毎年夏の終わりから秋にかけて、フランクフルトの市内中心部にある通称Freßgass(食いしん坊通り)では、ラインガウのワイン生産者が集うお祭り「Rheingauer Weinmarkt」が開催されます。昨年と一昨年はコロナ禍の影響で大幅に規模を縮小した「Rheingauer Weingarten」(ラインガウワインの庭)と称したイベントを行なってきましたが、今年はようやく規制なしに開催が実現しました。8月31日~9月9日まで、30を超えるワイン生産者が出店し、自慢のワインを提供します。私も土曜日の昼下がり、ふらりと立ち寄ってみることにしました。
作り手を目の前に、スタンドで立ち飲み
普段から惣菜屋さんやレストラン、カフェが立ち並ぶグルメな場所だけあって、食べ物のスタンドもあり、通りを歩くだけでおいしそうな匂いも漂ってきました。旧オペラから証券取引所の通りまでの300メートルほどの歩行者天国には、長椅子とテーブルや、ワイン樽を利用した立ち飲み用の台などが並びます。ワイン目当てのお客さんだけでなく、週末の買い物を楽しむ人たちでにぎわっていました。
まずは端から端まで、ゆっくりとスタンドをチェック。リースリングをはじめ、ドイツのスパークリングワインである「ゼクト」や、赤ワインのメニューもあります。今回はそのなかの一つ、「Freimuth」というワイナリーのワインを飲んでみることにしました。初めて聞くワイナリーでしたが、こうして直接生産者からその場でワインを試飲できるのはワインイベントならではの楽しみです。
またラインガウワインといえばリースリングということで、「Charta」と書かれたリースリングと、黒ブドウを白ワインの製法で醸した「Blanc de noir」をオーダーしました。リースリングはスッキリ辛口で酸味のバランスが良く、食事にも合わせやすいおいしさ。Chartaという名前が初耳だったので尋ねてみると、ラインガウ地方で採れたリースリング100%のワインで、ドイツのワイナリー協会がブラインドテストをしてその品質を認められたものだけがCharta リースリングの名称を使用できるのだとか。ダブルアーチのロゴがCharta リースリングの承認マークだそうです。こうした質問にも生産者から直接答えてもらえるのも、このイベントの醍醐味ですね。
秋の気配を感じつつ、のんびりと街を眺めての一杯は最高でした
通りを行き交う人々を眺めながら、のんびりとワインを飲み比べるのも楽しく、とてもぜいたくな時間となりました。これを機に、ラインガウワインをいろいろ試してみるのも良いかもしれません。
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twittter : @nikonikokujila