ジャパンダイジェスト

子どもたちと未来を考える Labyrinth Kindermuseum

自分が幼かった頃と比べて、普通に生活しているだけでも、異常気象や平均気温の上昇など、「気候変動」を認識できてしまう世の中になってしまいました。一方で、気候変動ストライキ「Fridays for Future」(未来のための金曜日)を皮切りに、環境問題だけでなく、若者が社会に対して問題提起を行える場も総じて増えてきたようにも感じます。自分の子どもが大人になった時、地球環境や世の中はどんな状況になっているのか、またそれに対してどのような行動を起こせば良いのか。今回、そうした問題について親子で楽しく学べる体験型の施設「Labyrinth Kindermuseum」を訪れました。

外観は昔の工場をそのままに外観は昔の工場をそのままに

このミュージアムは、SバーンのGesundbrunnen駅から徒歩約10分のところにあります。「ラビリンス」と聞くと、迷路や謎解きなどを連想されるかもしれませんが、このミュージアムは一味違います。ここでの体験を通して、迷宮を抜け出すかのように自分らしい方法や道を見つけてほしい、という願いからこの名前が付けられたとのことです。対象の年齢は3~11歳。まだ文字が読めない子でも遊びや体験を通じて、現代が抱える社会問題や環境問題に触れ、考えるきっかけを得られる場となっています。対象年齢をとうに超えた私でも大いに学べる場であり、一緒に訪れていた子どもよりも夢中になってしまいました。

メインホールは吹き抜けで広い!メインホールは吹き抜けで広い!

メインホールを含めて、展示は4カ所あります。テーマは環境だけに限らず、健康や差別、多様性まで幅広く取り扱われており、定期的に展示の入れ替えを行っているそうです。天気の良い日には、インストラクターによる屋外でのワークショップが開かれているほか、誕生日パーティーのサービスや子ども向けイベントを定期的に開催しているなど、何度訪れても楽しめる工夫がされています。

コスプレをしてミュージアムを回ることもできますコスプレをしてミュージアムを回ることもできます

なかでもおすすめなのは、月に1度開催されているイベント「Nacht im Museum」です。8~12歳の子どもを対象としたもので、ライト一つで真っ暗な館内を探索。夜のミュージアムで野生動物の行動を観察したり、宝物を探したりと、子ども心がくすぐられるイベントです。また教育事業にも力を入れており、教師向けの学習メソッドについての講義なども行っているようです。

「楽しい」と「学び」が起こす相乗効果には、計り知れないものがあります。親として、子どもと一緒に現代社会の問題にどう向き合っていくか。答えは簡単に出せそうもありませんが、近所のミュージアムが何かヒントをくれるのかもしれません。

Labyrinth Kindermuseum:www.labyrinth-kindermuseum.de

 
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中村さん中村真人(なかむらまさと) 神奈川県横須賀市出身。早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年よりベルリン在住。現在はフリーのライター。著書に『ベルリンガイドブック』(学研プラス)など。
ブログ「ベルリン中央駅」 http://berlinhbf.com
守屋健(もりやたけし)
ドイツの自動車、ビール、そして音楽に魅せられて、2017年に渡独。現在はベルリンに居を構えるライター。健康維持のために始めたノルディックウォーキングは、今ではすっかりメインの趣味に昇格し、日々森を歩き回っている。
守屋 亜衣(もりや あい)
2010年頃からドイツ各地でアーティスト活動を開始し、2017年にベルリンへ移住。ファインアート、グラフィックデザイン、陶磁器の金継ぎなど、領域を横断しながら表現を続けている。古いぬいぐるみが大好き。
www.aimoliya.com
佐藤 駿(さとう しゅん)
ドイツの大学へ進学を夢見て移住した、ベルリン在住のアラサー。サッカーとビールが好きな一児のパパです。地元岩手県奥州市を盛り上げるために活動中。
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