フランクフルトのヘッデルンハイム地区にあるイベントスペースraumfabrikでは、体験型のゴッホ展「Van Gogh Alive」が開催されています。この展示はオーストラリアの企画会社グランデ・エクスペリエンセズが企画制作したもので、これまでに世界各地で開催され、850万人を超える人々を魅了してきました。古典的な絵画の鑑賞とは異なり、ゴッホの世界を投影した映像展示室をメインに、ゴッホの作品で描かれたゴッホの寝室を再現したスペースや、鏡張りの空間に広がるひまわり畑など、その世界に入り込み、全身で体験できる新しい感覚の芸術鑑賞を実現しています。
椅子やベッドに自由に座れるゴッホの部屋
やはり一番の目玉は、高品質の音響と多数のプロジェクターを融合し、マルチスクリーンに映し出される、最新のモーショングラフィックスによるメイン展示です。ゴッホの作品はもちろん、その人生や時代背景、彼自身の言葉などが映像と音で表現されており、展示室に一歩足を踏み入れた瞬間から一気にその世界観に引き込まれます。壁一面だけでなく、頭上や床など部屋中に設置されたスクリーンで繰り広げられる映像と、迫力のサラウンド音響で、ゴッホの作品の中に入り込んだかのような感覚になりました。
圧巻の映像と音響でゴッホの世界に浸る
展示室内は自由に歩き回ることができ、光と色と音に包まれながら、全身で芸術を感じ取ることができます。今までにないアート体験で、どっぷりとゴッホの世界に没入する感覚が素晴らしく、五感をフルに使って楽しめました。マルチメディアの上映は45分ほど。展示室内にはビーズクッションが置いてあるので、好きな場所に腰を下ろし、ゆっくりと非日常に浸ることができました。
またゴッホの部屋を再現したスペースでは、椅子やベッドに腰掛けて写真を撮ることもでき、本当に絵画の中に入り込んだような不思議な気分になりました。ほかにもたくさんのひまわりを設置した部屋では、天井を含む部屋全体が鏡張りになっており、ひまわり畑にいるような気分が味わえます。さらに、映像を観ながらゴッホの絵を一緒に描く写生室もあり、大人から子どもまで、部屋に設置されたスケッチブックに素描していました。
鏡張りの空間に広がるひまわり畑
今までの絵画鑑賞とは異なる新しい感覚の芸術体験で、ゴッホの世界をまた違った形で堪能することができました。フランクフルトでは5月2日(火)まで開催予定です。機会があればぜひ、このユニークな芸術鑑賞を体験してみてください。
Van Gogh Alive:www.vangogh-alive.de
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twitter : @nikonikokujila