11月22日から、フランクフルトのクリスマスマーケットが始まりました。街の中心・ハウプトバッへをはじめ、南のリープフラウエンベルク、パウルス広場、旧市街のレーマー広場、マイン川に抜けるマインカイまでの通り、さらにフリードリッヒ・シュトルツェ広場にロスマルクトと、街中のおなじみの場所に屋台が並びます。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が過去最多を更新するなど、厳しい状況が続くなか、規制を強化しての開催が決定しました。
市庁舎前に飾られたクリスマスツリー「グレーテル」
開催に合わせて11月22日から、街の中心部では朝10時から午後10時まで、飲食や喫煙時を除いてFFP2かサージカルマスクの着用が義務付けられています。また飲食は、各スタンドで専用エリアが設けられ、来場者が増えても適度な距離が取れるよう配慮されているのだとか。ハウプトバッへからマイン川へと連なるエリアは、マスクを着用していれば誰でもクリスマスマーケットを楽しめます。
クリスマスマーケット開催に先駆け、市庁舎前には恒例のクリスマスツリーが立てられました。グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」にちなみ、グレーテルと名付けられたこの木は樹齢90年、高さ31メートルの大木で、ヘッセン州のヨスグルントから運ばれてきたもの。クリスマスマーケットの開催が中止された昨年も、例年通り市庁舎前にはツリーが立てられましたが、やはりスタンドが並ぶクリスマスマーケットの中で見る巨大ツリーは格別でした。
今年から新たに設けられた2G エリアのロスマルクト
「ピンククリスマスマーケット」と呼ばれるフリードリッヒ・シュトルツェ広場と、金融街を背景にゲーテ像があるロスマルクトは、2G ルールによってのみ入場できるフェンスで囲まれたエリアになっています。予防接種済みか快復者は証明書が必要ですが、6歳未満の未就学児は証明書なしでも入場可能です。診断書持参で医療上の理由により予防接種ができない人や18歳未満の子どもは、48時間以内のPCR検査か24時間以内の迅速抗原検査陰性証明があれば入場できます。セルフテストは不可です。いずれも写真付き身分証明書が必要となり、2G エリアでも要マスクです。
ピンククリスマスマーケットの入口にも2G ルールの看板が
また今年で99回目を迎えるアーティストクリスマス市も、パウルス教会で11月25日から、レーマーホールで12月3日から開催予定です。アーティストから直接芸術作品を購入することができ、特別なクリスマスプレゼントを求める人でにぎわいます。
開催中止が決定した地域もあるなか、フランクフルトでは感染対策を強化しながら何とかスタートしました。感染予防に留意しつつ、毎年恒例の楽しいイベントで人々の心が少しでも明るくなり、希望がもてるとうれしいです。
※本記事の情報は、2021年11月24日のものです
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twittter : @nikonikokujila