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距離を経験する休暇 エアフルトへの4日間の自転車旅

ドイツの小学校では、6週間の夏休みが終わったと思ったら、その2カ月後には2週間の秋休みがやってきます。ドイツで雇用されている人の1年間の有給休暇25〜30日をすべて使っても、小学校の1年間のトータルの休み期間には足りないという現実。そのため、どの家庭も子どもたちを祖父母のところに預けるなどして上手にやりくりしています。

休み期間中にも子どもたちを預かってくれる学童保育(HORT/ ホート)もありますが、費用がかかることに加え、「親が休暇にどこにも連れていってくれない」子どもたちが残されている感じが拭いきれないので、わが家の娘も進んでは行きたがりません。無理して行かせることもないので、私たち親のできる範囲で子どもたちの休暇の過ごし方を考えます。例えば、私の勤めている設計事務所ではスタッフ全員がノートパソコンを持ち、どこでも仕事ができるようにしていて、子どもが病気や休み期間中でも仕事を休めない時は、私も自宅で働いています。ホームオフィスはドイツの多くの会社が推奨していて、むしろ電話や打ち合わせによって中断されないので、集中して一気に仕事がはかどることも。もちろん職種によって、常にチームで働かなければならない場合や、新規スタッフで本人も周りも仕事内容を把握しないといけない場合にホームオフィスは弊害になりますが、この選択肢を持つことはストレスを結果的に減らすと経験から感じています。

とはいえ、せっかくの秋休みに子どもたちをどこにも連れていってあげられず、休めないとはいえ仕事ばかりしているのもつまらないということで、私たちはある案を思いつきました。ドイツ人の夫の実家エアフルトまで、ライプツィヒから特急列車ICEに乗れば40分ほどで着くのですが、今回はその150キロほどの行程を自転車で行ってみよう! ということに。5歳と8歳の娘たちもそれぞれ自転車に乗って、家族4人で4日間かけて出かけて来ました。1日35〜45キロの距離を自転車で走り、途中の小さな村で3泊。秋晴れの合間にちらほら雨にも打たれ、さすがに次女は全行程を走ることができず、私と彼女だけ途中2回自転車を列車に乗せて移動しました。

テューリンゲン州の山道テューリンゲン州の山道

それにしても、平坦なライプツィヒの生活に慣れている私たちにとって、ザクセン州からザクセン=アンハルト州、そしてテューリンゲン州の山と谷を越える自転車ルートは身に応え、何度もため息をつきました。とはいえ、ザーレ川沿いにはきちんと自転車道が整備されているので、信号や車に気をつける必要もなく、天候さえ良ければ最高のサイクリングコースです。

ザーレ川沿いの整備された自転車道ザーレ川沿いの整備された自転車道

さて、事故も怪我もなく4日間かけて祖父母のところに自転車でたどり着いた私たち。特に娘2人の達成感はとても大きく、思い出に残る秋休みになったようです(ちなみに帰りは列車に自転車を乗せてライプツィヒに戻りました)。

ミンクス 典子
福岡県出身。日独家族2児の母。「働く環境」を良くする設計を専門とする建築家。2011年に空き家再生社会文化拠点ライプツィヒ「日本の家」立ち上げ、18年まで共同代表。15年より元消防署を活用した複合施設 Ostwache共同代表。
www.djh-leipzig.de
 
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