お肉が多くなりがちなドイツでの食生活だからこそ、付け合せに、サラダに、そしてメイン料理にも彩り豊かな野菜をプラスすることが大切。日本とは少し種類が異なる、ドイツだからこそ味わえる野菜の旬、調理法や活用アイデアを知り、今までよりも健康的な食卓を目指そう。
(編集部:栗原ちひろ)
ドイツの最新「野菜トレンド」
参考:Deutsches Obst und Gemuese「7 verführerische Food-Trends 2017 mit Obst und Gemüse aus Deutschland」
1瓶で簡単、発酵野菜
Fermentiertes Gemüse
ザワークラウトを中心に発酵野菜(Fermentiertes Gemüse)が豊富なドイツでは手作り発酵野菜が人気。作り方は刻んだ野菜(キャベツとにんじんがおすすめ)を瓶の中で塩漬けにして4~6週間待つだけ。乳酸菌が腸内環境を整えてくれる優れもの。
2カリフラワーに再注目!
Blumenkohl
「新たなケール」として注目されているのがカリフラワー(Blumenkohl)。旬は4月~11月。野菜炒めなどにしてしょうゆでソテーしたり、シチューなど煮込み料理、パスタの具材にしても◎。クセがなく、どんな料理にも合わせやすいのがうれしい。
3ヘルシー丼「ブッダボウル」
Buddha Bowles
深めのどんぶりに好みの雑穀・野菜・豆類にドレッシングを加えるだけのヘルシー丼。冷たい野菜のみでは身体を冷やしてしまうので、茹でた豆腐や豆(Bohnen)、ホクホクに炊いたキヌア、炒めたピーナッツなど温かい食材をプラスするのがマスト。
4スムージーは引き続き流行中
Smoothies
簡単に作れて、新鮮な野菜がたくさん摂取できるスムージーのブームは継続中。5月中旬~7月頃にかけて旬の時期を迎えるベリー(-beere)系やチェリー(Kirsch)などのフルーツをプラスすれば、より飲みやすいテイストに。
野菜の分類
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果菜類
果実の部分を食す野菜。代表的なものはなすやトマト、ズッキーニなど。比較的栽培期間が短く、実が小さい状態で食すピーマンやさやえんどう、スイートコーンもこの分類。 葉茎菜類
葉や花、茎の部分を食す野菜。代表的なものには玉ねぎやほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、にんにくなど。結球しているキャベツやレタス、白菜もこの分類。根菜類
地下部より収穫した根や茎を食べる野菜。最も代表的なじゃがいもを始め、にんじんやカブ、さつまいも、ドイツでもたまに見かける大根などがこの分類に含まれる。菌茸類
きのこ類全般。ドイツでよく見かけるマッシュルームやアンズタケ、エリンギのような形のクロイターザイトリング、スーパーで時々見かけるしいたけ(Shitake)などがある。
ドイツの珍しい野菜と活用法
スーパーでよく見かけるけど、どうやって調理すれば良いのかいまいち分からない珍しい野菜。その活用法はさまざま。調理方法を知り、新しいレシピに加えてみて。
アーティチョーク Artischocke
ピザのトッピングやパスタの具材として利用されることが多いアーティチョークは、ほくほくとした食感と、ほんのりとした甘さが特徴。ツナやマヨネーズとの相性が良い。また、フードプロセッサーでペースト状にしてソースとして使うのも◎。基本的な下処理としては、ガクの先端をはさみで切り落とし、柔らかくなるまで煮たら、ガクの付け根を一枚一枚剥がしていく。初心者の方は既に下処理されている瓶詰めを活用するのもおすすめ。
フェンネル Fenchel
豊かな芳香を持ち、株・葉・茎・種すべてが使えるフェンネルは、魚との相性が抜群。特にスパイスの効いたフェンネルシードは香り付けに使用するのに最適かつ、ハーブティーに使われることも。株の部分はみじん切りにしてサラダにミックスしたり、ローストしてパスタと絡めても美味。また、葉の部分を刻んでオリーブオイルに浸し、それをフェンネルの株の部分に刷り込んでオーブンで焼くのも◎。一般的には地中海料理と相性が良いと言われている。
白アスパラガス Spargel weiß
春季限定で市場に出回る白アスパラガスは高級な野菜。茹でたシュパーゲルにオランデソースをかけていただくスタイルが最もポピュラーだが、クリーミーなスープにしたりオーブンで焼くなどアイデア次第でアレンジも楽しめる。
ロマネスコ Romanesco
カリフラワーの一種であるロマネスコは、ブロッコリーのように房を切り取って食べるのが一般的。パスタの具材やグラタン、お肉料理の付け合わせに彩りを添えるなど、実はさまざまな料理に合わせやすい万能な野菜。
黄色いズッキーニ Gelbe Zucchini
黄色いズッキーニは緑色のズッキーニに比べ、青臭さを感じさせないので、生食としてサラダや野菜スティックとしていただくのがおすすめ。また、ほんのりとした甘さを感じられるので、マイルドな味わいのカレーとも相性が良い。
チコリー Chicorée
甘さの中にほんのりとした苦味を感じるチコリーは、生のままサラダに入れて食べたり、葉を一枚ずつちぎって魚介のマリネを乗せてオードブルに使うのがポピュラー。また、天ぷらにしてもさっぱりとした風味が楽しめる。
コールラビ Kohlrabi
カブのような丸い実から多方向に茎が飛び出している姿がインパクト大なコールラビは、葉(茎部分)を切り落とし、皮を剥いで中の白い部分を使用する。シチューやスープなど煮る調理に用いたり、グラタンにしても美味しい。
Kohl(キャベツ)の種類いろいろ
ドイツにはキャベツに白菜、ケール、芽キャベツなど、さまざまなKohl(コール)の種類がある。特にキャベツの種類は用途によって変わってくるので選ぶ際は要注意!
白キャベツ
Weiβkohl
一般的にザワークラウト用として使われるキャベツのため、結球内に葉が隙間なくぎっしりと詰まっている。硬くて切るのが困難なため、通常の調理には向かないタイプ。
赤キャベツ
Rotkohl
一般的にはザワークラウトとして食べられることが多いため、白キャベツ同様、葉が詰まっているタイプ。味わいは白キャベツに比べて、強い風味が感じられる。
円すい形キャベツ
Spitzkohl
円すい状の尖がった形。結球内の葉は程良く詰まっているため、日本のキャベツの食感に最も近い。キャベツの千切りやお好み焼きなど日本食との相性が良いのはこのタイプ。
ケール
Grünkohl
日本では青汁でおなじみのケールは、冬になると生でスーパーに出回ることも。特に北ドイツでは冬季の定番としてお肉料理の付け合せに登場することが多い。
白菜
Chinakohl
ドイツ語で「中国キャベツ」の意味を持つ白菜は、ドイツのスーパーでも定番の野菜。日本の白菜とほとんど変わらない味わい。
楕円形キャベツ
Weiβkohl Urtyp
見た目は日本のキャベツそっくり。円すい形のシュピッツコールよりも少し硬く、歯ごたえがあるタイプ。円すい形キャベツの代用としても活用可。
芽キャベツ
Rosenkohl
バラのつぼみのような小さなサイズの芽キャベツ。茹でたり焼いたりして、ソーセージなど肉類の付け合せにしたり、ポトフなどのスープに入れても美味しい。
料理に大活躍の加工野菜
ザワークラウト
Sauerkraut
食物繊維とビタミンがたっぷりのザワークラウト。付け合せにはもちろん、コールスローにするも良し、ギリシャ風ソース「ザジキ」や豆類と一緒にサラダにしても程良い酸味が引き出されて美味しい。
ドライトマト
Getrocknete-Tomaten
トマトの酸味と甘みが凝縮されたドライトマトはスーパーマーケットで手軽に購入できる。ピザのトッピングやキッシュ、グラタンの具材として、また、タパスのようにお酒のおつまみとしても活躍してくれる優れもの。
ジルバーツヴィーベルン
Silberzwiebeln
小さなサイズの玉ねぎは、その見た目も味わいも日本のらっきょうに似ているので、カレーライスのお供に大活躍してくれる。また、じゃがいもやベーコンと一緒にオーブン焼きにしても美味しくいただける。