ジャパンダイジェスト

カーニバルに出掛けよう!

ドイツのカーニバルと言えば、ケルン、デュッセルドルフ、マインツが一番有名。でも、シュトゥットガルト近辺にお住まいの皆さんは、そこまで遠出しなくても、地元でカーニバルを堪能できますよ。

この地方ではファッシングと呼ばれるカーニバル。2月21日(火)に行なわれたパレードには50以上の団体が参加 し、2000人規模の派手な仮装行列が大音量の音楽を鳴らしながら何トンものお菓子をばら撒きつつ、街中を進行しました。仮装した観客も大勢集まり、街の中心はさながらパーティー会場と化しました。ドイツの中でも保守的傾向が強いとされるシュトゥットガルトで、珍しく人々が羽目を外す場です。訪問者数は、私の推定では2万人超だったと思います。パレードは14時11分に中央駅近くのクローネン通りからスタートし、ケー ニッヒスバウ、カールスプラッツを通ってマルクトプラッツ方面へ。距離は約2キロ、2時間ほどの行進でた。

ファッシング
若い! かわいい! パレードの女の子たち

シュトゥットガルトのカーニバルの歴史は、1897年に遡ります。当時、15人のおじいさんたちが思いつきでパレードを始めたそうです。それ以来、戦時中を除き、毎年欠かさず「スミレの火曜日」に仮装した団体が、市内中心部でファッシングパレードを開催してきました。仮装の傾向やテーマは毎年異なっているようです。今年はとりわけ魔女や男性の魔法使いの衣装が多く見受けられ、中でも農作業用のトラクターを改造した奇妙な乗り物に乗ったり、ぶら下がったりして、ものすごい煙と騒音の中から登場する魔法使いは、強烈なインパクトを放っていました。ばら撒かれるものも多様化し、お菓子以外にエコバックやハンドクリームもありました。なんとスポンジまで降ってきて、これは意外にもチョコレートより人気がありました。

以前、ケルンのカーニバルもちょっと体験したことがありますが、ヨーロッパ中から集まった若者がドンちゃん騒ぎするケルンと違い、シュトゥットガルトの方が子連れの家族に優しいかも、と思う場面もありました。私の隣にベビーカーを引き、2人の子どもを連れた若いお母さんがいたのですが、最前列だったのでパレードの行列からいつも誰かが近寄ってきて、子どもをあやしたり、頭を撫でたり。子どもたちは可愛がられた分、顔に赤や青の色を塗りたくられていました が、お菓子だって多めにもらっていまし た。パレード終後、その子たちは誰よりも満足気で、年上の子はお菓子がいっぱい詰まった袋を握り締め、下の子のベビーカーもお菓子やら何やらで、てんこ盛りになっていました。

日本ではなかなか味わえない楽しい行事なので、来年はぜひ皆さんも出掛けてみては?

サービス精神旺盛な魔女
サービス精神旺盛な魔女

郭さん郭映南(かくえいなん) 中国生まれの日本国籍、ドイツ在住。人生の1/3以上は海外。ケルン→マールブルク→シュツットガルト、拠点を転々としながら、ドイツ語とダンスと写真を学ぶ。現在、Stuttgart造形美術大学で視覚デザインの研究生。
HP: http://kakueinan.wordpress.com/
 
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