香川 真司 Borussia Dortmund
1989年3月17日、兵庫県生まれ。小学1年生の時にサッカーを始め、神戸NKサッカークラブを経てFCみやぎバルセロナ・ジュニアユースへ。2006年、セレッソ大阪に入団。高校卒業前にプロ契約。07年U20W杯、08年北京五輪の日本代表に飛び級で選出された。08シーズンはセレッソ大阪の主力として活躍。10年7月、ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントに完全移籍。身長172cm、体重63㎏。ポジションはMF。
昨季以来、日本人選手がサッカー・ブンデスリーガでひしめいている。今季から新たに加入した選手もさらに増え、ドイツ各地で話題を振りまいている。
人数こそ増えたが、今季の注目選手を1人挙げるとすれば、それは昨季から変わらない。香川真司こそ、今季も、と言うべきか、要注目の選手である。
香川について、おさらいしておこう。昨季からドルトムントに加入。その直前には南アフリカ・ワールドカップの日本代表選考に漏れるという出来事があっただけに、この移籍にかける思いは並大抵のものではなかった。2010/11シーズンが開幕すると、ドルトムントは怒濤の快進撃を遂げるが、その立役者でもある。何よりも注目を集めたのは、昨年9月19日の第4節。同じルール地方の都市を本拠地とするシャルケとの一戦、通称「ルール・ダービー」での2得点である。言わば、近所のライバルとの一戦での華やかな活躍により、一気にドルトムント・サポーターの心を掴んだ。練習場などに足を運んでみると、香川の背番号23のユニフォームを身に着けたドイツ人の多さに驚かされるほどだ。
前半戦の18試合だけで8得点を挙げ、後半戦でのさらなる活躍が期待されたが、日本代表として参加していたアジアカップの準決勝で右足を骨折し、戦線離脱を余儀なくされた。同時にドルトムントは、前半戦の快進撃がウソのように勝てなくなる。3月にはクロップ監督が日本のテレビを通じ、「シンジ、君がいないということを実感しているよ」と、まるで恋人のようなメッセージを送ったのも印象的だった。
そんな香川のドルトムントでの2季目。もし試合観戦のチャンスがあったなら、ぜひドリブルのシーンに注目してみてほしい。通常、広いスペースがあるところの方が自由にボールを扱えるものなのだが、香川はボールを持つと自ら狭いところへと進んで行く。そしてまさに、切り裂くようにゴールに向かう。彼の最大の持ち味、そして得点を楽しみにしてほしい。
ブンデスリーガ戦力分析
5日開幕のブンデスリーガ1部。長谷部誠ら以前から在籍する選手に加え、昨年来、香川真司や内田篤人など多くの日本人が新加入し、我々を楽しませてくれている。そんな彼らが戦うブンデスリーガの2011/12シーズンはどのような戦いが繰り広げられるのだろうか。
昨季、ぶっちぎりの強さを見せて優勝を果たしたドルトムントは、2位レヴァークーゼンと共に欧州チャンピオンズリーグ(CL)を戦う。香川のCLでの活躍は楽しみだが、ヌリ・シャヒンのレアルマドリード 移籍などのわりに新戦力の加入は少なく、不安はある。
優勝の大本命は、やはりバイエルンか。リーグ優勝22回というチームの歴史、社会的役割などから考えると、日本のプロ野球で言う読売ジャイアンツのような存在だと想像していただければぴったり来る。昨季は3位に終わったが、ドイツ代表GKノイアー(シャルケより)やボアテング(マンチェスター・シティより)ら大物の補強に成功し、逆襲の準備は整った。日本から、ガンバ大阪史上最高傑作と言われる宇佐美貴史も新加入。即戦力とはいかないだろうが、プレーオフから参加するCLなどでチャンスを掴むことを期待したい。
そして忘れてならないのが、女子ブンデスリーガ。世界一に輝いたなでしこジャパンの永里優季、安藤梢、熊谷紗希の3選手がプレーする。男子と試合開催日は重なるが、チケットの入手は容易なので、女子サッカーを生で観戦し、男子はクナイペで1杯やりながら、なんていう週末も素敵かもしれない。