ジャパンダイジェスト

ロシア人オーナーが営む日本茶カフェ「ニャンコティー」

今回は、ライプツィヒの西地区のPlagwitzにある日本茶カフェ「ニャンコティー」を紹介します。このお店のオーナーは、ロシア人のカチャさん。彼女はもともと日本のお茶文化に興味があり、日常の喧騒から離れてリラックスできる空間を作りたいと考え、ニャンコティーのオープンに至りました。

オーナーのカチャさん自らお茶を点ててくれますオーナーのカチャさん自らお茶を点ててくれます

店内に入ると、ネコがお茶を抱えてリラックスしている大きなイラストが目に入ります。内装はとてもおしゃれで明るく、日本的な雰囲気を感じつつもライプツィヒに合わせたモダンな造り。日本の伝統的な茶室をそのままドイツに持ち込むのではなく、洗練された和のスタイルとライプツィヒの若者カルチャーを融合させたいという思いが設計にも組み込まれているそうです。

店内で使用されている急須や湯のみなどの陶器は、ライプツィヒ在住の陶芸家に発注して特別に作ったもの。店内に飾られている陶器や作品は購入可能です。ニャンコティーで提供している茶葉は、京都は宇治田原で代々続く老舗の永谷茶業から直接輸入しているオーガニックのものです。この茶葉を使用した抹茶ラテやスイーツも絶品。オープン当初は、シンプルに日本茶のみを提供するカフェにしようと試みたそうですが、ドイツではそれだけだと難しいかもしれないと思い、さまざまなメニューを展開することに決めたそうです。

急須や茶器もオリジナルです急須や茶器もオリジナルです

ニャンコティーで提供されている食べ物は、ライプツィヒのカフェ「Coffee Cloud」が抹茶やほうじ茶を使ったケーキを提供し、日本人による食を中心とした文化プロジェクトチーム「ponpoco」がおにぎりと大福を作っています。カチャさんによると、今の季節のおすすめは、ほうじ茶と玄米茶、自家製のローズシロップを使用した抹茶ラテだそう。個人的には、ローズやピンクペッパー、ラベンダーと抹茶ラテとの組み合わせは意外でしたが、おいしくて見た目もかわいらしく、新しい抹茶の楽しみ方だと思いました。店内ではライプツィヒ在住のアーティスト「MAYUMIORIGAMI」による、折り紙で作られたアクセサリーも販売されています。

木目を基調とした店内には、たくさんの植物があります木目を基調とした店内には、たくさんの植物があります

カトヤさんは、今年は自身で日本に買い付けに行き、お茶の品揃えや可能性を広げたり、お茶セミナーの開催や試飲会を開いたりしたいと考えているそうです。現在はロックダウンの影響で営業していませんが、営業再開の暁には、ぜひ遊びに行ってみてください。カチャさんが笑顔で迎えてくれることでしょう。

ニャンコティーのInstagram:@nyanko_tee

小見山 郁子(こみやま いくこ)
岡山県出身。コミュニティースペースやまちづくりに興味を持ち、NPOで活動しながら診療放射線技師として8年間病院勤務。ひょんなご縁で2018年に渡独し、ライプツィヒにある「日本の家」で活動を開始。2020年から日本食を中心としたコレクティブとして活動中。
 
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