「Goldener Herbst」(黄金の秋)という言葉の通り、木々が美しく色付く季節がやってきましたね!同時に秋は収穫の時期でもあります。そんなこの季節、ぜひ郊外の農園へ足を延ばしてみませんか?
今回私が向かったのは、デュッセルドルフから車で1時間ほどのHaus Bollheim。40年以上前から有機農業に取り組んできたこの農園は、ノルトライン=ヴェストファーレン州のなかでも先駆け的な存在です。ドイツのビオ認定機関の一つであるデメター(demeter)の認証も取得しています。151ヘクタールの広大な敷地には、70頭以上の乳牛と1000羽以上のニワトリが暮らし、40種類以上の野菜が生産されています。併設のショップでは、農園で収穫された野菜や果物、粉から挽いて作られた焼きたてのパン、自家製のハムやソーセージ、チーズなどが販売されています。この農園で毎年9月にHoffes(収穫祭)が開催されていると聞き、家族で行くことにしました。
子どもたちに大人気!わらでできたピラミッド
収穫祭には例年5000人ほどが集まるそうで、大勢の来場者でにぎわっています。門をくぐって中庭に入ると、屋台が立ち並び、農園で収穫されたジャガイモを使ったフライドポテト、レープクーヘン、ラクレットといったドイツらしい料理が勢揃い。新鮮なミルクから作られたアイスクリームや、お手製のケーキやタルト、地元のビールなどもありました。中庭のテーブル席に腰掛けて、ライブ音楽を聴きながらゆっくりと楽しめます。有機農業の歴史や取り組みについて紹介するブースもあり、詳しく知ることができました。
かぼちゃの季節到来!Hokkaidoもありました
また子ども向けのワークショップも充実していて、トラクターに乗って農園を回れたり、牛にエサをあげる体験ができたり。粉から成形してのパン作りや、農園で採れたハーブをブレンドしてのオリジナルハーブソルト作りと、盛りだくさんのプログラムです。なかでも大人気だったのは、会場奥に設置された大きなピラミッド。ブロック状のわらを積み上げて造られているのですが、中には通路もあり、まるで迷路のよう。わが家の2歳の娘も上って下りては隠れて……を繰り返し、楽しんでいました。
広々とした牛舎。自家製チーズは数々の受賞歴あり
当日は、9月にしては珍しく30度超え。なかなかの暑さでしたが、緑に囲まれた農園は木陰もあり、風が通ると心地良く、のんびりとした時間を過ごすことができました。のどが渇いたので、搾りたてのリンゴジュースをいただくことに。昔ながらの機械にリンゴを並べ、上から重しを載せて絞って、それをグラスに入れてくれます。搾りかすは牛たちのエサになるそう。こういった有機農園ならではの取り組みも随所に見られ、おいしくかつ学びの多い1日になりました。
9月から10月にかけて、ドイツ各地でこういった秋祭りが開催されているので、お近くの農園や教会のイベント情報をチェックするのがおすすめです。「黄金の秋」を存分に楽しみましょう!
出版社勤務ののち、夫の駐在に伴い2019年7月に渡独。現在は、デュッセルドルフ生まれの2歳の娘の子育てに奮闘中。趣味はライン川での散歩と、パンやお菓子を焼くこと。