昨年11月26~28日まで、第22回目となるウイスキーメッセ「InterWhisky」が開催されました。会場は、フランクフルトの植物園パルメンガルテンにあるイベントホールです。入場できる時間帯が前後半に分けられており、入場人数制限に従ってチケットを購入。2Gプラスのルールが適用されていました。ネオルネッサンス様式の美しいホールには、さまざまなウイスキーのスタンドが並び、本場スコットランドやアイルランドをはじめ、ドイツ産や日本産など、1000種類以上のウイスキーが試飲できます。会場内でプラスチックのコインを購入すると、試飲用のグラスがもらえ、ウイスキーの種類に応じて、必要なコインを払うと試飲ができる仕組みです。
日本のウイスキーも人気です
入場してすぐのブースにあったのは日本のウイスキー「鳥取」です。ここ数年、ドイツでも日本のウイスキーが人気で、デパートや専門店でも日本産ウイスキーを見かけるようになりました。コインを払って、早速試飲。ハイボールなどにも合いそうなものから、典型的なウイスキーの味のものまで何種類かありましたが、全体的に軽くてクセがなくサラッと飲めました。
続いて別のブースでは、ニッカウヰスキーの「余市」を試飲。ただの余市ではなく、ニッカが2024年に90周年を迎えるのを記念して、今年造られた特別なウイスキーです。余市はピートと呼ばれる泥炭の香りが特徴ですが、記念ウイスキーの余市は、あえてピートを使用しない造りになっています。力強い味わいのなかにも、なめらかなコクや甘さ、フルーティーなアロマが調和していて、とてもおいしい1本でした。こちらは数量限定販売らしく、なかなか手に入りにくいそうです。こうした特別な1本も、少量ずつ味わえるのはメッセならではの良さですね。
豪華なシャンデリアとバルコニーのある会場
さらに、葛飾北斎や菊川英山の浮世絵をデザインしたボトル「松井」が目を引きました。桜の木のたるで熟成させたものや、珍しいミズナラのたるを使ったものも。ミズナラカスクのものはスパイシーでペッパーのような味わいが面白かったです。
スコットランドの醸造所「GLENGOYNE」では、30年ものの限定ウイスキーもありました。1本が800ユーロにもなるそうで、20ミリリットルの試飲だけでも26ユーロ……。ほかにもイスラエルの醸造所のスタンドや、蜂蜜のウイスキーなど、ユニークな商品と出会えるのもメッセの魅力でした。
浮世絵のデザインボトルが美しい「松井」
また有料のセミナーも行われています。マスタークラスやグランドマスタークラスと、それぞれ試飲しながら講義を受けられるプログラムも用意されていて、ウイスキー愛好家やソムリエ、飲食店関係の人々が知識を深める場も提供されていました。このメッセは次回も1年後、同じ会場で開催予定です。
InterWhisky: www.interwhisky.com
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twittter : @nikonikokujila