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子供達が遊びながら学ぶ場所 作る遊び場「 Bauspielplatz」

ライプツィヒには西部と東部に「Bau(作る) spiel(遊ぶ) platz(場所)=作る遊び場」と名付けられた秘密基地のような場所があります。ここでは、子供達が釘とトンカチを手に、自由にのびのびと空間を作っています。西部にある「作る遊び場」は、2008年に始まりました。2015年に引越しを経て、現在もプロジェクトは続いています。そこで東部でも「ぜひやりたい!」という若い人達が集まり、あちこちに場所を探して回った結果、やっと今年の5月からプロジェクトがスタートしました。毎週火曜と金曜の午後に開園していて、社会教育を学ぶ学生や若いスタッフが交代で子供と一緒に基地のような空間を作っています。スタッフがあまりにも危ないと判断した場合には、子供達に対して注意を促しますが、基本的には子供達が自立して自由に遊ぶ場所です。

子供達
廃材を使って自由に組み立てていく子供達

運営スタッフがまず解体された建物の廃材や不要家具、そして工具を集め、子供達が中心となって少しずつ基地は拡大増築しています。釘は子供達が好きなところに打ち付けていると幾らあってもすぐになくなってしまうため、彼らはルールを決めました。最初に新しい釘は一人5本までもらえて、次からは古い釘2本と新しい釘1本を交換することができるシステム。そうすることで、子供達は釘を無駄に使うことを止め、必要なところを考えながら打つようになります。工作物が大きくなってくると、子供達が上に乗っても安定するかどうか、構造も気にしながら作ります。ぐらぐらするところは補強して、上に登るためにははしごも必要になります。

通りの2本先では、難民の子供達と作り上げる「ビーネンランド(蜂の国/Bienenland)という素敵なプロジェクトがあります。それは、シリアでもドイツでもなく、難民の子供達がこうあって欲しいと願う架空の国です。文化教育を学ぶ学生が中心となるプロジェクトメンバーは、毎週火曜にまず難民の集合住宅に子供達を迎えに行き、夏の間は「作る遊び場」で数時間を過ごします。その間の「作る遊び場」は、彼らの「ビーネンランド」になります。

東部の「作る遊び場」は、集合住宅会社が所有する空き地を無料で借りています。まずは今年と来年の2年間の暫定的な利用となり、その後については話し合いによって決まります。

プロジェクトのメンバー
子供達の作業を見守るプロジェクトのメンバー

管理された公園とは違い、子供達が自由に手を入れて変えていくことができる空間を都市の中に見つけることは、難しくなっています。大人が危険だからと考え、子供に何も経験させずにいると、本当に危ないことが起きた時に対応することが出来ません。ここは、自分が小さかった頃にこのような場所があったら楽しかっただろうなと感じさせてくれる、素敵なところです。

www.werkstatt-des-lichts.de/kiwest

ミンクス 典子
ドイツ建築家協会認定建築家。福岡県出身。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の設計事務所に所属し、10年から「ミンクス・アーキテクツ」主宰。11年より日独文化交流拠点ライプツィヒ「日本の家」の共同代表。
www.djh-leipzig.de
 
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