1人当たりのチョコレート消費量が世界一多いのはドイツだそうです。確かに、お店には豊富な種類のチョコレートが並んでいますし、板チョコ1枚の標準サイズが100gと大きいことにも、ドイツに来た当初は驚いたものです。それが今では、甘みがしつこ過ぎると思っていたドイツのチョコレートの味に慣れ、かえって日本のチョコレートが物足りないと思うようになってきました。
チョコレートの原料であるカカオ豆が南米やアフリカでプランテーション栽培されていることはよく知られていますが、そのカカオ豆が輸入される国は、欧州ではオランダ、ドイツ、ベルギーの3カ国だけだということは、ご存知でしょうか? 少し考えてみれば当たり前のことなのですが、船で輸送されるカカオ豆は、ロッテルダム、ハンブルク、アントワープという大きな港町に入って来て、そこから欧州各地に運ばれるのです。
ガイドさんによるカカオの実の説明
「カカオ豆が到着する港」ということで、ハンブルクには、チョコレート博物館「Chocoversum」があります。ここでは、カカオの栽培からチョコレートが製品として出来上がるまでの工程が90分のガイド付き見学コースで詳しく説明されるので、見学が終了した後は、ちょっとしたチョコレート通になれます。皆さんも、例えば市販されているチョコレートに「Edel-Bitterschokolade(高級ブラックチョコレート)」とか「Edel-Vollmilchschokolade(高級ミルクチョコレート)」と書かれているのをご覧になったことがあると思いますが、なぜ「Edel」と銘打っているのでしょうか。それは、カカオ豆の品種が違うからなのです! 栽培されているカカオ豆には2種類あり、「Edel」の方は1本の木からの収穫量が少なく、香りの強い品種。だから、お値段もその分高くなるのだそうです。
この博物館の嬉しいところは、カカオの果実(種の周りにある白い果肉)や焙煎した豆の状態、潰して混ぜた状態、粉末、熱を加えてどろっとした状態、完成品と、それぞれの工程でカカオの味見ができることです。さらに90分の見学コースでは、レーズンやナッツなど、好きなものをトッピングした、自分だけのオリジナル板チョコも作ります。チョコレート好きにはたまりませんね。また、博物館入り口のチョコレート・ショップも充実しています。
オリジナル板チョコを作る見学者の皆さん
見学コースは時間が決まっているので、お出掛けの際は、博物館のホームページでご確認ください。なお、英語ガイドは事前連絡が必要です。
入場料: 大人14ユーロ、子ども10ユーロ
www.chocoversum.de
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?