ジャパンダイジェスト

五感で楽しむ現代音楽ビエンナーレ

2月17(金)~25日(土)まで、フランクフルトを中心にオッフェンバッハやダルムシュタットで「cresc...Biennale für aktuelle Musik FrankfurtRhein Main」(フランクフルト・ライン・マイン現代音楽ビエンナーレ)が開催されました。フランクフルを拠点に活動するhr交響楽団とhrビッグバンド、現代音楽に特化した室内合奏団のEnsembleModernが主宰となり、国際色豊かなアーティストたちがさまざまな演奏やプログラムを上演しました。魅力的な演目の中から、初日のオープニングナイトをレポートします。

食のプログラム「freitagsküche」食のプログラム「freitagsküche」

会場はヘッセン放送協会(hr)の放送ホール。コンサート好きの人たちの間では、その音響設備にも定評がある人気ホールだそうです。事前にオンラインで購入したチケットで入場し、クロークで上着を預けたら、まずは食のインスタレーション「freitagsküche」へ。さまざまな形や色の焼き物をはじめ、びんに入ったキノコ、何やら怪しげな緑の液体が入った試験管のようなボトルが並んでいます。まずは気に入った焼き物を選び、そこから各ステーションを回りながら気になった食材を味見していきました。緑の液体はなんとキノコの抽出オイル。スポイトを使って手の甲に数滴乗せて味見をすると、驚くほど凝縮したキノコのうま味を感じました。ほかにも黒ニンニクやセロリ、スープなどを味見してはびんを集め、自宅に持ち帰るという面白い展示でした。音楽祭に来て、これほど味覚や嗅覚、触覚を使うことになるとは思っていなかったので驚きました。

現代音楽「Earth Dances」のオーケストラによる生演奏現代音楽「Earth Dances」のオーケストラによる生演奏

続いて隣の建物にあるhrのテレビスタジオへ。ここでは音と光を使ったインスタレーションが上演されていました。天井からはボトルアートがつり下がり、中央には楽譜を前にディレクターがオーケストラ作品「Earth Dances」の音源を流し、光を映し出します。観客は室内を自由に動き回りながら、光と音を全身で感じることができました。

「freitagsküche」で集めたびんは、自宅に持ち帰ることができます「freitagsküche」で集めたびんは、自宅に持ち帰ることができます

最後にホールに戻り、インスタレーションと同じ「Earth Dances」の生演奏を聴きました。スタジオでの光と音の上演も面白かったですが、やはり目の前で音楽家たちが奏でる音の存在感と迫力に圧倒されます。それぞれの音が非常に複雑に重なり合って響き合い、クラシックとは一味違う現代音楽の魅力に惹き込まれました。同じ曲をインスタレーションと生演奏の両方で体感するのも面白かったです。味、光、音と五感全てで楽しめる多彩な内容で、盛りだくさんの充実したオープニングでした。

cresc...:www.cresc-biennale.de

ユゴ さや香
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twitter : @nikonikokujila

 
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