はじめまして!
ライプツィヒの新地域レポーターになりました、小見山郁子です。どうぞよろしくお願いします。今回は、私が運営に関わっているフリースペース「日本の家」を紹介します。かつてはドイツ最悪のストリートと言われた、ライプツィヒのアイゼンバーン通り。そこに「日本の家」があります。中央駅からトラムで10分ほどの距離ですが、空き家が多くて家賃が安いなどの理由から移民が多く、ほかの地区とは少し違う雰囲気。ケバブ屋やアラブ系のマーケットが多く並んでいます(ちなみにライプツィヒでオクラを買いたい場合は、ここで入手することができます)。
リアルタイムでペイントにプロジェクションマッピングを作っていく様子を見るのはとても興奮しました
日本の家は2012年にこの地域に引っ越してきました。「ごはんのかい」や作品の展示、プレゼンテーション、ワークショップ、音楽ライブなどを行っており、さまざまな年齢、国籍の人が集い、地域に開かれた場所です。運営メンバーはワーキングホリデーや交換留学生、大学生、職人、フリーランサー、主婦、会社員、失業者など、さまざまな背景、国籍、年代の人たち。学生などライプツィヒに滞在できる期間が限られた人も多いため、メンバーの入れ替わりも多いのですが、それが「日本の家」にとってはいい刺激となっていると感じます。
毎週木曜と土曜に行われている「ごはんのかい」はドイツでは「Küche für Alle(KüfA)」や「Volksküche(VoKü)」といわれる取り組みを参考に、参加者みんなで食材を調理し、一緒にごはんを食べようという活動です。さまざまな国のレシピや、同居人のおばあちゃん直伝のレシピなど、ちょっと特別な料理が人々のコミュニケーションの架け橋となっています。
モデルと書かれたソファに座る人の似顔絵を描く似顔絵イベント
また、不定期で行われる「ラーメンターク」は、「日本人がおいしいと思えるラーメンをドイツで!」というコンセプトのもと、メンバーが一丸となってスープ、麺、煮卵など全てを一から手作り。日本人だけでなく、地元の人々にも人気のイベントとなっています。
おいしいラーメンを食べると誰もが笑顔に
「日本の家」はアートスペースやライブハウスのような専門的な場所ではありません。参加者の興味関心や背景は偏りがなく多様。そのため思いも寄らない出会いや考え、人々の繋がりが生まれることがあります。その様子を目の当たりにするのが、刺激的で楽しいのです。そして、「誰もが想像しなかったことが起こり得る」ことこそ、フリースペースの役割なのではないかと思います。
私自身も、「日本の家」での活動や人との出会いを通じて現在起業準備中。「日本の家」で何かやりたいと思った方、われこそは自慢のレシピを「ごはんのかい」で紹介したいという方は、ぜひ参加してみてください。きっと何か、面白い発見があるはず。
岡山県出身。コミュニティースペースやまちづくりに興味を持ち、NPOで活動しながら診療放射線技師として8年間病院勤務。ひょんなご縁で2018年に渡独し、ライプツィヒにある「日本の家」で活動を開始。2020年から日本食を中心としたコレクティブとして活動中。