Adeni

人間と自然との共生を目指して アルプスの未来と私たち

ドイツ・アルプスを代表する豊かな自然に恵まれたミュンヘン。私は夏、山小屋に泊まりながら本場のヨーロッパ・アルプスを縦走し、ダイナミックな自然に触れることを毎年楽しみにしています。特にここ数年私が目標としていることは、できるだけ多くの氷河を見に行くことです。温暖化によって毎年氷河が解けて形を変えていく様子は、なんとも切ない気持ちになりますが、それでも「この瞬間」の大自然を感じることは、自然と共に生きる私の活力にもなっています。

本物の氷河の氷に触れることができる貴重な展示も本物の氷河の氷に触れることができる貴重な展示も

ミュンヘン市内を流れるイザール川沿いに佇む白い外壁が美しいアルペンミュージアムでは、8月30日(日)まで特別展示「Zukunft Alpen. Die Klimaerwärmung」(アルプスの未来。地球温暖化)が開催されています。同館は、常設展含め「体験」に重きを置いた展示となっており、アルプスで感じる音や匂いを体験できるコーナーや実際の山小屋を模した部屋など、実際にアルプスを歩いたことがない人でも模擬体験ができます。私が訪れたのは日曜日でしたが、小学生の子どもたちが鉛筆とノートを持って一生懸命に感じたことを書き留めたり、大人たちに話したりする姿がとても印象的でした。

パッチワークでおしゃれに修繕されたアウトドアウェアパッチワークでおしゃれに修繕されたアウトドアウェア

特別展示では、氷河や河川が数十年単位で変わりゆく姿や、自然災害などで大きく変わる姿を示すとともに、アルプスを訪れる人々や、そこで暮らす人々ができる現在進行形の取り組みなどが紹介されていました。私もよく利用する山小屋も、できるだけ自然に対してストレスをかけない、持続可能で自己完結型のエコシステムの構築が課題です。展示では、例えば山小屋から排出される下水を液体と固体に分離し、再生・肥料化するシステムや、輸送エネルギーを軽減するために、軽量で高タンパクな「ひよこ豆」を食材として活用する工夫、さらには水力・太陽光発電によるエネルギー確保など、さまざまな取り組みが紹介されており、とても勉強になりました。

イザール川沿いのプラーター島に佇むアルペンミュージアムイザール川沿いのプラーター島に佇むアルペンミュージアム

また、最近では各スポーツブランドがアウトドアウェアの修繕や再利用を店舗で行うサービスも始まっています。消費型から循環型社会に変わっていくことで、人類と自然が共生する社会をつくり上げていくという、大きな変化のうねりを感じました。私たちが住む大切な地球のためにできること。たくさんのヒントを得ることができるこのミュージアムに、皆さんもぜひ訪れてみてくださいね!

Alpine Museum:www.alpenverein.de/museum

神田 浩一郎(かんだ こういちろう)
駐在員として赴任したミュンヘンで、自然や文化、人々に魅了され、2019年に完全移住。「ミュンヘン山の会」のメンバーとして月に1~2度ハイキングを企画したり、山歩きの魅力やミュンヘンでの日常生活を発信したりしている。
Instagram:@yama.trip.music_kou

 
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