ジャパンダイジェスト

旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

世界各地の醸造所をサポート!設備メーカーのインペリアルIPA

バイエルン州には湖が多く点在する。最大の湖はオーストリアとの国境に近いキーム湖だ。湖の中央に浮かぶ島には、ノイシュヴァンシュタイン城で知られるバイエルン王ルートヴィヒ2世によって建てられた、絢爛豪華なヘレンキームゼー城があり、多くの観光客が訪れている。

キーム湖から車で10分ほど北上したゼーオンという街に、今回ご紹介するカムバ・ババリア醸造所はある。醸造所には35人以上のマスターブルワーとエンジニアを含む120人以上の従業員が在籍。というのも、ビール大国ドイツ屈指の醸造設備メーカーであるブラウコンのショールームも兼ねているからだ。世界70カ国、世界中に300カ所以上の醸造所の設備を納入している。マスターブルワーたちは、毎月販売される期間限定ビールを開発するだけでなく、建設予定の醸造所のサポート。その内容は、自社醸造所でのレシピ開発やテスト醸造、実際の設備の運用まで多岐にわたる。

もちろん技術の高さは折り紙付きで、世界的なビールのコンペティションでも数々の賞を獲得している。2024年の「ワールド・ビア・アワード」では10の商品が受賞。なかでも「インペリアルIPA」*は該当部門で金賞が授与されている。このビールでは、コロンブスという米国原産のホップをメインに使用し、酵母もアメリカンエールイーストを使用。クラフトビールの源流となった米国産の原料を使いつつも、ドイツの伝統を守って醸造している。口に含めば、オレンジの皮をかじったかのような香りと苦みが弾ける。麦芽の濃厚なコク、温かなアルコール感の余韻が心地良い一杯だ。

醸造所には出来たてのビールが飲めるカフェバーが併設されている。また、ミュンヘンとフランクフルトには直営店も。ドイツのクラフトビールの今を知りたい方に、ぜひ飲んでもらいたい。

www.camba-bavaria.de

※インペリアルIPAとは、通常のIPAよりホップを大量に使ったIPAのこと。苦味みが強く、麦芽の甘みと味わいも濃厚。ダブルIPAやエクストラIPAとも呼ばれる。

vol.95
Camba Imperial IPA

Camba Imperial IPA

 
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