「水の都」と聞いて皆さんがまず思い浮かべるのは、やはりヴェネツィアでしょうか。ヴェネツィアほど有名ではありませんが、実はハンブルクも「水の都」と言えるほど、水の風景に多く出会える街です。エルベ川が悠々と流れていて、ハンブルク港は欧州第2の貿易港としてその名を馳せています。そして街の中心にはアルスター湖があり、エルベ川とアルスター湖をつなぐ運河もあります。そのため、ハンブルクの川や運河にかかっている橋の数は、かのヴェネツィアや運河の街として知られるアムステルダムよりも多いそうです。
街中に水があふれているので、ハンブルクに観光に来られる方は当然、アルスター湖の遊覧船に乗ったり、船による港めぐりツアーに参加したりするでしょう。しかしこの街には、観光船だけでなく普段の交通手段として利用されている定期船があるのをご存知でしょうか?
定期船の外観
エルベ川を運行する定期船にはいくつかのラインがあり、これは市内を走る電車やバスと同じチケットで利用できます。特にハーフェン・シティ(Hafen-City)から始まり、港(Landungsbrücken)とアルトナ(Altona)を経て対岸のフィンケンヴェルダー(Finkenwerder)まで行くラインに乗れば、観光船と同じようにハンブルクの街並みを船の上から楽しめるので、時間に余裕のない観光客にはお薦めです。普通のバスと同じように運行しているので、途中の停留所で降りることも可能ですが、目的地に着く前に「次、停まります」のボタンを押さないと素通りされてしまうので要注意。
また、エルベ川対岸のアルテス・ラント(Altes Land)に果樹の花が咲く季節には、ブランケネーゼ(Blankenese)から対岸のクランツ(Cranz)行きのラインはいかがでしょう。天気の良い日ならお弁当持参の小遠足にもってこいだと思います。
この定期船、船の中に切符の自動販売機があるだけで改札もないあたり、「本当に電車やバスと同じ扱いなのだなあ」と実感しますが、座席にはテーブルが備えられていて、なかなか豪華な造りです。しかも船の中に売店があり、飲み物や食べ物を買うこともできるので、まさに遠足気分でくつろぐことができます。外の景色を存分に楽しみたい方や風に当たりたい方は、オープンデッキへどうぞ。ここにも造り付けの椅子があります。
船の停留所や運行ルートなどを知りたい方は、ハンブルクのフェリーサービス、HADAGのウェブサイト(www.hadag.de)をご覧ください。時刻表と料金は、ハンブルク交通局(HVV)のウェブサイト(www.hvv.de)で停留所を入力すると検索できます。
船内の様子。ゆったりしています
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?