ライプツィヒ東部を象徴する通りであり、最も活気のある場所の一つといえば「アイゼンバーン通り」です。一時期は「ドイツで最も危険な通り」ともいわれたほどですが、今ではケバブ屋やアラブ系のスーパーマーケットが並ぶ中に、おしゃれなカフェやタトゥーショップ、本誌1176号で紹介した「Verschenkekiste」なども軒を連ねています。近年では、ビーガン専門のハンバーガー屋さんがライプツィヒ西部から越して来るなど、ますます多くの人でにぎわっています。
今回は、この通りに新たな風を吹かせているコンセプトストア「Fummelei」(フメライ)を紹介します。ネオンピンクのロゴマークが目を引くこのお店は、2020年の夏にオープンしました。オーナーのピアは、もともとデザイナーとして活動していましたが、友人が現在の店舗の場所を手放すことを知り、お店を開くことを決意。それまでアイゼンバーン通りには、Fummeleiのようにキュートでポップなものが並ぶお店が存在していなかったので、若者たちの間ですぐに話題になりました。
カラフルなキャンドルはプレゼントにもぴったり
お店の中は、ピアによって選び抜かれたカラフルな色彩の品物に溢れ、買い物に行くといつも目移りしてしまいます。私の友人は「あそこに行くとキュートなものがたくさんあって、絶対何か買ってしまうから気を付けなきゃ!」と言うほどです。
お店に入って右側には、新品や古着はもちろんのこと、アップサイクルの洋服たちも販売されています。古いテーブルクロスをジャケットに仕立てたものや、ふきんをビスチェに仕立てたものなど、一癖あるものばかり。洋服のタグには「これは昔、セーターでした!」といった手書きの説明があり、そのストーリー性に買い物欲をかき立てられます。
ほかではなかなか見つからない洋服
本のコーナーには、ZINE(主に自費出版の小冊子やコミック、写真集)をはじめ、ヨーロピアンコミックやタロットカードなども置かれています。トレンドに敏感なピアによってセレクトされるこのコーナーでは、今話題の本をはじめ、一般的な本屋では見つけることのできないニッチな本にも出会えますよ。
さらに店内には、「リソグラフ」という版画を応用したデジタル印刷機が置かれています。ピアはデザイナーとしての経験を生かし、この印刷機を使って「Astr ori s o」(アストロリソ)という別名でZI NE作りのワークショップなども開催しているのです。ほかにもアクセサリーを制作したり、自分でリメイクした洋服を販売したりと、彼女のバイタリティーにはいつも驚かされます。手作りのアクセサリーは、どれも個性的なデザインの一点ものばかりで、プレゼントに喜ばれること間違いなし。お気に入りを見つけに、そしてピアに会いに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
Fummeleiのインスタグラム:@fummelei_
東京都出身。日本で陶芸を勉強した後、2019年からライプツィヒ在住。現在はライプツィヒの大学で博物館学を勉強しながら、ウェブマガジン「ヴァルナブルな人たち」を運営している。
https://vvulnerablepeoplee.wixsite.com/website/magazine