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保存版!ドイツの乳製品事典

欧州一の牛乳生産量を誇るドイツは、国民一人当たりの年間平均消費量が、牛乳55.5kg、チーズ24.6kg! 日本の牛乳30.8kg、チーズ2.2kg*と比べても、かなり多い。スーパーマーケットに並ぶ乳製品の種類も豊富で、選ぶのに迷うほど。食べ方を知って、もっと身近な食材に!
(本文:ドイツニュースダイジェスト) *2015年一般社団法人Jミルクより

ドイツのチーズの種類

ハードチーズ
Hartkäse
Emmentaler, Bergkäse, Chester など

Hartkäse

長期保存が効き、コクのある深い味わい。薄切りにして味わうか、すり下ろして料理に使う。熟成期間は3カ月以上。1年以上熟成させるものも多い。低温殺菌牛乳から作るチーズは、より早く熟成し、マイルドな味になる。水分は少なく、脂肪分は45~50%。

スライスチーズ
Schnittkäse
Schnittkäse Gouda, Edamer, Tilsiter, Wilstermarsch など

柔軟性があり、薄くスライスするのに向いている。脂肪分は20~50%。最低でも5週間は熟成させる。棒状、球状、ブロック状など形も様々。乾燥を防ぐためにワックスなどのコーティング材で覆われているものもあり、食べる際に取り除く。

セミハードチーズ
Halbfester Schnittkäse
Halbfester Schnittkäse Steinbuscher, Edelpilzkäse, Butterkäse, Weißlacker など

シュニットケーゼよりも柔らかい。脂肪分は30~60%。羊、山羊の乳から作るフェタチーズは、ギリシャ産のものだけが「フェタ」と名乗ることができ、ドイツでは同じ製法のチーズをSchafskäse、Balkankäse、Hirtenkäseなどの名称で販売されている。

ソフトチーズ
Weichkäse
WeichkäseCamembert, Brie, Romadur, Limburger, Münsterkäse など

ヴァイヒケーゼは、カマンベールのように皮を白カビで覆い熟成させたものと、表面が黄色~赤茶色で湿っているリンブルガーなど、大きく2種類に分類される。20~60%の脂肪分で、中身はクリーミーで柔らかい。最低でも4週間熟成させる。

フレッシュチーズ
Frischkäse
Frischkäse Quark, Schichtkäse, Rahmfrischkäse, Doppelrahmfrischkäse など

熟成させず、牛乳を凝固、脱水したもの。水分が多く、保存期間は短い。ハーブ入りなどバリエーションが豊富。ドイツの食卓でお馴染みのクワルクは、軽く酸味があり、口当たり滑らか。無脂肪、ハーブ・調味料入りなど、クワルクも様々な商品が開発されている。

乳酸チーズ
Sauermilchkäse
SauermilchkäseMainzer Käse, Handkäse, Harzer Käse, Kochkäse, Olmützer Quargel など

無脂肪牛乳を乳酸によって凝固させて作る。脂肪分が10%以下と少ない。熟成方法は、二種類。一つは、特定の菌を振りかけることによって熟成を進める赤~黄色のマイルドな味のチーズ。ただし匂いは強い。もう一つはカビを植え付けて熟成させたもの。

ドイツの地方名産のチーズ

Harzer Käse
ハルツァー・チーズ

Harzer Käse ハルツァー・チーズ無脂肪クワルクで作られ、脂肪分は約1%。低カロリーで良質なタンパク質を取ることができる。バランスの良い健康食品としても知られており、カルシウムやビタミンBも豊富。そのまま食べても、もちろん良いが、独特の匂いが苦手な人は、酢とオイル、様々なスパイスを加えたマリネ液で数日間漬けておく。

Holsteiner Tilsiter
Holsteiner Tilsiter ティルジットチーズ ティルジットチーズ

ドイツで最も人気のあるチーズの一つが、ティルジットチーズ。名前の由来は東プロイセンの都市名で、「ホルシュタイナー・ティルジットチーズ」は、2013年にEUの原産地呼称保護を認められた。特長的な小さい穴が空いていて、色は明るい黄色。弾力性のある食感でマイルドな味。非常に香りが良いチーズ。熟成期間は5週間以上。

Frankfurter Handkäse
Frankfurter Handkäse フランクフルター・ハンドチーズ フランクフルター・ハンドチーズ

フランクフルトをはじめとするヘッセン州の名物。食べ方は厚くスライスしたチーズにマリネ(タマネギのみじん切り、酢、油、砂糖、塩、コショウとクミンを入れた液)をかける「Handkäse mit Musik(ハンドチーズと音楽)」。「音楽」とは、おならのこと。当地名産のリンゴワインとの相性は抜群で、辛口の白ワインとも合う。

Altenburger Ziegenkäse
アルテンブルガー・シェーブルチーズ アルテンブルガー・シェーブルチーズ

1897年からアルテンブルクの酪農場で作られている伝統的なレシピ。旧東ドイツのチーズとして知られている。牛乳85%と少なくとも15%のヤギのミルクを使用し、クミンで味付けされている。EUの原産地呼称保護を認められており、厳格な条件のもと、決められた地域で育った牛とヤギのミルクで生産される。

Bayerischer Blauschimmelkäse バイエルン産ブルーチーズ Bayerischer
Blauschimmelkäse
バイエルン産ブルーチーズ

ブルーチーズは、ペニシリウム・ロックフォルティという青カビで熟成されるソフトチーズ。バイエルンのブルーチーズは朝食に食べることが多いが、グラタンなど温かい料理にも適していて、ソースにも使う。ドイツのブルーチーズ系では、「カマンベール」と「ゴルゴンゾーラ」を組み合わせて作った「カンボゾーラ」も人気。

オーデンヴァルダー・朝食チーズ Odenwälder
Frühstückskäse
オーデンヴァルダー・朝食チーズ

1997年にEU原産地呼称保護に認定され、ヘッセン州オーデンヴァルトでのみ生産されているこのチーズは、手で成形されているのでオーデンヴァルト・ハンドチーズとも呼ばれる。ほかのハンドチーズは乳酸チーズに分類されるが、これはソフトチーズ。ワインチーズやカマンベールと似ているが、香りはひかえめで朝食にぴったり。

オバツタ Obatzter
オバツタ

バイエルン名物のオバツタは、カマンベールチーズとパプリカ粉で作るクリームチーズ。「混ぜて柔らかくしたもの」という意味で、ハーブと玉ねぎも加えてチーズと混ぜ合せる。ブレッツェルに塗って、ビールと一緒に食べるビアホールの定番。完成品をスーパーでも買えるが、自分のお気に入りのレシピを考案するのも楽しい。

ニーハイマー・チーズ Nieheimer Käse
ニーハイマー・チーズ

家の酪農場19世紀初頭に作られたこのチーズはニーハイムで生産されているサワーミルクチーズで、伝統的なレシピで作られている。その味は、クミンの味が効いていて、酸味があり、スパイシーな風味が人気。前菜としても出される。重さは35gで数週間はもつ。

Allgäuer Sennalpkäse
アルゴイ産ゼンアルプチーズ

アルゴイ産ゼンアルプチーズ

EU原産地呼称保護を、2016年に認められたばかり! アルゴイ・ゼンアルプチーズは、東アルゴイとオーバーアルゴイ、リンダウの標高800メートルの地域で作られている。「ゼンアルプ」とは、牧草地のこと。夏の間、牧草や香草など自然の恵みをたっぷりと食み、歩き回った健康なアルゴイ牛の上質な生乳が原料となる。

Allgäuer Bergkäse
アルゴイ産ベルクチーズ アルゴイ産ベルクチーズ

1997年にEUの原産地呼称保護を受け、「ベルク(山)」という名の通り、アルゴイ・アルプスの麓でのみ作ることが許されるハードチーズ。南バイエルンのアルプスの麓に位置するアルゴイは、薄茶色の毛のアルゴイ牛とともに古くから酪農が発展。「アルゴイ・チーズ街道」でヘルシーなチーズの旅も楽しめる。

Allgäuer Emmentaler
Allgäuer Emmentaler アルゴイ産エメンタール アルゴイ産エメンタール

「チーズの王様」とも呼ばれるエメンタール。EUの原産地呼称保護を受けているアルゴイのエメンタールは、良質な生乳が原料。美しい黄金色で均一に穴があり、独特なナッツの香りがする。形状に決まりはなく、正方形や長方形のチーズも。夏にはビアガーデンでプレッツェルと一緒に食べる光景がみられる。おやつにも人気。

Weinkäse
ワインチーズ ワインチーズ

ソフトチーズのロマドゥールに似ているが、ワインチーズの方がよりマイルドな味わい。熟成期間は8~14日でオレンジ色の皮に覆われている。サラダとして食べることも多く、薄い輪切りにした玉ネギ、短冊状に細く切ったパプリカを薄く切ったチーズに載せて、ビネグレットソース(酢、塩、コショウ、油)をかけて食べる。

ドイツの牛乳

  • Vollmilch
    全乳

    脂肪含有量が3.5%以上

  • Fettarme Milch
    低脂肪乳

    脂肪含有量が1.8〜1.5%

  • Magermilch
    無脂肪乳

    脂肪含有量が0.5%以下


殺菌法によって異なる保存方法

Traditionelle Frischmilch

高温短時間殺菌法
Traditionelle Frischmilch

表示:traditionell hergestellt / pasteurisiert
殺菌:72~75度 / 15~30秒

生乳のビタミンなどの栄養素は若干失われるが90~95%は保たれる。保存は冷蔵庫内で。開封前は約10日間保存が可能。開封後は3日以内に消費しよう。

ESL-Milch

品質期限の延長殺菌法
ESL-Milch

表示:länger haltbar / extra frisch / maxifrisch
殺菌:85~127度 / 1〜 3秒

高温短時間殺菌法と同様、生乳のビタミンは90~95%保たれる。冷蔵庫内で開封前は12~21日保存が可能。開封後は3日以内に消費しよう。

Haltbare Milch, H-Milch

超高温滅菌殺菌法
Haltbare Milch, H-Milch

表示:ultrahocherhitzt / UHT-Milch
殺菌:135~150度 / 1~2秒

ビタミンB1やB2が失われやすいが、生乳の栄養素は約80%保たれる。開封前は約6カ月間常温で保存が可能。ただし開封後は、3日以内に消費。

発酵乳製品 Sauermilchprodukte

Joghurt
Joghurt ヨーグルト ヨーグルト

原料乳に乳酸菌を加えて38~42度で発酵させたもの。腸内環境を良好に保つ役割を果たす。ドイツでは脂肪分でヨーグルト(3.5%以上)、低脂肪ヨーグルト(1.5~1.8%)、無脂肪乳から作られたヨーグルト(0.3%以下)、クリームヨーグルト(10%以下)と分類。一人当たり年間約17kgを消費している。

Buttermilch
バターミルク バターミルク

バターの生産の過程で、クリームを分離するときに出る低脂肪液体がバターミルク。発酵乳飲料として親しまれており、脂肪分は最大1%。タンパク質やカルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などを多く含む。バターミルクは香りが良く、パンケーキやケーキに使うと、しっとりして軽やかな味になる。

Kefir
ケフィア ケフィア

ケフィアは、牛乳にケフィア菌を加えたもの。ケフィア菌には乳酸菌と複数の酵母が入っていて、共生発酵する。発酵時にアルコールと炭酸が発生し、0.3~2%以下のアルコール分を含む。酸味が強いので、砂糖やハチミツを加えても。良質なタンパク質、ビタミンA、D、ビタミンB群、葉酸が多く含まれている。

Dickmilch
ディックミルク ディックミルク

低温殺菌牛乳から作られる発酵乳製品。北欧諸国で愛飲され、スウェーデンのミルクとしても知られている。脂肪分は1.5~3.5%と高めの「Dick(濃い)」ミルクで、ドロッとしている。カルシウムやビタミン、タンパク質が豊富。特に、カルシウムを多く含む。お菓子に使うこともある。

サワークリーム Sauerrahmprodukte

Schmand
シュマント Schmand
シュマント

サワークリーム(Saure Sahne)はクリームに乳酸菌を添加し、とろみが増したクリーム。サワークリームとシュマントの違いは、脂肪分。サワークリームの10%に対し、シュマントは20~29%と高脂肪。

Crème fraîche
クレーム・フレッシュ Crème fraîche
クレーム・フレッシュ

クレーム・フレッシュは、高脂肪(少なくとも30%)のサワークリームで、ソースを作るのに適している。メーカーによってハーブや玉ネギ、ニンニク入りのものも売られている。クレーム・レジェール(Crème légère)は脂肪分を低くしたもの。

クリーム Süßrahmprodukte

Kaffeesahne
コーヒークリーマー Kaffeesahne
コーヒークリーマー

名前の通り、コーヒーや紅茶に合うクリーム。脂肪分は、10、12、15%とあるが、低脂肪なので温度の変化に強く、熱いコーヒーに入れてもよくなじむ。料理に使われることも多い。写真は、ラクトース(乳糖)フリーの商品。

Schlagsahne
ホイップクリーム Schlagsahne
ホイップクリーム

ホイップクリームはザーネ(Sahne)、またはラーム(Rahm)。脂肪分は30%以上。ケーキにデコレーションする場合は36%が理想的で、粉末のザーネフェスト(Sahnefest)を混ぜてクリームを固める。クレーム・ダブル(Crème double)は脂肪分40%以上。

 
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