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Sa. 23. Mär. 2019

サイエンス映画の夜「みつばちの大地」

フォルクスワーゲン財団による催し、サイエンス映画の夜「絶滅の危機~ハチのいない未来はない」に出かけました。約300人が訪れ、ハチの大量死を題材としたドキュメンタリー映画『みつばちの大地(原題 More Than Honey)』を鑑賞し、マークス・イムホーフ監督と大学教授たちの討論に耳を傾けました。

サイエンス映画の夜での討論会の様子
サイエンス映画の夜での討論会の様子

映画では、アメリカでアーモンドの花から桃の花と季節ごとに大型トラックで全国を移動する養蜂家や、オーストリアで女王蜂を育てる母娘、手作業で受粉する中国の果樹園の様子など、ハチをめぐるさまざまな人々が登場します。イムホーフ監督は、「食べ物の3分の1はミツバチがいなければ存在できない」と、ハチが受粉に大きな役割を果たしていると私たちに語りかけました。そのハチが大量死するのはグローバル化による効率一辺倒により、ハチたちが殺虫剤や抗生物質、環境の変化、そしてストレスにさらされているからだろうと言います。「クリスマスに季節外れのイチゴを食べなければいけないのか。われわれの行動が世界を決める。毎日何を食べるか、買うか、どのようなライフスタイルを選ぶのか、一人ひとりが考えなければならない」と、ハチの大量死は人間の未来を反映していると警告しました。

フォルクスワーゲン財団は、一般向けに歴史や文化、自然科学についての学術イベントを開催しています。社会と学術を結びつけ、最先端技術や現在の問題を広く知ってもらおうというもので、テーマは人工知能から基本的人権、気候保護と幅広くカバーしています。無料で、事前申し込みも不要なので気軽に参加できます。今回初めて行きましたが、会場は広くて新しく、しかもポップコーンと飲み物がついてきました。ジュースやビールを飲みながら映画を楽しんだ後、監督の生の声が聞けるというぜいたくな時間でした。

マークス・イムホーフ監督
マークス・イムホーフ監督

ちなみにフォルクスワーゲン財団は、国営だったフォルクスワーゲン社を第二次世界大戦後に民営化したときの利益により生まれた公益団体です。ニーダーザクセン州は同社の株を現在も20%所有しており、同社はフォルクスワーゲン法により株主の20%が反対のとき、すなわち州が反対すると可決できないようになっています。同財団は創立からこれまで50年以上にわたって、研究機関や大学など約3万のプロジェクトに47億ユーロを助成してきました。しかし大学に勤める友人によると、昨今の排ガススキャンダルでフォルクスワーゲンの売り上げが落ちたことから、補助金がずいぶん減ったとか。それでも、フォルクスワーゲン社の恩恵を受けている人は、今なおいろいろなところにいるようです。

フォルクスワーゲン財団の催し物: www.volkswagenstiftung.de/veranstaltungen

マークス・イムホーフ監督ホームページ: markus-imhoof.ch

田口理穂(たぐち・りほ)
日本で新聞記者を経て1996年よりハノーファー在住。社会学修士。ジャーナリスト、裁判所認定ドイツ語通訳・翻訳士。著書に『市民がつくった電力会社: ドイツ・シェーナウの草の根エネルギー革命』(大月書店)、共著に「お手本の国」のウソ(新潮新書) など。
 
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