2008年秋、在デュッセルドルフ日本国領事館公邸で開かれた座談会はデュッセルドルフ日本人学校の4年生から6年生までの少年たちが主導権を握る特別なものでした。司会を担当する生徒の進行にそって、ひっきりなしに質問が飛び交い、開会と閉会の挨拶では、少年たちのサッカーに対する熱い思いが溢れていました。
プロのサッカー選手になって世界を舞台に活躍したい!サッカーに情熱を傾ける少年なら誰もが描く夢。その夢を実現した小野伸二、正朋両選手がサッカークラブのメンバー 24人に本音で語りかけた言葉をご紹介します。(写真:中央右が小野伸二選手、左が弟の正朋選手)
(文:高橋萌)
小野伸二(Shinji Ono) | |
1979年 | 9月27日、静岡県生まれ。 |
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1998年 | 静岡市立清水商業高校卒業後、浦和レッドダイヤモンズに入団。フランスW杯に最年少で出場 |
2001年 | オランダ1部リーグ「フェイエノールト」へ移籍 |
2002年 | UEFAカップで優勝 |
2006年 | 浦和レッドダイヤモンズへ移籍 |
2008年 | ドイツ1部リーグ「VfLボーフム1868」へ移籍、背番号23 |
小野正朋(Masatomo Ono) | |
1984年 | 6月5日、静岡生まれ。 |
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2001年 | ドイツ3部リーグ「1.FCザールブリュッケン」 |
2007年 | FC琉球 |
2008年 | 10月現在、ドイツ滞在中 |
小野選手の子どもの頃についての質問
トラックの運転手。「トラック野郎」というテレビドラマを見て、かっこいいなと思って(笑)。あとはサッカー 選手。サッカーがうまくなりたい、そればっかりを考える毎日でした。
学校の休み時間には10分でも20分でもボールを持って外に出て練習。そして、勉強をちょっとしたらまた外に出る。家に帰ってもランドセル置いて、すぐにボールを蹴りに行ってました。
どんな所に憧れているんですか?
初めてプレーを見たときに、有名な選手とは知らなかったんだけど、その人がボールを持つだけでワクワクする、そういう気持ちにさせてくれる所です。
子どもの頃はできなかったけど、大人になってできるようになりました(笑)。
プロになってからのことについて質問
いい質問ですね。サッカーを辞めようと思ったことは、結構あります。サッカーって楽しい部分もたくさんあるけど、つらい部分の方がたくさんあるような気がするんです。例えば練習やきついトレーニングがあったりする。でも辞められないのは自分がサッカーを好きだからです。だから、どんなに苦しくても乗り越えられちゃうんです。
まだまだ、みんなにはわからないかもしれないけど、サッカーをするのがつらいと思うときが来ると思うんです。そんなときはサッカーが好きっていう気持ちを思い出して、いろんなことを乗り越えてください。
最後に数えたのはいつか覚えてないけど、小学生の頃だと1000回以上。今なら疲れなければ1日中でも!でも実際は疲れちゃうから1日は無理だけど、結構続くと思いますよ。
ここで、リフティングを披露。
ボールをコント ロールするときのコツなどを
実演しながら教えてくれました。
買い物をしたり。子どもとディズニーランドに行ったり、友達とサッカーをしたり、そのときの気分によっていろいろです。
ぼくが練習している最中に発表があったんですが、「日本代表に選ばれたよ」って聞いてすごくびっくりしました。高校を卒業してすぐの時期だったので、もう、始めは信じられなかったですね。テレビの中で活躍する選手たちと一緒に同じ場所でサッカーできるんだと思うと本当に嬉しかった。
その他の質問
まだわからないけど、子どもが好きなので、子どもと一緒にサッカーを楽しくやりたい。そして、サッカーの楽しさを伝えたい。
サッカーが楽しいばかりじゃなく、厳しいものだっていうことを小学校4年生くらいの時、監督に教えられました。その当時、地域では結構強いチームに所属していて、自分もその中で天狗になっていた部分があったんです。監督が試合中、そんなぼくを見て交代させたんです。そんなんならやめちまえって。歩いて帰れって。監督が自分を過信しすぎていたことを気づかせてくれた。そこで自分を変えられなかったら、今サッカー選手になれていなかったかもしれない。
もちろん、サッカーが好きっていうこと。そして、小さい頃から支えてくれた人たちに恩返ししたい、そういう気持ちがあります。指導してくれた人、応援してくれた人に、サポートしてもらった分、自分が活躍することで、恩返ししたい。
自分のお兄ちゃんだけど、日本にプロサッカー選手がたくさんいる中でもやっぱりお兄ちゃんのプレーを見るのが一番好きです。見ていて面白い。すごいです。
小野選手にプレゼントされたのは
「2012年、日本優勝信じてます」の言葉と寄せ書き
それ以外にも「今の年俸は?」「印象に残っているゴールは?」などなど率直な質問が飛び交いました。今回の座談会に大興奮の少年たち、未来のプロサッカー選手目指して、みんな頑張ってね!!