義主張をまざまざと思い描くのだ。まずは、今回の選挙に出馬する主要政党の色を把握し、その特色をおさらいしよう。


CDU / CSD

キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)

設立年
1945年
現在の党首

CDU: アンゲラ・メルケル Angela Merkel
CSU: ホルスト・ゼーホーファー Horst Seehofer 
主要テーマ

キリスト教の考え方を基本とした政党。市場の調整メカニズムと自由な競争を尊重しつつ、不公平が生じた際には政府が介入する「社会的市場経済」を推し進める。財政出動には消極的で、債務を極力減らすことを目標とし、政府主導型ではなく、企業による完全雇用の実現を目指している。CSUはバイエルン州を代表し、CDUがその他の州を代表しているため、バイエルン州では活動せず、一方のCSUはバイエルン州以外では活動していない。CSUはCDUより保守的と言われている。CSUはCDUの姉妹政党であり、連邦議会においては1つの党として政治活動を行っている。

SPD

社会民主党(SPD)

設立年
1863年
現在の党首
ジグマール・ガブリエル Sigmar Gabriel
主要テーマ

ドイツ最古の政党で、ライプツィヒで設立された。現在はCDU・CSUと並ぶ2大政党の1つ。すべての若年労働者に職業訓練の機会または職場を提供すること、学校や託児施設に十分な資金を提供することを約束している。また、ドイツの教育制度ではセカンダリースクール(日本の中学校から高校に当たる)は大学進学を目指すギムナジウム、職業訓練と教養科目の実科学校と職業訓練を中心とする基幹学校に分かれるが、SPDはこれらを統合した総合学校の導入を目標とするほか、家庭と仕事の両立を重視し、仕事によって家庭生活が犠牲になることを防ぐ政策を目指す。

FDP

自由民主党(FDP)

設立年
1948年
現在の党首
フィリップ・レスラー Philipp Rösler
主要テーマ

「自由主義」「寛容主義」を掲げる政党である。同党の見解では、自由主義とは個人の思想の自由および互いの思想を偏見なく尊重し合うことを意味する。また、寛容主義とは、他人に迷惑をかけない限り、個人が望むように生きることである。政府が人々の生活に干渉し過ぎるのは良くないとの考えから、政府が最低限度の政策をとることで、人々により多くの自由を与えることを目指している。最も重視する政策は、人々に職場と職業教育を提供することである。現在は、連立パートナーという立場で与党として国政に参加し、連邦議会のキャスティング・ボードを握る存在。

Bündnis 90 / Die Grünen

同盟90 / 緑の党(Bündnis 90 / Die Grünen) 

設立年
1980年
現在の党首
クラウディア・ロート Claudia Roth
ジェム・エツデミール Cem Özdemir
主要テーマ

政党名が表す通り、自然と環境保護が緑の党の主張である。出身地、肌の色、宗教の違いを問わず、異なった文化的背景を持つ人々が自由に生活、共存できる社会を目指す。ほかの左派の政党との違いは、脱物質主義を掲げていること。比較的若い政党で、1980年代、チェルノブイリ原発事故や大気汚染、酸性雨問題を機に飛躍的に支持者を集めた。東西ドイツ統一後、1993年より旧東独州の政党「Bündnis 90」が加わり、「Bündnis 90/Die Grünen」と呼ばれるように。1998年にはSPDと連立を組み、政権を握るが、2005年に連立相手のSPDの敗退により与党の座を退く。

Die Linke

左派党(Die Linke)

設立年
2007年
現在の党首
カティヤ・キッピング Katja Kipping
ベルント・リークシンガー Bernd Riexinger
主要テーマ

2005年、当時与党だったSPDによる新自由主義的な政策に党内左派が反対し、離党して「労働と社会的公正のための選挙オルタナティブ(WASG)」を結成。07年に左派党を設立した。旧東ドイツの社会主義統一党(SED)の後継政党でもある。社会主義を主張している点で他党と一線を画す。同党が唱える社会主義とは、人々が自由な生活を送り、貧困に陥る人がいない社会を目指す考え方で、平等な職業教育、就職、医療の機会が与えられること、つまり、社会における機会均等を目指している。東西ドイツ統一から20年以上を経た今もなお、旧東ドイツ地域での支持者が多い。

Piratenpartei

海賊党(Piratenpartei)

設立年
2006年
現在の党首
ベルント・シュレーマー Bernd Schlömer
主要テーマ

すべての市民に平等にデジタルインフラを提供すると同時に、デジタル技術によるリスクとチャンスについて教育を施すことを目指す。また、現在の著作権を時代遅れと考え、著作物の無料コピーや無料使用を推進する。プライバシー保護やベーシック・インカムの導入なども公約の一環。若年層の支持者が多い。

AfD

ドイツのための選択肢(AfD)

設立年
2013年
現在の党首
ベルント・ルッケ Bernd Lucke
主要テーマ

最重要テーマはユーロ問題。現在のユーロ危機問題を解決するため、ドイツはユーロ圏から脱退し、ドイツマルクを再導入すべきと主張する。つまり、ユーロ圏の撤廃を意図しているわけではない。一方、欧州の一員としてドイツが共通市場の維持に努めることには賛成だが、欧州委員会への権限委譲には反対。


現在の連邦議会の構成と連立

戦後の西ドイツでは、1970年代までは穏健保守のCDU・CSUか穏健革新のSPDのいずれかがFDPと連立し、政権を握る政治運営が続いていた。1980年代に入り、緑の党が台頭してくると、CDU・CSU+FDP の中道保守連立(黒黄連立)とSPD+緑の党の赤緑連立のいずれか過半数を制した陣営が政権を握った。どちらの陣営も過半数に満たない場合には、例外的にSPD+CDU・CSU という大連立も成立している。一番近い例では、2005~09年。ドイツ発の女性首相が誕生したのはこの大連立政権下だったのだ。  

前回の2009年選挙では、CDU・CSU の得票率が前々回比1.4%減の33.8%、SPDが11%減の23%、FDP が5%増の15.6%、緑の党が2.6%増の10.7%、左派党が3.2%増の11.9%であった。SPDの大幅な得票率低下によって大連立は解消され、09年より黒黄連立が与党となっている。はたして今回の選挙では、どの党が票を伸ばすのか、そしてどのような連立政権が誕生するのか?

前回の2009年連邦議会選挙後の議席配分
うち超過議席:22議席 
第1投票(候補者への票)による当選者数が、第2投票(政党への票)によって決まる比例代表制による割り当て議席を上回った場合、「超過議席」として第1投票による当選者の議席は確保される。
無党派:1議席

出典:www.bundestag.de/bundestag


各政党の筆頭候補と選挙公約

各政党の基本的なテーマや主張はP11で記述した通りだが、実際の政策方針に関わるマニフェスト(選挙公約)では、もう少し現実に即した主張へと変更されている場合が多い。特に政権を握る可能性の高い主要政党では、その傾向が顕著で、具体的な数値を挙げている場合もある。ここで、主な争点を税・財政、エネルギー、家族の3つの政策に絞り、各党の選挙公約を見てみよう。

CDU・CSU

Gemeinsam erfolgreich für Deutschland.
公約タイトル:ドイツために共に成果を

筆頭候補者

アンゲラ・メルケル アンゲラ・メルケル
Angela Merkel

1954年7月17日生まれ、59歳。ドイツ連邦共和国現首相。2000年よりCDU党首、2005年より連邦首相を務める。女性として初のCDU党首であり、首相である。東ベルリンの科学アカデミーで博士号を取得。ベルリンの壁崩壊後、政界へ進出。

税政財政

次期政権期に財政均衡を達成し、債務を国内総生産(GDP)の60%に抑えることを目指す。増減税は行わない。被雇用者の所得の増加が、インフレ率の上昇を補うに足りても、所得税率がインフレ上昇率に合わせて変更されないために生じる「冷たい累進課税」については、その撤廃を検討する。脱税の克服を目指し、国際的な情報交換の改善を促進する。

エネルギー政策

再生可能エネルギーへの転換方針については賛成で、そのための安定した枠組みが必要と考える。同時に、エネルギー価格は競争力を保つものでなければならない。省エネ対策として、2020年までに家庭のエネルギー消費を20%、電力消費量を10%削減する。そのため、省エネ家電や暖房、断熱材などに税制上の優遇措置を講じる。

家族政策

28カ月まで受給可能な「部分両親手当」を導入し、親の育児休暇の取得時期に幅を持たせる。連邦が州に対し、託児所増設のための追加費用として5億8050万ユーロ、運営費として年間7500万ユーロの助成金を支給する。育児中の親がパートタイムからフルタイムの職へ復帰しやすくするため、「祖父母の育児休暇(Großelternzeit)」の導入を検討する。


SPD

Das WIR entscheidet.
公約タイトル:我々が決断すること

筆頭候補者

ペール・シュタインブリュック ペール・シュタインブリュック
Peer Steinbrück

1947年1月10日生まれ、66歳。2005~09年に連邦財務相を務める。それ以前はノルトライン=ヴェストファーレン州の首相であった。政治活動以外の副収入問題が報じられ、それに対する発言で党内部からも批判を受けるなど、話題に尽きない人物。

税政財政

金融市場での無責任な投機が欧州における債務増加を招いたとして、金融取引税など、金融市場に対する厳格な規定を設ける。増税を行い、教育やインフラ への投資を強化する。年10万ユーロ(夫婦の場合は年20万ユーロ以上)の収入に対する所得税率を42%から49%へ引き上げる。資産収入に対する税率を現行の25%から32%にする。

エネルギー政策

エネルギー省を設立する。再生可能エネルギーの価格を抑えるため、電力税引き下げなどによって個人や企業への負担を減らす。このような政策とエネルギー効率を高める技術開発が、今後のエネルギー政策転換の成否の鍵を握ると考える。再生可能エネルギー法(EEG)の改正を行い、オフショア風力発電などへの設備投資を行う。

家族政策

低・中所得世帯の支援策として、月収が3000ユーロまでの子どものいる家庭に対し、現行の月184ユーロの児童手当に加え、月140~324ユーロの追加手当を給付する。夫婦単位課税制度を改正し、夫婦各々に同じ税率で課税する。また、夫婦が仕事のキャリアを犠牲にすることなく、互いに期間限定で就労時間を短縮できる方法を検討する。


同盟90 / 緑の党

Zeit für den grünen Wandel
公約タイトル:緑の転換期

筆頭候補者

同盟90 / 緑の党ユルゲン・トリッティン(右)
Jürgen Trittin
カトリン・ゲーリング=エッカート(左)
Katrin Göring-Eckardt

党内の派閥のバランスを取るため、2人を選出している。トリッティンは1954年7月25日生まれ、59歳。1998~2005年にシュレーダー(SPD)政権下で環境・自然保護・原子力安全相を務めた。大学在学中には、共産主義の連盟に所属していたという左派。ゲーリング=エッカートは、1966年5月3日生まれ、47歳。同じくシュレーダー政権時代に党院内総務を務め、労働市場(ハルツ)改革の実現に向け、党内の調整役を務めた現実主義派。

税政財政

高額所得者に対する増税による社会的公正の実現を掲げる。基礎控除額を現在の8130ユーロから8700ユーロへ引き上げる。所得税の最高税率は、6万ユーロの年収で45%、8万ユーロの年収で49%とする。一方、年6万ユーロ以下の所得層に対しては、負担を軽減する。

エネルギー政策

温室効果ガスの排出量を1990年比で2020年までに40%、50年までに95%削減することを盛り込んだ気候保護法の採択を目指す。2030年までに、すべての電力供給を再生可能エネルギーで賄う。家庭や中堅企業の負担を減らすため、大企業に対する寛大な賦課金の減免措置を見直す。

家族政策

現政府が導入した在宅育児手当を廃止し、親が子どもを託児所に預ける権利や全日制託児施設の拡充を図る。子どものための助成金や税控除措置を包括する「子ども基礎保障」を導入することにより、親の収入額にかかわらず、すべての子どもが国から同等の経済的支援を受けられるような環境を整備する。


左派党

100% SOZIAL
公約タイトル:100% の社会主義

筆頭候補者

100% SOZIALグレゴール・ギジ(左)
Gregor Gysi
ザーラ・ヴァーゲンクネヒト(右)
Sarah Wagenknecht

ギジは1948年1月16日生まれ、65歳。1968年に東ドイツのドイツ社会主義統一党(SED)に入党。東西統一後は同党の流れを汲む民主社会党(PDS)へ。2009年より左派党連邦議会議員団長。ヴァーゲンクネヒトは1969年7月16日生まれ、44歳。PDS党員を経て2007年に左派党入党。現在、左派党副党首兼連邦議会議員副団長。その他、ディートマール・バルチュ(Dietmar Bartsch)やニコール・ゴールケ(Nicole Gohlke)を含む計8人の布陣で挑む。

税政財政

国による富の再分配を促進する。富裕層の金融資産や不動産に対し、5%の財産税を課す。ただし、100万ユーロまでの資産は非課税とする。所得税改革として基礎控除額を9300ユーロに引き上げ、年収6万5000ユーロ以上の場合の所得税率を53%とする。

エネルギー政策

電力供給における再生可能エネルギーの割合を2020年までに50%に引き上げる。温室効果ガスの排出量を1990年比で2020年までに半分に、50年には90%以上削減する。原子力発電所は即時廃止し、石炭・火力発電所も2040年までに完全撤廃する。

家族政策

子どもを貧困から守るため、月536ユーロの「子ども基礎保障」の導入を検討する。第2子までの児童手当を月200ユーロとし、それ以降の子どもに対しても段階的にその額を定める。両親に12カ月(片親の場合は24カ月)の両親手当の請求権を与え、子どもが生後2カ月から満7歳までの間の分割受給も可能とする。


FDP

Damit Deutschland stark bleibt.
公約タイトル:ドイツが強さを維持するために

筆頭候補者

ライナー・ブリューデルレライナー・ブリューデルレ
Rainer Brüderle

1945年6月22日生まれ、68歳。2009~11年に連邦経済・技術相を務める。また、ラインラン ト=プファルツ州FDPの代表を務めたこともある。昨年、シュテルン誌の女性記者に対して性的発言を行っていたことが明らかになった。

税政財政

「課税の制御」を目指す。収入の半分以上が所得税として徴収されないよう基本法を改正する。企業に対しても個人に対しても原則的に増税は行わない。政府の歳入は基本的に資産税、贈与税、相続税のような物質課税に基づくべきではないと考える。旧東ドイツ地域の復興支援のための連帯税を2014年から段階的に減らし、2019年の期限をもって完全撤廃する。

エネルギー政策

エネルギー政策の転換を成功に導く1つの要素である再生可能エネルギーを含むエネルギー市場の再構築のため、EEGの改正を目指す。電力消費量の多い大企業に対する再生可能エネルギー促進のための賦課金の減免措置は、企業が国際競争力を維持するのに必要なものであり、これによって雇用や経済成長が維持される。

家族政策

今年8月より導入された在宅育児手当を改めて見直し、子どもが3歳になるまでの育児に関する質の高い支援案の拡充を検討する。仕事と家庭の両立を容易にするため、フレックスタイム制や在宅勤務を押し進め、フルタイムとパートタイムを企業内で変更しやすくする。両親手当は、特に父親が取得しやすくなるよう、より柔軟化させる。


海賊党

Wir stellen das mal infrage
公約タイトル:我々が問題視すること

筆頭候補者

海賊党州ごとに異なる
連邦レベルでの代表候補は存在せず、 全16州がそれぞれ筆頭候補を挙げている。これは、派閥や「上からの決定」に反対する党方針によるもの。顔ぶれは、IT専門家からエンジニア、学生、心理学者、保育ママまで様々。

税政財政

「課税の制御」を目指す。収入の半分以上が所得税として徴収されないよう基本法を改正する。企業に対しても個人に対しても原則的に増税は行わない。政府の歳入は基本的に資産税、贈与税、相続税のような物質課税に基づくべきではないと考える。旧東ドイツ地域の復興支援のための連帯税を2014年から段階的に減らし、2019年の期限をもって完全撤廃する。

エネルギー政策

エネルギー政策の転換を成功に導く1つの要素である再生可能エネルギーを含むエネルギー市場の再構築のため、EEGの改正を目指す。電力消費量の多い大企業に対する再生可能エネルギー促進のための賦課金の減免措置は、企業が国際競争力を維持するのに必要なものであり、これによって雇用や経済成長が維持される。

家族政策

今年8月より導入された在宅育児手当を改めて見直し、子どもが3歳になるまでの育児に関する質の高い支援案の拡充を検討する。仕事と家庭の両立を容易にするため、フレックスタイム制や在宅勤務を押し進め、フルタイムとパートタイムを企業内で変更しやすくする。両親手当は、特に父親が取得しやすくなるよう、より柔軟化させる。


AfD


筆頭候補者

ベルント・ルッケベルント・ルッケ
Bernd Lucke

1962年8月19日生まれ、50歳。ハンブルク大 学教授で、AfDの共同設立者の1人。ベルリンの壁崩壊後、経済専門家として政府の評議会に参加。後に世界銀行のアドバイザー、ブリティッシュコロ ンビア大学の客員教授を務めた。

税政財政

ドイツは現在、許容範囲を超える債務を負っている。この状況を打破し、財政均衡を維持するため、財政赤字を一定率以下に抑える「債務ブレーキ」を機能させ、債務を削減する。ユーロ救済策のリスクを財政計画に組み込むべきである。税政に関しては、複雑過ぎる現行の租税法の劇的な簡素化を求める。市民は課税の理由と程度を理解する必要がある。

エネルギー政策

支払い可能な電力価格を実現するため、持続可能なエネルギー・コンセプトを 求める。現在の連邦政府による、根拠を欠いた電気料金の値上げは受け入れられない。電気代に賦課金を上乗せする制度を廃止し、再生可能エネルギーの助成には、一般的な税収を充てる。また、どの発電方法が多くの補助金を得ているかを公表する。

家族政策

ユーロ危機が債務超過と金利低下を招き、あらゆる老後の備えが危険にさらされている。現在、ドイツには子どもが少な過ぎるため、年金・健康保険の制度 が根底から揺らいでいる。この国は、子どもと家族に対して優しい国でなければならない。それゆえ、社会の基盤を成す家族に対する支援は、我々の共通の将来への投資であると考える。

参考文献
・各政党のマニフェスト www.bundestagswahl-bw.de
・„ Zur Orientierung Basiswissen Deutschland“ (Hueber 2006)
・小野一 著『現代ドイツ政党政治の変容』 (吉田書店、10.01.2012)

藤田さおり
法政大学経営学部経営学科卒業。ニュルンベルク在住。スイスの日本人向け会報誌にて、PCコラムを執筆中。日本とドイツの文化の橋渡し役を夢見て邁進中。
 
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