アイスホッケーは、北米や北欧などで特に人気が高いウィンタースポーツ。日本では、SMAPの木村拓哉主演のテレビドラマ「プライド」(2004)の影響もあり、ここ数年でアイスホッケーへの注目度は高まってきていた。しかし昨年末、金融危機の煽りを受け、名門「SEIBUプリンスラビッツ」が廃部を決めたというニュースが日本アイスホッケー界を震撼させた。そのため、このオリンピック最終予選は今後のアイスホッケー界の未来を占う上で大きな意味を持つことになった。アイスホッケーを愛する全ての人の願いが、来る2月、ハノーファーのTUIアレーナを包み込む。日本代表にとっての大一番を応援しに行きませんか。(編集部:高橋 萌)
2010年のバンクーバーオリンピックの
出場権を賭けて最終決戦!
日本は最終予選グループEに所属している。グループEはスロベニア、オーストリア、そしてドイツと、格上の3カ国が相手。しかし、日本代表も他の強豪を抑え、1次予選を勝ち抜いてきての最終予選進出。この波に乗って一気にオリンピック出場を決めて欲しい。来年アイスホッケーの聖地、カナダのバンクーバーで行われる冬季オリンピックに出場できるのは同グループ内で1位となった1チームのみ。
※オリンピック出場権:アイスホッケー男子のオリンピック出場権は、2008年の世界ランキング上位9チームと、3グループに分かれて戦う最終予選で各グループ(E・F・G)内1位になった3チームの合わせて12チームに与えられる。最終予選に駒を進めたのは、予備予選と1次予選を勝ち抜いた日本を含む3チームと世界ランキング10位~18位の計12チーム。
グループF(会場:ラトビア・リガ)
出場チーム:ラトビア、イタリア、ウクライナ、ハンガリー
グループG(会場:ノルウェー・オスロ)
出場チーム:ノルウェー、デンマー ク、カザフスタン、フランス
2月5日(木) |
16:00 | スロベニア VS オーストリア |
19:30 | ドイツ VS 日本 | |
2月7日(土) |
12:00 | スロベニア VS 日本 |
15:30 | オーストリア VS ドイツ | |
2月8日(日) |
13:30 | 日本 VS オーストリア |
17:00 | ドイツ VS スロベニア |
会場 | TUI Arena Hannover, EXPO-Plaza 7, 30521 Hannover |
電話 | 0511-870010 |
ウェブ | www.tui-arena.de |
大会情報 | www.iihf.com/channels0809/olympic-qual-men/ |
チケット | 通し券44~ 77.50ユーロ 週末券31~ 54.50ユーロ 1日券17~ 30ユーロ |
チケット 問い合わせ |
01805-197799 |
アイスホッケーとは?
発祥の地はカナダ。そのため同国の国技でもある。「氷上の格闘技」と呼ばれるほど激しい接触プレーが特徴。
ルールは?
サッカーのルールと似ている。相手のゴールへパック(黒いゴム製の円盤)を入れると得点が入る。
何人でプレーするの?
プレーヤー5人(FW3人+DF2人)とゴールキーパー(GK)1人の計6人がリンクに立つ。選手交代に制限はなく何度でも自由に交代できる。このルールにより、1試合で20人くらい出場することもある。
試合時間は?
20分間の「ピリオド」を3回行う。各ピリオドの間に15分間の休みがある。
どんな道具を使うの?
パック:硬いゴム。ボールの役割を果たす。
スティック:プレーヤー用とGK用で形状が異なる。長さは152 センチ前後。
スケート靴:スピードスケートやフィギュアスケートと違い、歯が短い。安全性重視の形状。
防具:厚い生地のパンツ、ショルダー、レガード(ひざ下につける)、グローブ、ヘルメットなどを着用し、体を守る。
選手が閉じ込められる!?
激しいスポーツだからこそ、さまざまな反則があり、罰則も厳重。リンクサイドのボックススペースに注目。ペナル ティとして、反則した選手が試合中に閉じ込められる。反則の種類によって、閉じ込められる時間が決まる。
観戦に出掛ける際の注意点!
温かい服装など防寒対策をしっかりする。審判の警告との誤解を避けるため、ホイッスルなどの鳴り物は避ける。
アイスホッケー用語解説
NHL(National Hockey League):北米のアイスホッケーのプロリーグのこと。世界最高峰のリーグであるため、NHL所属選手はアマチュアスポーツの祭典であるオリンピックへの参加資格を持たない。
フェイスオフ:試合開始と同時に審判が落とすパックを、両チームのFWが奪い合う。これをフェイスオフという。試合はホイッスルで中断し、フェイスオフで再開する。リンクの中には、中央と各ゴール前の左右にサークルがあり、それがフェイスオフスポットとなる。
ボディチェック:体と体のぶつかり合いを「ボディチェック」と言う。激しいボディチェックは迫力満点。
オフサイド:アイスホッケーのオフサイドは、リンクに引かれた青いライン(ブルーライン)が目印。サッカーのように変動しない。パックを持つ攻撃側の選手より先に、守備側の選手が攻撃ゾーンに入った場合、オフサイドをとられる。
アイシング・ザ・パック:センターラインより自陣側からパックを打って、誰にも触れずに相手のゴールラインを越えてしまうことをアイシング・ザ・パック(またはアイシング)と言う。ディフェンディングゾーン内のスポットからのフェイスオフとなるので大変不利な状況になる。
ペナルティ:反則をした選手に課せられる罰則。マイナーペナルティでは2分間の退場、選手はペナルティボックスに入らなければならない。ただし、自分のチームが失点した時点でペナルティは解消。メジャーペナルティは5分間で、失点しても出場できない。そのほか10分退場や、残り時間全部退場などのペナルティもある。
最終予選を目前に控えた日本代表に、大会への意気込みについて語っていただきました。
日本アイスホッケー連盟 坂井寿如強化本部長に聞きました
今回の最終予選で対戦するスロベニア、オーストリア、ドイツの各代表に対しての印象は?
各国とも世界ランキング上位に入っており、実力のあるチームです。各国の分析を進めていますが、体が大きくパワーがあり、パスからシュートまでが速いと感じています。
試合の見所は?
日本代表はスピードが持ち味です。早い展開からの攻撃をご覧ください。
世界における日本の実力は?
世界ランキング22位の日本はランキング的にグループE内で1番下ですが、1次予選を勝ち抜き最終予選に参加しています。世界選手権ディビジョン1に所属しており、優勝を争う所まで来ています。
アイスホッケー観戦のポイントは?
単純に多くのゴールを挙げた方が勝利するという、サッカーに近いルールですが、展開が早く選手の入れ替わりも自由です。(30~60秒ほどで交代していきます)体のぶつかり合いなど格闘技的な要素もあります。サッカーグラウンドより狭いリンクでスピード感を味わっていただければと思います。
1998年の長野オリンピック以来となるオリンピック出場に向けて、どのような課題に取り組んでこられましたか?
まずは、若い選手たちの育成、強化です。エネルギーがなければ壁を打ち破る事はできません。そこにベテランの経験を加え、安定感のあるチーム作りを目指しています。
日本代表チームの強み、また弱点は?
強みはスピードと組織力。弱点はフィジカル面です。運動量の多いプレーを心がけています。サッカーでいうプレスを早くかけていきます。
今回の最終予選における目標と意気込みを聞かせてください。
もちろんオリンピック出場を目指して戦います。NHL選手が参加できない関係で、各国のチーム力も完全ではありません。日本代表にも戦える要素はあります。少ないチャンスですが、大きな可能性を感じています。また、今回のオリンピック予選はいつも以上に大きな意味を持った大会になりそうです。(トップチームの西武が今シーズン限りでの活動中止)日本代表のプレーを皆様に応援していただけるようにしっかり準備をし、ハノーファーに向かいます。
日本代表チームの
選手の皆さんに聞きました
日本代表チームとして印象に残っている試合はありますか?
1次予選のポーランド戦。厳しい試合でしたが、ハートのある試合ができました。
日本代表チームはどんなチームですか?
普段は別々のチームで戦っていますが、代表に入れば1つのチームとして戦う事に違和感を感じません。しかし、代表が終わりクラブチームに帰った後は多少戦いづらさを感じる事はあります。
普段、どのような練習をされているのですか?
通常、氷上練習1.5時間、そしてウエイトトレーニングやランニングなどの基礎練習を1.5時間ほどです。そのほかにビデオを見たり、ミーティングをしてプレーの確認をします。
防具は重いですか?着心地はいかがですか?
改良が進みどんどん軽くなっていることもあり、防具の重さ自体はそれほど気になりません。着心地は、あまりにも日常化しているので、着ていない状態でスケートをする方が逆に不安になる時があります。
試合中のボディーチェックなど、接触プレーは怖くないですか?
もちろん怖くありません。そのために普段から鍛えていますし、準備をしています。しかし、怪我は避けられず、自分でコントロールできないこともあります。それだけが心配です。
選手として感じるアイスホッケーの魅力とは?
スピードと激しい当たりでしょうか?しかし一方で、アイスホッケーは速いスピードの中での判断力が必要とされインテリジェンスの高い競技だと思います。
フィールドホッケーなどではなく、氷上での競技を選んだ理由は?
生まれが北国(北海道)ですので、アイスホッケーの環境が整っており、普段の遊びの中から自然にプレーするようになりました。
最後に、ドイツニュースダイジェストの読者にメッセージをお願いします。
ドイツにお住まいの皆様に日本代表の活 躍を見て元気になっていただければ幸いです。海外にいると特に、日本人である事を強く意識します。その代表として恥ずかしくないプレーをするつもりです。皆さんご期待ください!
ありがとうございました。
オリンピック出場を目指して、がんばれ日本代表!!
インタビュー協力・写真提供:日本アイスホッケー連盟
写真:JIHF-PHOTO, Uchigasaki