ハリウッド映画などのメジャーな作品は、どこの街でもCINEMAXXなどの大手映画館で鑑賞できますが、ハンブルクにはメジャーではないけれど玄人受けする映画や、こだわりの映画を上映する比較的小規模な映画館が多いように感じます。
オッテンゼン(Ottensen)にあるツァイゼ・キノ(zeise kinos)もそんな映画館の1つ。特定のテーマに沿ったインターナショナルな映画祭も行われたりして、映画ファンには良質の映画を上映する映画館として知られているそうです。さらにこの映画館は子ども向けの映画上映にも力を入れていて、毎週木曜日の午前中には小学生の課外授業用に特別枠が設けられています。子ども向けの映画は、一般の観客のためにも毎日午後の時間帯に上映されており、子どもだけでなく大人も鑑賞できるようになっています。
この映画館にお子さんと一緒によく来るというドイツ人のお母さんにお話を伺ったところ、普通、映画の上映前には様々な宣伝が上映され、特にたばこなど子どもたちにとって有害なものが多いのですが、zeise kinosの子ども映画の場合、そういった有害な宣伝がカットされているので、安心して子どもを連れて行けるとのことでした。こういう配慮は嬉しいですよね。
また、zeise kinosは記念建造物として保護されているツァイゼ・ホール(Zeise Hallen)の中に入っているので、建物自体を見物するだけでも充分に価値があります。この建物は19世紀に船のスクリュー工場として建てられ、当時の会社名テオドール・ツァイゼ社にちなんでツァイゼ・ホールの名がついています。工場としての役目を終えてから15年後の1993年、Zeise Hallen は映像メディア・センターとして新たなスタートを切りましたが、今でも建物の外から中にかけて、部品や製品を運んだと思われる鉄道の引き込み線跡が残っています。
ホール内部・映画館の入口
この建物の中に映画館や児童図書館、書店、レストラン、カフェ、各種ショップが入っていて、独特の空間を作り出しています。レストランやカフェの中庭には今の時期、テーブルと椅子が出され、いつも若者たちで賑わっています。ぜひ1度、散策に出かけてみてください。ただし、車での来場は駐車スペースを見つけるのが至難の業なので、お薦めできません。(住所:Friedensallee 7-9)
毎週月曜日は映画デーで、映画観賞チケットが通常より割安になります。さらに詳しい案内、上映プログラムを知りたい方は、www.zeise.deにアクセスしてみてください。Viel Spaß!
引き込線跡の残る裏口
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?