数年前には「次のベルリンになるか」なんていわれていたライプツィヒ。この街にも、アートスペースや、ものづくりのためのスペースが数多くあります。今回はその一つである「Restlos」(レストロス、日本語にすると「残りものなし」)をご紹介します。
Restlosは、ライプツィヒ西部のプラグヴィッツ地区にある巨大な建物に入居している、環境教育とアップサイクルのためのワークショップスペースです。Restlosの運営は、青少年福祉団体のMütterzentrum e.V.が行っています。プラグヴィッツ地区のマーケットに買い物に来るたびにRestlosの前を通っていたので、親子で長い間「Restlosに行ってみたいね」と話していました。今回記事を書くに当たって、初めて遊びに行ってみました。
プラグヴィッツ地区にあるRestlos
Restlosでは、企業や個人が不要になった品物を持ち込むことができ、反対にものづくりをしたい人はそれらを使っておもちゃを作ったり、編み物をしたりと、その場で創作を楽しめます。環境意識の高いドイツらしい施設ですね。Restlosのスタッフによると、幼稚園や学校の子どもたちがグループでRestlosを訪れることもあるとか。高い天井の建物の中には、テキスタイルをはじめコルク、企業で余ったパッケージ、自動車やバイクの部品などの大きなものまで、ありとあらゆるものが所狭しと並んでいます。一緒にRestlosを訪れたうちの子は目を輝かせながら、「こんなものがある」、「あんなものもある」と品物を手に取っていました。大人以上に、子どもたちにとっては宝の山のように見えるのでしょう。
品物が並んでいるスペースのほかに、制作スペースや、工具を使えるスペース、スタッフや利用者が集まってお茶を飲めるキッチンがありました。制作スペースはテントで囲まれて暖房がついているものの、この日の気温は0度くらい。スタッフからは「暖かい季節にまた来るといいよ」と勧められたほどです。
子どもにとっては宝の山!
それでも1時間半ほどの滞在中、材料を見て回って、作りたいものを考え、子どもと手を動かすのはとても楽しかったです。ものづくりが好きなお子さんのために、誕生日会の会場として利用するのも良さそうです。
Restlosの制作スペース
Restlosの利用料は、子どもは材料費込みで1時間当たり2ユーロ、大人は材料費別で1時間当たり3ユーロとリーズナブルです。材料を見て購入するだけであれば、利用料はかからないとのこと。私が子どもと利用したときには、付き添いということで、子ども料金だけの支払いでOKでした。ケース・バイ・ケースで柔軟に対応してくれるようです。
皆さんがお住まいの街にもRestlosのような場所があるかもしれません。ものづくりが大好きという人は、探してみてはいかがでしょうか。
Restlos:www.muetterzentrum-leipzig.de/projekt/restlos
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻ることを夢見ている。