ベルリンうわの空
著者:香山哲
発行元:イースト・プレス
2020年1月 刊行
ISBN: 978-4-78161-849-4
「ここ…もしかしたら最高の街なんじゃない?」……初めてベルリンを訪れた主人公の「僕」は、この街のゆとりと優しさに惹かれるとともに、自分の心にも余裕が生まれていることに気づいた。この感覚を確かめるために「僕」はベルリンへと移住し、毎日を平凡に過ごしながら、日常のささやかで大切なものを集めている。
著者は、2018年に東京からベルリンに移り住み、マンガやエッセイ、コンピューターゲームの制作などを行っている香山哲(かやま てつ)さん。本書はベルリンでの日常生活と空想を織り交ぜつつ、「自分にとって豊かな生活とは何か?」を独自の目線で考えるコミックエッセイだ。ベルリンのスーパーマーケット事情をはじめ、交通や住宅、気軽な国外旅行、そして差別やホームレスといった社会問題など、扱われるテーマはさまざま。多彩な人種と豊かなカルチャーが混在するベルリンの街を舞台に、ちょっと怪しくて愉快な登場人物たちが、お気に入りのカフェでくつろいだり、子ども新聞をつくったり、特に何もしなかったり。
ベルリンでの日常を描きつつも、物語の中心に据えられているのは「どこであっても大事なこと」。身の回りで起こる出来事を丁寧に受け止め、日々の時間を大切に過ごす「僕」の姿は、この世界で多様に生きることの楽しさを教えてくれる。続編「ベルリンうわの空 ウンターグルンド」がebookjapaアプリで連載中!