緑の党、連邦議会選の代表候補選出
トリッティン氏とゲーリンク=エッカート氏
緑の党は10日、来年秋に行われる連邦議会選挙の代表候補を選ぶための党内予備選挙を行い、同党院内総務のユルゲン・トリッティン氏と連邦議会副議長のカトリン・ゲーリンク=エッカート氏を選出した。ヴェルト紙が報じた。
今回の予備選挙には党幹部からこの2人のほか、トリッティン氏と共同で院内総務を務めるレナーテ・キューナスト氏と党首のクラウディア・ロート氏が立候補。最大2票まで投票可能な選挙で、得票率1位のトリッティン氏(71.9%)と2位のゲーリンク=エッカート氏(47.3%)が選出された。なお、3位はキューナスト氏(38.6%)で、最下位はロート氏(26.2%)だった。
ゲーリンク=エッカート氏は、社会民主党(SPD)と緑の党が連立を組んでいたシュレーダー政権時代(1998~2005年)に同党の院内総務を務め、労働市場改革(ハルツ改革)実施に向けて党内の意見調整役を務めた人物で、党内では現実主義派に属する。ライプツィヒ大学でプロテスタント神学を修めた後、1989年に東独の市民権活動家とコンタクトを持ち、環境政党・同盟90に加入した。同氏は現在、ドイツ福音主義教会(EKD)総会の代表を務めているが、緑の党の代表候補に選ばれたことを受け、来年の連邦議会選まで同職を休職するとしている。
一方のトリッティン氏は、ゲッティンゲン大学で社会科学を専攻した後に共産主義の連盟に所属していたこともあり、党内では左派に位置する。この2人が選ばれたことについてレムケ幹事長は、「党内の派閥間のバランスが取れた賢い決定だ」と評価している。
2人は予備選挙の結果を受けて記者会見に臨み、ゲーリンク=エッカート氏は人権を重視した難民政策や移民の社会参加、同性愛者のための機会均等など、社会的公正の実現、トリッティン氏はエネルギー政策の転換を、それぞれ選挙の焦点に当てていくと決意表明。党として「打倒メルケル」を掲げ、政権入りを目指す意志を確認した。
キリスト教社会同盟(CSU)のシュテファン・ミュラー議員はゲーリンク=エッカート氏について、党の代表候補となった以上、超党派の立場で連邦議会を代表する連邦