フランクフルトには、マイン川南岸の博物館通りを中心に、大小様々な博物館や美術館があります。市内の博物館や美術館が協力し合い、8月と12月を除き月1回、最終土曜日に「Satourday」というプログラムを行っています。毎月1つのテーマに沿って多くの博物館でイベントが催され、12の博物館や美術館が1日無料で開放されるというもの。家族向けのイベントが多いようですが、イベントに参加せずとも無料で博物館や美術館に入館できるということで、この機会に市内の博物館巡りをしてきました。
まずは、マイン川南岸にある建築博物館へ。残念ながら一部は改装中でしたが、建築史から現代ドイツ建築の最新の動向までを、模型を通して知ることができます。この日は専門家によるガイドツアーがあり、参加者は熱心に解説に聞き入っていました。地上階のカフェも人気で、来館者はコーヒーやケーキをお供に、おしゃべりに興じていました。
続いて向かったのは、同じ博物館通りにある世界文化博物館。ここでは現在、「Trading style」と称した展覧会を開催中で、世界中の民族衣装やタトゥーなど、服飾全般に関する品々が展示されています。世界各地の個性的な帽子や履物など、ファッションを多角的に紹介する展示に、興味をそそられました。
さらに、マイン川を渡って北岸の歴史博物館へ。新館の建築中ということで、現在は旧税関所の古い建物を利用して展示を行っています。展示品のみならず、歴史ある建物についても紹介されています。各展示箇所に、テーマに即した写真カードが用意されており、館内を一周すると、すべてのカードが集まる仕組みになっています。単調になりがちな展示も、カードを集める楽しみと、迷路のような館内を移動するワクワク感で、飽きることなく観て回ることができました。
歴史博物館の各展示スペースに置かれている写真カード
最後に、マイン川の北に位置する現代アート美術館を訪問。建物が三角形であることから、「ショートケーキ」の愛称を持つ同美術館の魅力は、所蔵品の展示と季節ごとに変わるアーティストの作品展示です。館内の構造がユニークで、空間を効果的に利用した展示が続きます。ちょうどこの日はドイツ人アーティスト、カールステン・ニコライの個展初日。巨大スクリーンに映し出されるインスタレーション「unidisplay」が印象に残りました。
ショートケーキのような三角形の建物が特徴の現代アート美術館
まだまだ興味深い博物館や美術館がたくさんあり、とても1日で観きれませんが、今後もこうした無料開放日やイベントを利用して、少しずつ訪れたいと思います。
今年上半期のSatourdayのイベント情報:
www.kultur-frankfurt.de/userfiles/Satourday_I_2013_V3(1).pdf
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。