各都市の魅力を発見!
16州からなる
ドイツの多様性・地方性
16の個性豊かな州からなるドイツ。連邦制を採っており、州によって法律や祝日が異なるほか、その地域の言語や文化、食などにもそれぞれ個性がある。そんなドイツの多様性はどのように生まれたのか、その歴史を通して解説する。さらに今日、各地域にはどのような特色があるのかについて、ランキングや方言、現地在住者のコメントなどを通して一挙ご紹介する。
(文:ドイツニュースダイジェスト編集部)
なぜ各州でこんなに違う? ドイツの多様性を育んだ地域主権の歴史
そもそも連邦制って?
連邦制とは、二つ以上の州が一つの主権の下に集まって形成される国家のこと。ドイツは16の自治権を持つ州によって構成されており、各州の主権が尊重され、共通の利害に関わる外交政策などを中央政府が担当することになっている。なかでも教育制度、文化政策、地方自治制度、警察制度などは州が立法権を持つ。州ごとに法律や祝日が異なるのはこのためだ。
ロンドンやパリ、東京のように、首都に政治や文化が集中しているのとは異なり、ドイツではベルリンをはじめ、ハンブルクやミュンヘン、ケルンなど、各地方に大都市が散らばっている。またハイデルベルクやフライブルクのような中小規模の都市が、大学都市や環境都市として世界から注目を集めるなど、連邦制はドイツ文化の多様性を後押ししているといえるだろう。
もちろんメリットがあればデメリットもある。連邦制のメリットは、行政区分が小さいため、市民の声を反映した小回りの利く政治を実施できること。政治的な決断や文化的な側面が一辺倒に傾かず、各州が独自の意見を持ち、個性的な文化を生み出せる。デメリットとしては、州間で格差が発生することや、その調整に時間やコストがかかること。例えば、アビトゥア(大学入学資格取得試験)の難易度に州間で差があることが長年問題視されてきた。また近年のコロナ禍対策では、学校や店舗などを開くかどうか、夜間外出禁止令を出すかどうかなど、各州によってルールが異なるため混乱を招くこととなった。
ドイツ16州のエンブレムと、ドイツ連邦共和国の国章(3段目一番左)。
ナチス時代の反省から守られる「分権主義」
このような連邦制の背景には、ドイツでは「領邦国家」と呼ばれる細かい国々が割拠していた歴史がある。かつての神聖ローマ帝国は、バイエルン公国、ザクセン公国、プファルツ選帝侯領など多数の領邦国家で構成されており、14世紀半ごろにはその数は約300もあったとされる。その後ナポレオンのドイツ侵攻に伴い、領邦国家の数は10分の1程度に整理統合された。
17世紀以降、フランスでは中央集権国家体制が築かれ、やがてフランス革命によって共和国が打ち立てられる。一方のドイツは三十年戦争によって国土が荒廃し、近代化に遅れをとった。1871年に成立したドイツ帝国でも、22の領邦国家と三つの自由市による連邦制を採用。各領邦国家は、独自の政府、財源、そして立法権と行政権を持ち、高い自立性を保持していた。しかし第一次世界大戦に敗北したドイツでは、各領邦国家による文化助成の廃止や、ハイパーインフレなどによって、次第に中央政府によるコントロールを求める声が大きくなっていく。こうして1933年以降、ナチス政権による中央集権的な単一国家が作り上げられてしまった。
第二次世界大戦後、西ドイツはナチス時代の反省から、再びかつての分権主義的な構造に戻ることになった。連邦制は、権力の一方的な集中を防ぐのに役立つと考えられたのだ。特に文化政策と教育政策の分野では、ナチス時代と東西分断時代の旧東ドイツを除いて、ドイツでは分権主義が貫かれてきた。地域主権の国だからこそ育った多様な文化は、かけがえのないものとして受け継がれている。
参考文献:Max-Planck-Gesellschaft「Der Föderalismus im politischen System der Bundesrepublik Deutschland」、Bundeszentrale für politische Bildung「Föderalismus in Deutschland」、藤野一夫編著『地域主権の国 ドイツの文化政策』(美学出版)、ドイツ連邦共和国大使館「ドイツ連邦共和国概略」
各地方の魅力、新発見!
16の州からなるドイツ。その特徴は東西南北それぞれ個性豊か。 そんな各地の基本情報や名物料理、特有の言葉を紹介しよう。
ドイツ北部
国内で唯一海に面している北部。エルプフィルハーモニーが完成したばかりのハンブルクや、バルト海に面したキール、数多くの淡水湖に囲まれたシュヴェリーン、ハノーファーメッセなど世界的にも有名な見本市が開催されるハノーファー、ロマンチック街道の終点でグリム童話「ブレーメンの音楽隊」でおなじみのブレーメンが州都となる五つの州からなる。アンゲラ・メルケル首相(ハンブルク)やシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルド(ハンブルク)などの出身地。郷土料理には、船乗りが生み出した塩漬け肉にニシンの酢漬けや赤ビーツ、ピクルスを添えたラプスカウス(Labskaus)や、ケール煮込みとピンケルソーセージをはじめ、うなぎの燻製やスープ、カレイのムニエルなど魚メインの料理も多い。
ハンブルクのシンボルの一つであるエルプフィルハーモニー
デンマークに近いキールの街並みは、 北欧を思わせる
北部に属する州
- ❶ シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州(州都:キール)
Schleswig-Holstein(Kiel) - ❷ 自由ハンザ都市ハンブルク(州都:ハンブルク)
Freie und Hansestadt Hamburg(Hamburg) - ❸ メクレンブルク=フォアポンメルン州(州都:シュヴェリーン)
Mecklenburg-Vorpommern(Schwerin) - ❹ ニーダーザクセン州(州都:ハノーファー)
Niedersachsen(Hannover) - ❺ 自由ハンザ都市ブレーメン(州都:ブレーメン)
Freie Hansestadt Bremen(Bremen)
出身者・暮らしている人のコメント
- ハンブルクは国際色豊かで、友好的な人が多いと感じます。倉庫街にあるミニチュアワンダーランドは、友人がハンブルクを訪れた際に必ず連れて行きます。(ハンブルク出身者)
- ドイツの真ん中にあるハノーファーは、ドイツ鉄道の乗り継ぎ場所のイメージが強いかもしれませんが、オペラハウスや美術館などの文化施設が充実しています。緑豊かで住みやすい街です。(ハノーファー在住者)
ドイツ北部の方言
- Moin(=Guten Morgen, Guten Tag)
おはよう、こんにちは(ハンブルク)
※あいさつ全般で使われる言葉。親しい人にはMoin moinと2回続けて言うことも - Schipp(=Schiff) 船(北部)
- Klönschnack(=formlose Unterhaltung) 心地良い会話(ハンブルク)
ドイツ西部
欧州のほぼ中心に位置するドイツ西部は、多くの日本人が暮らすデュッセルドルフ、フランクフルトに近接し、豊かなワインの地としても知られるヴィースバーデン、活字印刷技術が生まれたマインツ、世界で初めて登録された産業遺産、フェルクリンゲン製鉄所が近郊にあるザールブリュッケンが州都となる四つの州からなる。作曲家のベートーヴェン(ボン)、グリム童話の生みの親であるグリム兄弟(ハーナウ)、詩人のゲーテ(フランクフルト・アム・マイン)、哲学者で経済学者であったカール・マルクス(トリアー)が生まれたのもこの地。フラムクーヘン(Flammkuchen)、玉ねぎケーキ(Zwiebelkuchen)、グリーンソースじゃがいもとゆで卵添え(Grüne Sauce)などが、この地域の有名な郷土料理。
欧州金融機関の中心地であるフランクフルトには高層ビルが立ち並ぶ
白ワインの有名な産地であるライン川沿いの地域は、雄大な景色が魅力
西部に属する州
- ⓫ ノルトライン=ヴェストファーレン州(州都:デュッセルドルフ)
Nordrhein-Westfalen(Düsseldorf) - ⓬ ヘッセン州(州都:ヴィースバーデン)
Hessen(Wiesbaden) - ⓭ ラインラント=プファルツ州(州都:マインツ)
Rheinland-Pfalz(Mainz) - ⓮ ザールラント州(州都:ザールブリュッケン)
Saarland(Saarbrücken)
出身者・暮らしている人のコメント
- ヴィースバーデンは、歴史的な建物が普通の生活の中に違和感なく溶け込んでいる街です。街全体が博物館のようで、そこにいるだけで優雅な気分に浸れるのはもちろんですが、細かく見ていくとさらに味が出てきます。(ヴィースバーデン在住者)
- 経済だけでなくアートの街でもあるので、アート関係のイベントが豊富。ライン川流域は気さくな人柄の人が多いといわれますが、デュッセルドルファーも例外ではありません。「リトルトーキョー」とは名ばかりではなく、日本文化に興味のある人が多いとも感じます。(デュッセルドルフ在住者)
ドイツ西部の方言
- Et kütt wie et kütt!(=Es kommt wie es kommt)
なるようになるさ!(ケルン) - Morsche(=Guten Morgen)
おはよう(フランクフルト) - Handkäse mit Musik(=Handkäse)
ハンドケーゼ(フランクフルト)
※チーズと玉ねぎの愛称がマッチして音楽を奏でているようなイメージから
ドイツ東部
インターナショナルで、多くのアーティストが暮らす刺激的な街であるベルリンを中心に、ポツダム宣言の地であるポツダム、中世の要塞都市として発展したマクデブルク、エルベ川のフィレンツェと呼ばれる美しい古都ドレスデン、宗教改革を行ったマルティン・ルターが通ったエアフルト大学を要するエアフルトが州都となる五つの州からなる東部。画家のゲルハルト・リヒター(ドレスデン)や写真家のアンドレアス・グルスキー(ライプツィヒ)、画家のオットー・ディクス(ゲーラ)など名だたるドイツの芸術家が生まれたのもこの地方。ベルリン発祥のソウルフード、カリーブルスト(Currywurst)をはじめ、ベルリン風仔牛のレバー焼き( Kalbsleber, Berliner Art)、アイスバイン(Eisbein)、アイアーシェッ(Eierschecke)などの郷土料理がある。
ドイツの首都、ベルリンのシンボル、ブラ ンデンブルク門
エルベ川沿いの情緒溢れる街並みが美しいドレスデン
東部に属する州
- ❻ ベルリン(州都:ベルリン)
Berlin(Berlin) - ❼ ブランデンブルク州(州都:ポツダム)
Brandenburg(Potsdam) - ❽ ザクセン= アンハルト州(州都:マクデブルク)
Sachsen-Anhalt(Magdeburg) - ❾ ザクセン自由州(州都:ドレスデン)
Freistaat Sachsen(Dresden) - ❿ テューリンゲン自由州(州都:エアフルト)
Freistaat Thüringen(Erfurt)
出身者・暮らしている人のコメント
- ドイツの中でもとりわけ起伏に富んだ歴史を歩んできた街だけに、そこに住む人もある種肝が据わっているというのでしょうか。自分が体験したことを、大げさな身振りをしながらではなく、独特のユーモアと皮肉を交えて語るのがベルリーナーらしいなと思います。(ベルリン在住者)
- バッハやゲーテなど、名だたる芸術家が活躍した歴史ある街ですが、一方で若い人が多く豊かなカルチャーが魅力です。中心部にあるニコライ教会は、ベルリンの壁崩壊へとつながる平和革命の始まりの場所として知られます。(ライプツィヒ在住者)
ドイツ東部の方言
- Icke(=Ich)
私(ベルリン) - kiek'n, Kieka(=gucken)
見る、のぞく(ベルリン) - No(=Ja)
はい(ドレスデン)
※肯定の返事「ヤー」は「ノ」と返ってくる。決して「いいえ」ではないので要注意!
ドイツ南部
毎年恒例のビールの祭典「オクトーバーフェスト」の開催地で、サッカーの強豪FC バイエルン・ミュンヘンの本拠地であるミュンヘン、メルセデス・ベンツやポルシェなどの自動車大手の本社が置かれており、世界最大のクリスマスマーケットが行われるシュトゥットガルトが州都の二つの州からなる南部。物理学者で相対性理論を発表したアルベルト・アインシュタイン(ウルム)や、サッカー選手のトーマス・ミュラー(ヴァイルハイム)、自動車部品メーカー、ロバート・ボッシュの創設者であり発明家のロバート・ボッシュ(シュトゥットガルト)などがこの地方の出身。白ソーセージ(Weißwurst)やニュルンベルクソーセージ(Nürnberger Bratwurst)、シュバイネハクセ(Schweinshaxe)などの郷土料理がよく知られている。
世界最大のビール祭り、ミュンヘンの「オクトーバーフェスト」
シュトゥットガルトの街のシンボルでもある宮殿広場
南部に属する州
- ⓯ バーデン=ヴュルテンベルク州(州都:シュトゥットガルト)
Baden-Württemberg(Stuttgart) - ⓰ バイエルン自由州(州都:ミュンヘン)
Freistaat Bayern(München)
観光名所の一つであるノイシュバンシュタイン城
世界一有名なニュルンベルクのクリスマスマーケット
出身者・暮らしている人のコメント
- ヴュルテンベルク王国の名残として、美しい宮殿の数々がみられます。メルセデス・ベンツ博物館やポルシェ博物館などは、車好きなら一度は訪れたい場所。(シュトゥットガルト出身者)
- 優良企業が多く経済的に豊かな都市であるため、街は清潔で景観も美しいです。週末は予定がなければアルプスへ、というくらいハイキングが根付いており、ミュンヘンから1~2時間でドイツアルプスの美しい景色を見れるのも魅力。旧バイエルン王国の誇りを持つ市民が多い一方で、ほかの地域のドイツ人は馴染むのに苦労することも。(ミュンヘン在住者)
ドイツ南部の方言
- Pfiat di(=Tschüs)
またね(ミュンヘン近郊の町) - Gaud(i =Spaß, Vergnügen)
楽しみ!(ミュンヘン近郊の町) - Semmel(=Brötchen)
丸い小型のパン(ミュンヘン)
方言に見るドイツの多様性
ドイツには東西南北だけでは分けることができない、その地域特有の方言や言葉が存在している。ドイツ語標準語を「Hochdeutsch」と呼び、最も「Hochdeutsch」に近い言葉を話すのがニーダーザクセン州だといわれている。この標準語は、宗教改革者のマルティン・ルターの活動により、1500年代に完成した聖書の翻訳やドイツ語文法書・辞書、主にテレビで使われている舞台ドイツ語などに使用されるようになり、17世紀半ば頃から全国に浸透していったそうだ。
また、それぞれの地方の特徴としては、南部バイエルン州のミュンヘンなど大都市では標準語が使われることが一般的だが、南下するにつれ、訛りは強くなる傾向にある。西部にはケルンやヘッセン、東部ならベルリン、北部なら低ザクセン語などそれぞれ独特な訛りや方言を持っており、ドイツのテレビ番組(特に街頭インタビュー)では、公用語であるにも関わらず字幕が付けられることもしばしば。ドイツではそれぞれ皆が自分が暮らす地域の方言に誇りを持っていることも特徴だ。
ドイツのさまざまなNo.1都市は?ドイツなんでもランキング
各地方で異なる魅力を持つドイツ。人気観光地をはじめ、LGBTQフレンドリーな都市など、さまざまな角度からドイツのNo.1を調査。
人口が多い都市
- 1位 ベルリン 366万4088
- 2位 ハンブルク 185万2478
- 3位 ミュンヘン(バイエルン州) 148万8202
- 4位 ケルン(ノルトライン=ヴェストファーレン州) 108万3498
- 5位 フランクフルト(ヘッセン州) 76万4104
出典:Handelsblatt「Die größten Städte Deutschlands nach Einwohnerzahl 2024」
若者の憧れの地として名前が挙がることの多い首都ベルリン。家賃の上昇と住宅不足にもかかわらず、その人口は今後数年間も増加し続けると予想されている。人気の秘密は首都ならではの雇用があることに加え、幅広い文化があること。2位のハンブルクはドイツ最大の港があり、経済的にも好調。3位のミュンヘンには、雇用者数が多いBMWやシーメンスなどがある。
人気観光地
- 1位 バイエルン州
- 2位 メクレンブルク=フォアポンメルン州
- 3位 ニーダーザクセン州
- 4位 バーデン=ヴュルテンベルク州
- 5位 シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州
出典:Stiftung für Zukunftsfrage「Tourismusanalyse」
1位のバイエルン州には、雄大なドイツアルプスがあり、森でのハイキングやサイクリングが楽しめる。さらにノイシュヴァンシュタイン城やオクトーバーフェストなど、美しい観光地や伝統的なお祭りでも人を集める。僅差で2位となったのは、北ドイツのメクレンブルク=フォアポンメルン州。バルト海沿岸にある海水浴場が人気で、夏には多くの観光客でにぎわう。
天気の良い都市
- 1位 オッフェンブルク(バーデン=ヴュルテンベルク州)
- 2位 プフォルツハイム(バーデン=ヴュルテンベルク州)
- 3位 カールスルーエ(バーデン=ヴュルテンベルク州)
- 4位 ケンプテン(アルゴイ)(バイエルン州)
- 5位 フライブルク(バーデン=ヴュルテンベルク州)
出典:Enpal B.V.「Deutschlands sonnigste Städte」
人口2万人以上の全都市の年間日照時間を比較した結果、ドイツで最も日当たりの良い都市は、フランス国境の目の前にあるバーデン=ヴュルテンベルク州オッフェンブルクが1位に。年間平均日照時間は2791時間。ちなみに大都市では、1位はシュトゥットガルト(2626時間)、2位はミュンヘン(2605時間)、3位はライプツィヒ(2535時間)だった。
緑が多い都市
- 1位 ポツダム(ブランデンブルク州)33.03㎡
- 2位 カッセル(ヘッセン州) 23.42㎡
- 3位 ブレーメン 21.32㎡
- 4位 マクデブルク( ザクセン=アンハルト州) 19.40㎡
- 5位 ミュンヘン (バイエルン州) 17.78㎡
居住者1人あたりの緑地面積
出典:Holidu「10 deutsche Großstädte mit der meisten Grünfläche pro Einwohner」
緑豊かなポツダムは、サンスーシ公園など印象的な公園を擁し、住民一人当たりの公園面積が33.03m²でランキングのトップに。プロイセンの君主の造園家たちによって何世紀にもわたって設計された公園の景観は、1990年以来ユネスコの世界遺産に登録されている。2位のカッセルは欧州最大規模のヴィルヘルムスヘーエ城公園があり、ここも2013年に世界遺産に登録されている。
家賃が高い都市
- 1位 ミュンヘン(バイエルン州)21.01€/㎡
- 2位 ベルリン 17.64€/㎡
- 3位 フランクフルト(ヘッセン州) 17.38€/㎡
- 4位 フライブルク(バーデン=ヴュルテンベルク州) 16.72€/㎡
- 5位 シュトゥットガルト(バーデン=ヴュルテンベルク州) 15.98€/㎡
出典:empirica「Blasenindex 2023q3」
ミュンヘンは依然としてドイツで最もテナント料の高い都市である。 2位のベルリンもここ数年の物価上昇が激しく、既存のマンションの価格は、2018年から2023年にかけて平均34%も上昇。一方で、ミュンヘンとの差は1平方メートルあたり4ユーロ近くといまだに大きい。3位のフランクフルトは、大手銀行が集まる金融都市だけに住むためには予算が必要だ。
ロマンチックな都市
- 1位 ミュンヘン(バイエルン州)
- 2位 キュールングスボルン(メクレンブルク=フォアポンメルン州)
- 3位 テーゲルンゼー(バイエルン州)
- 4位 ノルダーナイ島(ニーダーザクセン州)
- 5位 デュッセルドルフ(ノルトライン=ヴェストファーレン州)
出典:Travelcircus「Die 14 romantischsten Städte Deutschlands
1位に輝いたミュンヘンは、歴史的な旧市街、美しいイングリッシュ・ガーデン、幻想的なイザール川、アルプスの眺望、ニンフェンブルク宮殿公園など、中世から続くロマンチックな魅力に溢れている。第2位はバルト海に直接面したキュールングスボルン。光り輝く海を見渡せ、歴史的な温泉建築が特徴的だ。3位はロマンチックな魅力と写真映えするパノラマが美しいテーゲルンゼーに。
住民が幸せな都市
- 1位 カッセル(ヘッセン州)
- 2位 エアフルト(テューリンゲン州)
- 3位 アーヘン(ノルトライン=ヴェストファーレン州)
- 4位 キール(シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州)
- 5位 クレーフェルト(ノルトライン=ヴェストファーレン州)
出典:SKL Glücksatlas「Städteranking 2024」
カッセルの住民の半数以上(55.3%) が、自分の人生に非常に満足していると回答。ランクインした都市はどこも規模が小さく、経済的には際立って裕福というわけではないが、個人の幸福度が高かった。ちなみにミュンヘンなどの大都市は、高収入で失業率も低いが、犯罪の多さ、社会的孤立、住宅不足や家賃高騰などに苦しんでいる。
ビールの醸造所数が多い州
- 1位 バイエルン州
- 2位 バーデン=ヴュルテンベルク州
- 3位 ノルトライン=ヴェストファーレン州
- 4位 ニーダーザクセン州/ブレーメン
- 5位 ザクセン州/ヘッセン州
出典:German Cancer Research Center「 Alkoholatlas Deutschland 2022」
醸造所が最も多いのは、ビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催されるバイエルン州。2位のバーデン= ヴュルテンベルク州も、ビール祭り「カンシュタッター・フォルクスフェスト」(シュトゥットガルト)が有名で、60年前は400 以上の醸造所があった。しかしビールの工業生産化が進み、小さな醸造所は閉鎖されるか大企業に合併され、今は208と約半数になっている。
平均年齢が低い都市
- 1位 オスターハイデ(ニーダーザクセン州)
- 2位 ノストルフ(メクレンブルク=フォアポンメルン州)
- 3位 ホルンバッハ(ラインラント=プファルツ州)
- 4位 ノルダーフリードリッヒシュコオク(シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州)
- 5位 ダッツェロート(ラインラント=プファルツ州)
出典:statista「Gemeinden mit dem niedrigsten Durchschnittsalter in Deutschland im Jahr 2022」
ドイツで最も平均年齢が若い自治体は、ベルゲン軍事訓練地域の西部に位置するニーダーザクセン州オスターハイデ。自治体の平均年齢は29.1歳だった。2位は、毎年収穫祭とジャガイモ祭りが行われるメクレンブルク=フォアポンメルン州のノストルフで、平均年齢は33.4歳。ドイツ連邦州で比較すると、1位はハンブルク州で住民の平均年齢は約42歳だった。
LGBTQフレンドリーな都市
- 1位 ベルリン
- 2位 ケルン(ノルトライン=ヴェストファーレン州)
- 3位 ハンブルク
- 4位 ミュンヘン(バイエルン州)
- 5位 フランクフルト(ヘッセン州)
出典:BuzzFeed「Das sind die fünf queerfreundlichsten Städte in Deutschland」
1位のベルリンには、LGBTQ+のアートや歴史にスポットを当てたさまざまな博物館や展示場がある。特にSchwuZとSO36はLGBTQ+のクラブとして有名だ。2位はドイツで開催される最大規模のプライドパレードである「ケルン・プライド」が行われるケルン。3位のハンブルクでは、同じく大規模なイベントや国際クィア映画祭が開催されている。
ドイツ人が選ぶ最もセクシーなドイツ語方言
- 1位 バイエルンの方言(Bayerisch)
- 2位 ハンブルクの方言(Hamburgisch)
- 3位 シュヴァーベン地方の方言(Schwäbisch)
- 4位 ライン地方の方言(Rheinisch)
- 5位 ザクセンの方言(Sächsisch)
参考:General-Anzeiger「Was ist Deutschlands schönster Dialekt?」
方言には、それぞれの地域の生活様式が反映されていたり、その土地独特のユーモアが垣間見られることも。ぜひ地元の人たちの言葉に耳を傾けてみよう。